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臭くなかった!(工具のお話)

今号は(も)オジサンの日記です。
クルマやバイクが好きで、さらにオーディオの仕事なんてやっていますとね、どうしてもイロイロな『工具』が必要になってきます。このたびドライバーを1本新調みたら大変に調子がよかった、というお話。


*PB SWISS TOOLSという工具メーカー。

色々な工具をリリースしていますが、特にドライバー(ネジ回し)が世界的に有名かつド定番なスイスのメーカーです。好き嫌いはあるにせよ、PBの製品クオリティを否定するような工具好きはまずいないでしょう。クオリティについては、ね。

新たに買った2番プラスドライバーです。

クオリティは最高なのですけども、かつての同社製品は猛烈に臭かったのです。工具好きならみんな知っている有名な話ですが、PBのドライバーは本当に暴臭でした。そしてその臭いがとっても粘着質で、工具箱に同居する他の工具にまで感染するのです。消臭できるワクチンはないのです。

コレ、ワタシの工具箱です。

かつて数本のPBドライバーを愛用していました。

しかし前述の臭い問題が深刻で、当時使っていた全ての工具にPBの臭い(どんな臭いかはあえて書きません)が感染ってしまい、結局その箱に入っていた工具を全部捨てた経緯があります。『ものすごく性能は良いけど、もう2度とこのメーカーのドライバーは使わない』とココロに誓ったものでした。

ですが、どうやら最近の同社ドライバーは臭くないと。そんな噂を耳にしていました。なんならバニラの匂いがするモデルもラインナップしていると。消臭のためにバニラを加臭とは、ずいぶん剛腕だなーと思いますが。

去年ウチのコになったR100R Mysticに付いているネジを締めたり緩めたりする機会が増えてきた今、もう一度PBのドライバーと付き合ってみる時が来たのかもしれない!なんて思ってしまった次第。噂の真相を確かめなければ。

バッテリーが死んだ日の図。

PBドライバーは、言ってみれば『大好きだったのにどうしても受け入れられない事情があって、泣きながら別れた彼女』みたいな存在。忘れられなかったのねワタシったら。女子からしてみれば『工具と同列にするな』って思うのでしょうけども。



*PBとお別れした以降のワタシ。

工具ってのは本当にピンキリでしてね、クオリティもさることながら価格に天地の開きがあります。そういうモノを必要としないヒトからしてみたら信じられないようなプライスがついた工業製品を、ワタシのようなアホは喜んで買うのですが、PBとお別れして傷心なワタシは、以降バランス良好な国産品を使ってきました。価格は良心的だし品質だって文句ありません。

安定のベッセル。
とてもマトモで良いメーカーです。

でもココロは満たされていなかったのでしょうね。思えばいったい何本のプラス2番を試してきたのだろうか。気づけば沢山のドライバーが手元に。

もう国産品でいいのだ!と思っていたのですけどね、びーえむさんがやってくるまでは。



*やっぱ良いわー、PB。

そんな揺れる思いを胸に買ってみたPBの2番ですが、やっぱり良いのですわ。何が良いって、ネジを締めたり緩めたりで不安がないのね。世間でよく言われる『ネジへの食い付きが良い』って、ほんとソレ。特殊なギザギザ加工とかしてないのにピッタリ食い付くの。

上:ベッセル
下:PB
ベッセル拡大の図。
ギザギザしてるでしょ?
食いつきは良好なんだけど、
ネジへの攻撃性が高い。

クルマやバイクは趣味です。メンテナンスに関しては、自分みたいな素人は無謀な手出しをしないでキチンとプロに作業をお願いしたいタチです。自分で触っても大丈夫な部位だけ自分で触ります。

でもオーディオ製品についてはそういうワケにはいかないのです。ワタシはエンジニアではないから修理はやらないけど、諸設定を変更したりする場面で機器の割腹作業は日常茶飯事です。お客様から預かった大切な逸品を扱うワケですから、なるべくネジ類への攻撃性が低くて作業性の良い工具が必要になります。

そんな使徒で、一番登場頻度が高いのが『2番のプラスドライバー』なのね。だからまずはソレから試してみたワケです。

結論。
買ってみてよかった。そして本当に臭くなかった(笑)。

コレでもうPBドライバーをずっと使っていけます。


*でも安くないの。

此度ワタシが買ってみた『スイスグリップ・クラシック』というシリーズは一番リーズナブルなモデル。そしてどうやら日本限定発売らしい。

リーズナブルとはいえ、全てのサイズを揃えようと思うとそれなりの出費になります。なので最も使う2番以外はビットを買ってみることに。

1番から3番のビットを買ってみた。

ビットホルダー・ドライバーはドイツのハゼットを使っております。磁石でビットをホールドするヤツですね。

握りやすくて滑らない。
汚れやすいのが難点。
サスガPB。
スイスグリップとビット、先端の形状は全く同一。
あたりまえか・・
ハゼットのホルダーは軸が1/4インチサイズ。
強引だけど、こんなパワープレイもできる。

2番ドライバーもビットも、とりあえず大正解なお買い物でした。
こうなると結局は全サイズのPBドライバーを買ってしまうのかもしれない・・ま、それはそれで仕方がない、アホなんだから。

そうそう、このPBドライバーは先端のチップが磁化されていません。コレね、地味に重要事案です。バイクをイジるときは磁化チップのドライバーが便利だけど、繊細なオーディオ機器を触るときは磁気を避けたい場面があります。

おーそうかそうか、趣味じゃなくて仕事で使うドライバーとして非磁化タイプはやっぱ必要不可欠なんだな。それじゃー買い揃えなきゃいけないなー仕方がないなーこりゃ。ふふん。



*下手っぴほど良い道具を使え。

と、教わってきました。コレほんとその通りです。

下手っぴが安物工具を使うと機械を壊す確率が高くなるし、いつまでたったも工具の使い方を覚えられないんだろね。精進します。

という先人の教えがあるので、どうせ買うなら大手を振って上質工具を買いましょう!良い工具は壊れづらいし、なにより美しい。

工具をウットリ眺めながら晩酌できるかもよ。と、下戸なワタシが言う。

この美しい10mmソケット、
いったいイクラすると思います?

しかしドライバーを1本買っただけで2,500文字以上の日記を書くなんて、やっぱワタシはアホだなぁと思いつつ今号はこれにて。

ではまた来週に。ごきげんよう。
2024.4.10



 


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