事業再構築補助金12次の審査項目について

公募要領の『11.審査項目』から審査のポイントを抜粋しました。目次がそのポイントになります。

1.書面審査(審査項目・加点項目)
本公募要領では、各事業類型を下記のように表記しています。

(1)補助対象事業としての適格性

「4.補助対象事業の要件」を満たすか

。補助事業終了後3~5年で付加価値額を年平均
成長率3.0%~5.0%(事業類型により異なる)以上の増加等を達成する取組みであるか。

事業再構築指針に沿った取組みであるか。

※複数の事業者が連携して申請する場合は、連携体構成員が提出する「連携体各者の事業
再構築要件についての説明書類」も考慮する。

(2)新規事業の有望度

① 補助事業で取り組む新規事業が、自社が

アプローチ可能な範囲

の中で、

継続的に売上・利益を確保

できるだけの規模を有しているか。

成長が見込まれる市場か。

② 補助事業で取り組む新規事業が、自社にとって

参入可能な事業であるか。

➢ 免許・許認可等の制度的な参入障壁をクリアできるか。
➢ ビジネスモデル上調達先の変更が起こりにくい事業ではないか。
③ 競合分析を実施した上で、顧客ニーズを基に、競合他社と比較して、

自社に明確な優位性を確立する差別化が可能か。

➢ 代替製品・サービスを含め、競合は網羅的に調査されているか。
➢ 比較する競合は適切に取捨選択できているか。
➢ 顧客が商品やサービスの購入を決める際に重視する要素や判断基準は明らかか。
➢ 自社が参入して、顧客が商品やサービスの購入を決める際に重視する要素や判断基準を充足できるか。
➢ 自社の優位性が、容易に模倣可能なもの(導入する機械装置そのもの、営業時間等)となっていないか。

(3)事業の実現可能性

① 事業化に向けて、

中長期での補助事業の課題を検証できているか。

また、

事業化に至るまでの遂行方法、スケジュールや課題の解決方法が明確かつ妥当か。

② 最近の財務状況等から、

補助事業を適切に遂行できると期待できるか。

金融機関等からの十分な資金の調達が見込めるか。

※複数の事業者が連携して申請する場合は連携体各者の財務状況等も踏まえ採点します。
③ 補助事業を適切に

遂行し得る体制(人材、事務処理能力等)を確保出来ているか。

(第三者に過度に依存している事業ではないか。過度な多角化を行っているなど経営資源の確保が困難な状態となっていないか。)

(4)公的補助の必要性

① 川上・川下への経済波及効果が大きい事業や社会的インフラを担う事業、新たな雇用を生み出す事業など、

国が補助する積極的な理由がある事業はより高く評価。

② 補助事業として

費用対効果(補助金の投入額に対して増額が想定される付加価値額の規模、生産性の向上、その実現性、事業の継続可能性等)が高いか。

③ 先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、

地域やサプライチェーンのイノベーションに貢献し得る事業か。

④ 本補助金を活用して新たに取り組む事業の内容が、ポストコロナ時代の経済社会の変化に対応した、

感染症等の危機に強い事業になっているか。

⑤ 国からの補助がなくとも、

自社単独で容易に事業を実施できるものではないか。

(5)政策点

ポストコロナ時代の経済社会の変化に伴い、今後より生産性の向上が見込まれる分野に大胆に事業再構築を図ることを通じて、日本経済の構造転換を促すことに資するか。

先端的なデジタル技術の活用、低炭素技術の活用、経済社会にとって特に重要な技術の活用等を通じて、我が国の経済成長を牽引し得るか。

新型コロナウイルスが事業環境に与える影響を乗り越えて V 字回復を達成するために有効な投資内容となっているか。

ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。

地域の特性を活かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより、雇用の創出や地域の経済成長(大規模災害からの復興等を含む)を牽引する事業となることが期待できるか。


※以下に選定されている企業や承認を受けた計画がある企業は審査で考慮いたします。
○地域未来牽引企業
○地域未来投資促進法に基づく地域経済牽引事業計画
⑥ 異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供するような場合など、単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取組むことにより、高い生産性向上が期待できるか。異なる強みを持つ複数の企業等(大学等を含む)が共同体を構成して製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか。
また、事業承継を契機として新しい取組を行うなど経営資源の有効活用が期待できるか。
※以下のピッチ大会出場者は審査で考慮いたします。
○アトツギ甲子園

