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シネマ⊿ライフ001 : 中学生

1. 初映画

 娘が初めて友達と映画館に行ったのは、中学生の時だった。気になる映画のタイトルだが、小学校から仲の良い女友達と二人で見た映画は、“映画ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年”だった。長寿テレビアニメ「ちびまる子ちゃん」の放送25周年を記念した劇場版で、大人びた行動と裏腹に、映画のチョイスはまだ子供なところにちょっと安心した。

2. LINEグループ

 中学の同級生からLINEのグループが作成されたと連絡が届いた。大阪に帰ってこないかとのお誘いを兼ねての久しぶりの会話に、自称女子の4名とおっさん3名の7名参加で、下世話でテンポの速い大阪弁チャットが飛び交った。ただでさえ30年ぐらい前の古い話しに加え、大阪を離れて久しいハンデをもった私は、思い出すのに時間がかかり、脳のリハビリ状態であった。

3. 思い出

 酒の入ったメンバーが増えた23時頃、「XXちゃんと観た映画覚えてる?」とキラーパスが飛んできた。確かに映画を見に行ったが、映画のタイトルは思い出せない。考える暇を与えない機関銃の如く、チャチャが発せられ、その処理をしながら古い記憶を検索するのだが、全く思い出せない。プレッシャーを受けてちょっとでも頭に浮かんだ事から発信し、「電車に乗った記憶は出てきた、その時の景色も。」などと時間稼ぎするが、「ユーミンの歌詞か!」等々の一層ガヤが煩さかった。悪乗りしたXXちゃん自信も「私は鮮明に覚えているのに、ショック(笑)。」と煽り出す始末で、助け舟のヒントを出してもらった。「初映画でホラー!?みたいな」とのヒントを見て、脳の押し入れの奥にしまっていた淡い記憶が蘇った。タイトルは”アラクノフォビア”、スピルバーグ製作総指揮の新種の毒グモに襲撃された町を舞台にしたホラー映画で、頭の中で大量の蜘蛛がでてきた。「なんちゅう映画みてんねん!」、「知らん」等々の当時のチョイスに30年越しツッコミを受け、その後もなんやかんやで、チャットは夜中の0時を回るまで続いた。


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