クレームとと正義感の主張の狭間
ある交通機関の広報の仕事をしていたときに、雨の朝にお客様相談室にジャンジャンかかってくる電話で怒鳴り倒されまくった経験があります。お客様相談室の電話はほぼ全て開口一番怒鳴り声です。携帯電話の無い時代なので公衆電話か会社の電話かもしれません。
「出るのか遅い」「電話がつながらない」「雨で電車とバスが遅れている。どうしてくれるんだ」という地獄のようなクレーム電話。駅員さんにもワンマンバスの運転士さんも怒鳴ったあとの本社お客様相談室。興奮が収まらないのだと思います。なかには、「大事な商談に遅刻したから弁償しろ」というのもありました。30年経過しても、怒鳴り声がトラウマのように忘れられません。クレーマーというコトバがなかった時代のことです。
カスハラってコトバが流行る前。昔は忘年会シーズンは酔って駅員さんとかを怒鳴ったり殴ったり、終電が間に合わないから駅に寝かせろとか、吐いたのを掃除しろなんていうのもあったんですよ。今よりも酔っ払いが街で幅を利かしていた時代のことです。
私も一度だけホテルの支配人を呼んだことがあります。まあまあのホテルの禁煙の部屋に泊まったのに、清掃スタッフがタバコを吸いながら掃除をしていたらしく吸い殻が便器に落ちているを見てそれをフロントに言ったら信じないので部屋に呼びました。
あとはクレームじゃないのですが、有名ホテルでお寿司を食べた全員が食中毒になったとお伝えしたら謝罪に来られたことがあります。ある鍼灸院で消毒ができていない針のせいで病気になつたときも丁寧に謝罪頂きました。当たり前ですがそれでネットの口コミは書いたことないです。起こったことは認めて頂いたからです。
以前住んでいたマンションで、いつも選挙のハガキが来ないのを不思議に思っていたら、ある日同じマンションの方がうちのポストか投票権のハガキを盗んでいるのを見かけました。鍵をかけるほどでもなくホトホト困りました。写真も撮っていないしクレームも言えずでした。金品ではない分難しいこともあります。
しかし私も生涯、大クレームを今も言いたいシーンが約20年前にありました。相当悪い状態で肺炎で入院した当日の夕方。ある公立病院で「うちは公立です。組合があるから残業できないので5時に帰ります」という医師と看護師が部屋にきたのです。患者のご家族に会わないように、廊下からトイレに隠れる姿を入院中によくみました。今でも忘れられません。
命の現場なのに「キッチリ帰宅」を優先させるのが普通。嫌々仕事をするし同僚と雑談ばかりしていてヒトを待たせるシステムでした。病院名も医師の名前もハッキリと覚えています。潰れない企業にいるとこんなヒトになってしまうのです。社風って怖い。
もう一つはある政府系金融機関で派遣さんが手続きミスをしてこちらが数十万損をしたとき。それは仕方ないんですの一点張り。公的機関と民間企業で働く意識の差から生じるズレ。向こうは普通。こちらも普通。このズレがトラブルに発展しちゃうのかもしれません。
渋谷区のある公的施設のカウンターの方なんて、「タバコを吸いに行くからちょっとお待ちください」というのもありました。隣のヒトと連れ立って席を立ち10分待たされました。区長さんはは知っているのかな?こうゆうヒトは民間ならば続けられません。どうも公的機関と相性が悪いよう。サービス業をしている自分と常識がズれちゃうみたいです。
トラブルの種は日常にたくさんあるのでできればいちいち拾わずいちいち気にせず、言うべきことは言ったらあとは待つくらいの気持ちでいたいです。カスハラやクレーマー、ネットの書き込み。何でも言っていい世の中でも思いやりは大切です。イライラしちゃう気持ちで何かを言わないようにしたいものです。
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