中学生からの作文技術

『日本語の作文技術』より、こちらの方がコンパクトで読みやすそうと思い、手に取りました。明日から使えるテクニックを短時間で学べます。テクニックに関する本を数冊読みましたが、まずこの本を読み、もし更に深く学びたい部分があれば他書をあたるのが良いように思います。網羅性と例題、解説の点で、本書が優れているように思いました。
私は、「かかる言葉の順序」や助詞「ハ」の対照の使い方が意識できていなかったという発見がありました。

以下、本書章末の『おさらい』より、今後意識したい点を抜粋しました。

「かかる言葉と受ける言葉」のおさらい
・「文」は「かかる言葉」と「受ける言葉」で成り立っている。
・文の理解には「主語・述語」「修飾・被修飾」関係などより単純な「かかり・受け」関係を勧める。
・文章の長さは、わかりにくさとは関係ない。
「かかる言葉」と「受ける言葉」は近いほどわかりやすい。
・「美しい水車小屋の娘」は「水車小屋の美しい娘」のほうが誤解されない。

「かかる言葉の順序」の原則
・「節」を先にして、「句」をあとにする。
・同じ「節」(または「句」)では、長い方を先にする。
・長さが同じくらいのときは、大きな内容の方を先にする。
・「長さ」も「大きさ」も同じときは、前後の言葉のなじみ具合で配置を考える。

「テンやマルのうちかた」
・テンは適当(いいかげん)にうってはならないし、うつべきテン、うってはならないテンがある。
・長いかかる言葉が二つ以上あるとき、その境界にテンをうつ(第一原則)。
・語順が逆順の場合にテンをうつ(第二原則)。
・筆者の思想としての自由なテンもある。

「助詞の使いかた」
・作文技術における「助詞」は、会話の際のような表情や調子の助けがないので、文法的正確さを要する。
・題目の「ハ」は格助詞「ガ・ノ・ニ・ヲ」を兼務し、その題目としての役割がテンやマルを跳び越えることもある。
・対照の「ハ」は、題目の「ハ」のあと二つ目以降の「ハ」に出てくるのが普通である。
・否定文で「ハ」が抜けると意味不明になるので、十分な注意が必要である。
・「マデ」と「マデニ」では意味が全く異なるので、「マデニ」の意味のときは決して「ニ」を抜かさないこと。
・接続助詞の「ガ」は、逆接に使う以外では注意して使うようにする。
・「ヤ」「ト」「モ」などの並列の助詞は、ひとつだけ使う場合は最初の単語につける。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?