(6)GX 進出点(事業類型(B)に限る)

① 事業再構築の内容が、グリーン成長戦略「実行計画」14 分野に掲げられた課題の解決に資する取組となっているか。

(7)大規模な賃上げに取り組むための計画書の妥当性

(事業類型(A)(B)で補助率等引上げを希望する事業者に限る)
① 大規模な賃上げの取組内容が具体的に示されており、その記載内容や算出根拠が妥当なものとなっているか。
② 一時的な賃上げの計画となっておらず、将来にわたり、継続的に利益の増加等を人件費に充当しているか。

(8)卒業計画の妥当性(上乗せ措置(F)に限る)

① 事業再構築の実施による売上高や付加価値額の継続的増加が妥当なものであり、法人規模の拡大・成長に向けたスケジュールが具体的かつ明確に示されているか。
② 資本金増加の見込・出資予定者や従業員の増加方法が具体的に示されており、その記載内容や算出根拠が妥当か。

(9)大規模賃上げ及び従業員増加計画の妥当性(上乗せ措置(G)に限る)

① 大規模賃上げや従業員増員に向けた取組内容が具体的に示されており、その記載内容や
算出根拠が妥当なものとなっているか。
② 一時的な賃上げの計画となっておらず、将来にわたり、継続的に利益の増加等を人件費に充当しているか。

(10)加点項目

【コロナで抱えた債務の借り換えを行っている事業者に対する加点(コロナ借換加点)】

① 応募申請時において、コロナ借換保証等で既往債務を借り換えていること。

※コロナ借換保証等とは、下記の制度を指す。
(1)伴走支援型特別保証(コロナ借換保証)
(2)コロナ経営改善サポート保証
(3)新型コロナウイルス感染症特別貸付
(4)生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付
(5)新型コロナ対策資本性劣後ローン
(6)生活衛生新型コロナ対策資本性劣後ローン
(7)[新型コロナ関連]マル経融資
(8)[新型コロナ関連]生活衛生改善貸付
(9)[新型コロナ関連]沖縄雇用・経営基盤強化資金
【事業類型(D)申請事業者に対する加点】

② 指定の要件を満たし、コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)に申請すること。

【経済産業省が行う EBPM の取組への協力に対する加点】

③ データに基づく政策効果検証・事業改善を進める観点から、経済産業省が行う EBPM の取
組に対して、採否に関わらず、継続的な情報提供が見込まれるものであるか。

【パートナーシップ構築宣言を行っている事業者に対する加点】
※事業類型(A)(B)が対象。

④ 「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイトにおいて宣言を公表している事業者。(応募締切日時点)

【事業再生を行う者(以下「再生事業者」という。)に対する加点】

⑤ 中小企業活性化協議会(旧:中小企業再生支援協議会)等から支援を受けており(※1)、応募申請時において以下のいずれかに該当していること。

(1) 再生計画等を「策定中」の者※2
(2) 再生計画等を「策定済」かつ応募締切日から遡って3年以内(令和3年7月27日以降)に再生計画等が成立等した者
※1 以下に掲げる計画に関する支援を受けている者(同計画に基づき事業譲渡を受ける
(又は受けた)者を含む)。
1. 中小企業活性化協議会(旧:中小企業再生支援協議会)が策定を支援した再生計画
2. 独立行政法人中小企業基盤整備機構が策定を支援した再生計画
3. 産業復興相談センターが策定を支援した再生計画
4. 株式会社整理回収機構が策定を支援した再生計画
5. 「私的整理に関するガイドライン」に基づいて策定した再建計画
6. 中小企業の事業再生等のための私的整理手続(中小企業版私的整理手続)に基づい
て策定した再生計画(令和4年4月15日から適用開始)
7. 産業競争力強化法に基づき経済産業大臣の認定を受けた認証紛争解決事業者
(事業再生ADR事業者)が策定を支援した事業再生計画
8. 独立行政法人中小企業基盤整備機構が出資した中小企業再生ファンドが策定を支援
した再生計画
9. 株式会社東日本大震災事業者再生支援機構が同機構法第 19 条の規定による支援
決定を行った事業再生計画
10. 株式会社地域経済活性化支援機構が株式会社地域経済活性化支援機構法第 25 条
の規定による再生支援決定を行った事業再生計画
11. 特定調停法に基づく調停における調書(同法第 17 条第1項の調停条項によるも
のを除く。)又は同法第 20 条に規定する決定において特定された再生計画
※2 ※1のうち、1.から7.のみが対象。
また、1.から7.における「策定中」の定義は以下のとおり。
1.から3.「再生計画策定支援(第二次対応)決定」以後
4.企業再生検討委員会による「再生計画着手承認」以後
5. 同ガイドラインに基づく「一時停止の要請」以後
6.同手続きに基づく「一時停止の要請」以後
7.事業再生 ADR 制度の「制度利用申請正式受理」以後
【特定事業者であり、中小企業者でない者に対する加点】

