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「ゴミの生活」を復活させた
「ゴミの生活」とは、私が大学生の頃に書いていた日記ブログのタイトルである。サイトはもとより元のデータもない。何を書いていたかはわからないが、「ゴミの生活」とタイトルをつけていたので、たいしたことは書いていなかったのだろう。読んだ本や見た映画の感想はよく書いていた。「〜について書く」のは、好きなのだ。
大学で哲学の講義をとっていたときに、哲学者と呼ばれる人の本が書いているのは哲学ではなく哲学者につ
これもまた「未達の感覚」なのだろうか…?ーー澁谷知美、清田隆之『どうして男はそうなんだろうか会議 いろいろ語り合って見えてきた「これからの男」のこと』筑摩書房
澁谷知美と清田隆之が聞き手となり「男性問題」に関係するゲストと「どうして男はそうなんだろうか」と率直に語りあった本。以下、興味深いと思った点をメモ的に記してみた。
「いじり」の定義不可能性
男性の支配的コミュニケーションモードである「いじり」は、はっきりと定義できない難しさがある。あるひとはコミュニケーション(の潤滑油)とし、あるひとは暴力やいじめ、ハラスメントととらえる。木堂椎『りはめより1
新刊『ディストピアSF論ーー人新世のユートピアを求めて』(小鳥遊書房)取り上げたSF作品紹介
2024年6月末発売予定の新刊がAmazonで予約できます。
再校ゲラを戻し表紙デザインも完成しました!
第1章◉古典的ディストピア—三部作から二一世紀ディストピアへ
ジョージ・オーウェル『一九八四年』(ハヤカワepi文庫)
オルダス・ハクスリー『すばらしい新世界』(ハヤカワepi文庫)
レイ・ブラッドベリ『華氏451度』(ハヤカワ文庫SF)
第2章◉監視ディストピア—スマート化された身体の
10年後の日本ーー村上裕一『ネトウヨ化する日本』角川EPUB選書
積読10年の答え合わせ
2014年の本。サブタイトルは「暴走する共感とネット時代の「新中間大衆」」。新中間大衆には「フロート」とルビがついている。実は、本が出た直後に買っていた。村上の『ゴーストの条件』は買ってすぐに読んでいたので、次の本が出た、ということで買ってはいた。それから10年…。本棚に眠っていた本書を引っ張り出し読んでみた。2010年代の前半に書かれた本書は、2010年代がどのような時
日本語不安は実は日本文化不安ーー佐々木テレサ、福島青史『英語ヒエラルキー グローバル人材教育を受けた学生はなぜ不安なのか』(光文社新書)
早稲田大学国際教養学部出身で、早稲田の大学院日本語教育を修了した佐々木の修士論文をもとにした論考と、大学院での指導教員である福島による解説からなる本書。本書での「グローバル人材教育」とは、日本の大学で英語のみを使うリベラルアーツ系大学教育を指す。English-Medium Instruction(EMI)とも呼称される。具体的には筆者が卒業した早稲田大学国際教養学部や、公立だと秋田にある国際教養
もっとみるポストトゥルースの起源を求めて――リー・マッキンタイア『ポストトゥルース』(人文書院)
ポストトゥルースとは「公共の意見を形成する際に、客観的な事実よりも感情や個人的な信念に訴える方が影響力のある状況を説明するないしは表すもの」と本書ではOEDの定義を紹介されている。(孫引きもアレなので、Oxford Languagesのウェブから拾ってきた定義も貼っておくとPost-truth is an adjective defined as ‘relating to or denoting
もっとみる『ディストピアSF論――人新世のユートピアを求めて』(小鳥遊書房)目次紹介
新刊紹介です。
ディストピアと聞くと「監視+人工知能」「人間の動物的欲求に最適化されたアルゴリズム」を思い浮かべるかもしれない。もちろん監視の問題も扱うが、その他のディストピア類型も議論する。
第1章◉古典的ディストピア—三部作から二一世紀ディストピアへ
オーウェル『一九八四年』、ハクスリー『すばらしい新世界』、ブラッドベリ『華氏451度』の3作品を「古典」と呼び、これらのディストピアで何が
新刊『ディストピアSF論――人新世のユートピアを求めて』(小鳥遊書房)が出ます!
3年ぶりの新刊(単著)が出ます!
『ディストピアSF論――人新世のユートピアを求めて』(小鳥遊書房)
6月末刊行予定です。
詳細は小鳥遊書房公式ウェブサイトをどうぞ。
https://www.tkns-shobou.co.jp/books/view/631
概要:
ユートピアがディストピアに変容するトポス(場所)を古典的な作品から現代までSFに探る。
本の紹介:
誰かのユートピアは、
誰
直感と推論のあいだーー綿野恵太『みんな政治でバカになる』(晶文社)
ぱっと見て「冷笑的」「シニカル」なタイトルだと思うかもしれない。このタイトルにのみ釣られて、感情的な脊椎反射で、この本を批判したくなるかもしれない。(そうした人もいたような…)しかし、通読してわかるのは、直感・感情に開き直るのでもなく、いたずらに揚げ足取りだけに興じる冷笑主義でもなく、その両方を行ったり来たりするのが重要であり、そのために現実を数字で功利主義の視点で見つめるシニカル(時に冷笑主義と
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