⑥ 以下のいずれかに該当し、2.補助対象者に記載のある【中小企業者】及び【「中小企業者等」に含まれる「中小企業者」以外の法人】に該当しないこと。

1.従業員数(常勤)が下表の数字以下となる会社又は個人のうち、資本金の額又は出資の総額が 10 億円未満であるもの
2.生活衛生同業組合、生活衛生同業小組合、生活衛生同業組合連合会
※その直接又は間接の構成員の3分の2以上が、常時 300 人(卸売業を主たる事業
とする事業者については、400 人)以下の従業員を使用する者であって 10 億円未満の金額をその資本金の額又は出資の総額とするものであるもの。
3.酒造組合、酒造組合連合会、酒造組合中央会、酒販組合、酒販組合連合会、酒販組合中央会
(酒造組合、酒造組合連合会、酒造組合中央会の場合)
※その直接又は間接の構成員たる酒類製造業者の3分の2以上が、常時 500 人以下の従業員を使用する者でであって 10 億円未満の金額をその資本金の額又は出資の総額とするものであるもの。
(酒販組合、酒販組合連合会、酒販組合中央会の場合)
※その直接又は間接の構成員たる酒類販売業者の3分の2以上が、常時 300 人(酒類卸売業者については、400 人)以下の従業員を使用する者であって 10 億円未満の金額をその資本金の額又は出資の総額とするものであるもの
4.内航海運組合、内航海運組合連合会
※その直接又は間接の構成員たる内航海運事業を営む者の3分の2以上が常時 500人以下の従業員を使用する者であって 10 億円未満の金額をその資本金の額又は出資の総額とするものであるもの。
5.技術研究組合※直接又は間接の構成員の3分の2以上が以下の事業者のいずれかであるもの。
・上記1.記載の事業者
・企業組合、協同組合
【サプライチェーン加点】

⑦ 複数の事業者が連携して事業に取り組む場合であって、同じサプライチェーンに属する事業者が、以下を満たし、連携して申請すること。

・直近 1 年間の連携体の取引関係(受注金額又は発注金額)が分かる書類(※)について、決算書や売上台帳などの証憑とともに提出すること。
・電子申請の際、該当箇所にチェックをすること。
※連携体に含まれる全ての事業者が、連携体内での取引関係があることが必要
【健康経営優良法人に認定された事業者に対する加点】

⑧ 令和5年度に健康経営優良法人に認定されていること。

※健康経営優良法人認定事務局ポータルサイト
【大幅な賃上げを実施する事業者に対する加点】
※市場拡大要件を満たして事業類型(A)に申請する場合・事業類型(B)が対象。

⑨ 事業実施期間終了後3~5 年で以下の基準以上の賃上げを実施すること(賃上げ幅が大きいほど追加で加点)。

1.給与支給総額年平均成長率3%
2.給与支給総額年平均成長率4%
3.給与支給総額年平均成長率5%
【事業場内最低賃金引上げを実施する事業者に対する加点】
※事業類型(D)が対象。

⑩ 事業計画期間終了までの間、事業場内最低賃金を以下の水準とすること(水準が高いほど追加で加点)。

1.地域別最低賃金より+30 円以上
2.地域別最低賃金より+50 円以上
【ワーク・ライフ・バランス等の取組に対する加点】

⑪ 応募申請時点で、以下のいずれかに該当すること。

1. 女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づく認定
(えるぼし1段階目~3段階目又はプラチナえるぼしのいずれかの認定)を受けている者又は従業員数 100 人以下であって、「女性の活躍推進データベース」に女性活躍推進法に基づく一般事業主行動計画を公表している者
※厚生労働省「女性の活躍推進企業データベース」
2. 次世代育成支援対策推進法(次世代法)に基づく認定(くるみん、トライくるみん又はプラチナくるみんのいずれかの認定)を受けた者又は従業員数 100 人以下であって、「一般事業主行動計画公表サイト(両立支援のひろば)」に次世代法に基づく一般事業主行動計画を公表している者
※厚生労働省「一般事業主行動計画公表サイト(両立支援のひろば)」
【技術情報管理認証制度の認証を取得している事業者に対する加点】
※事業類型(A)(B)が対象。

⑫ 技術情報管理認証制度の認証を取得していること。

※経済産業省「技術情報管理認証制度」
※ ①、⑤、⑦、⑨、⑩の加点項目については、エビデンスとなる添付書類を提出し、各要件に合致することが確認できた場合にのみ加点されます。③、④、⑧、⑪、⑫の加点項目については、電子申請システム上でチェック事項を入力してください。

(11)減点項目等

【加点に係る申請内容未達時の対応】

加点を受けたうえで、本補助金で採択されたにも関わらず、申請した加点要件を達成できなかった場合

は、事業化状況報告において未達が報告されてから 18 ヵ月の間、中小企業庁が所管する補助金※1への申請にあたっては、正当な理由が認められない限り大幅に減点します。
※1 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金、サービス等生産性向上 IT 導入支援事業、小規模事業者持続化補助金、事業承継・引継ぎ補助金、成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech 事業)、事業再構築補助金、中小企業省力化投資補助事業
災害を受け、事業において著しい損失を受けたと認められる場合等※2により、やむを得ず加点要件を達成できなかった場合には、その限りではありません。その場合には、事業化状況報告の提出時にその理由を説明してください。やむを得ない理由と認められた場合に限り、減点を免除いたします。
※2 震災、風水害、落雷、火災その他の災害を受け、又は盗難にかかったこと等により、
事業において著しい損失を受けたと認められる場合(国税通則法第 46 条)その他こ
れに準ずるものとして中小企業庁が認めた場合
本補助金の審査にあたっては、中小機構及び中小企業庁所管の他補助金事務局が保有す
る、申請者に係る他補助金の申請・交付等に関する情報を利用させていただきます。また、
効率的な補助金執行のため、本事業の申請・交付等に関する情報についても、中小機構及び
中小企業庁所管の他補助金事務局に対して情報共有いたします。
【過去補助金交付候補者として採択された事業者(事業類型(B))】

既に過去の公募回で補助金交付候補者として採択されている又は交付決定を受けている場合

には、一定の減点を受けることとなります。加えて、別事業要件及び能力評価要件についても審査され、追加での減点となる場合もあります。これらについては、別事業要件及び能力評価要件の説明書に基づき評価されます。
【複数の事業者が連携して事業に取り組む場合】

連携体の必要不可欠性について審査された結果、減点の対象となる場合

があります。これについては、連携の必要性を示す書類(代表申請者用)に基づき審査されます。
【事業による利益が第三者のものになる事業に取り組む場合】

ビジネスモデル上、補助事業の実施により発生した付加価値額の大部分が、補助事業者(従業員や株主を含む。)以外にわたる事業等は、事業再構築に挑戦する中小企業等の成長を支援し、日本経済の構造転換を促す本事業の目的に沿わないため、当該事業を含む事業計画に基づく申請

は、減点の対象となります。
【過剰投資の抑制】
各申請者が事業計画策定時に実施した市場分析は、事業計画策定時の情報を元に実施されたも
のであり、応募申請後、補助金交付候補者の採択発表時までの社会情勢・市場の変化や、本補助金の支援を受けて新たに行われる他社の事業による影響を考慮できておりません。
事業計画書に記載されている市場分析を実施した時点では、当該申請者に優位性が認められた場合でも、実際に申請者が事業を実施する段階においては、その優位性が消滅している可能性もあります。
したがって、

特定の期間に、類似のテーマ・設備等に関する申請が集中してなされている場合

には、一時的流行による過剰投資誘発の恐れがあるため、別途審査を行います。過剰投資と判断
された申請に関しては、事業計画書に記載されている市場分析のとおりに事業を実施することが
困難であると考えられるため、大幅な減点を実施します。

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