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「ペップスタイル」/ ポジショナルプレーから進化した今季のシティとアーセナル

こんにちは、easeaです。人生2度目のnoteを気合を入れすぎずに書いてみました!
テーマは「さらっとゆるーく短めに」ということで是非さらっとゆるーくどうぞ!

今回マンチェスターシティとアーセナル、似た特徴をもつ2つのチームの戦術の違いにフォーカスして今シーズンをまとめてみます。

シーズン途中ではありますが、今季はマンチェスターシティとアーセナルの全試合を楽しく考えながら観させて頂きました。
(「まあメインで観てるチームじゃないから許して!」という逃げ道を塞いでしまってかなりハラハラ。)
印象程度の薄い話でその印象すら鮮明でない箇所も多く、アラは探せばいくらでも出てくると思いますが都市伝説のテンション感でお願いします。

よし、ハードルはしっかり下がったので本題へ


ペップスタイル

こちら今年の1月にTLに流れてきた記事。
ポジショナルプレーについての議論をがっつり英語で超長くしてますので、今回の話に関わる部分をなんとなくまとめてこんな感じ。

「今日のフットボールにはアイデンティティとスタイルが欠けている。保持で325 or 235の構造を作り、幅をとってからCB-SB間のスペース/ポケットへのランニングで侵入しファーポストへのグラウンダークロスを狙う。
ペップが作ったこの形を多くのチームがコピー&ペーストしようとしている。
これではあまり楽しめない、人々は頻繁に起こることに興奮しないんだ。」

まさにこのフットボールを好んで観ていた自分も確かにな...と思わさせられました。

上記のパターン化された攻撃をポジショナルプレー,5レーンアタック,フィニッシュ設計などと呼んだりしますが、引用元の記事で使っていた「ペップスタイル」という表現が今回ちょうどよく楽しくなりそう(?)なのでこのnoteではそう読んでみようと思います。


シーズン開幕

時系列が前後しますがシーズンが開幕し数試合,十数試合を観て感じたのが、シティは思ったよりサイドから攻撃せずアーセナルの方がサイドからの攻撃が多いということ。

昨シーズンの2チームの試合をほとんど観てないながらにシティのイメージとしては、大外のWGからポケットランするIHに出して深さをとるまさにペップスタイル。
それがポケットランの試行回数は少なく、IHはWGではなくCFとの関係を重視した立ち位置に見えました。(これが正しいかどうかはまじでわからないけど確信なくそう感じていたのは覚えている。)
それに比べアーセナルはペップスタイルに忠実で再現性のあるサイドで複数人が関わって綺麗に崩す形を作ります。このとき正直アーセナルの方がいいじゃんと思っていたと記憶しています。



時が過ぎてシーズン中盤の1月、TLでの話題。
中央のスペースはサイドに比べゴールにより近く直線的に攻撃できるという点でスペースの価値が高い。
外からの攻撃を対策され狙いの形をなかなか作れない試合が増えてきたという状況で、中央を第一に狙って相手が中央を警戒して絞ることでまた外が空くという循環ができるといった話で盛り上がりました。
他リーグで勢いのあったレヴァークーゼン,ジローナ,ボローニャと絡めながらスペースの作り方,スペースの使い方の話に発展したりと、サイド一辺倒にならない攻撃のあり方が自分の中に新たなサッカー観として明確になったのを覚えています。

この話が出たのが1/10。そしてその後、最初に引用したポジショナルプレーのアンチテーゼ的な記事が投稿されたのが1/12。
そしてこれまでのペップスタイルからシステム変更も行い、明らかに中央を狙う思惑を見せ狙い通りの攻撃を何度も作ったシティ対ニューカッスルの試合が1/14。
話ができすぎてないかと今振り返ってびっくりしています。

この「ペップスタイル」/ ポジショナルプレー見直し週間によって、サイドからの攻撃だけではなく中央からの攻撃の重要性が説かれ、シーズン開幕からシティはすこしずつ中央からの攻撃を試行していたのだろうと都合よく解釈したりもしました。

ここからは「ペップスタイル」の進化ということで「ペップスタイル」を変化させ中央からの侵入を狙う新たなスタイルを模索するシティと、「ペップスタイル」と相性の良い戦術を取り入れ完成度を上げていくアーセナルのそれぞれを深掘って話していきます。


マンチェスターシティ

昨季三冠を達成したペップスタイルから早々に変革を図ったマンチェスターシティ。

その狙いが明確に見えた1/14のシティ対ニューカッスル。

ニューカッスル戦の可変

この日のシティは新たな可変、新たなシステムを使いました。
4231のシステムから両WGが内側、相手ブロックの中に。空いた大外を両SBが高い位置まで上がって使い、トップ下のベルナルドがロドリの脇に落ちて3センターを形成します。
この新たな235のシステムではスペースの価値が高い中央にボールプレーの上手な中盤,前線の選手を置いています。

狙いがはっきりと見えた攻撃

後ろの5枚で上手くプレスから逃れながらボールを回し縦パスのタイミングを探ります。横方向のドリブルやポジションの入れ替え、試合中頻繁に見られた3センター同士でのパス交換などを巧みに使い相手をずらしてブロック内へ何度もボールを届けました。

相手の451に合わせ3センターにすることで中盤のマークをはっきりさせて守備者をプレスに行きやすくし、それを利用して相手の中盤を引っ張り出してブロック内のスペースを広げるという見事なスペースの生み出し方。
そして後ろが作ってくれたそのスペースを余すことなく前の3人が使い、本来スペースと時間のないブロック内で狙い通りの攻撃を繰り出しました。
相手2CBを2枚でピン留めし残った1人がフリーになるという賢いプレーも見せました。

ニューカッスル戦以降にも何度か使ったこの235のシステムですが、タイミングよく昨日のブライトン戦で採用。
ブライトンの守備がかなりのマンツーマンディフェンスということもありニューカッスル戦とは違う試合展開になりましたが、それでもしっかりと同じ狙いを感じるような攻撃を見せたシティ。

最近はこれほど顕著ではないですが、昨季までのイメージだったペップスタイルに中央への侵入を足したハイブリッド型のように見えます。

そしてその中央狙いのキーマンはフォーデン。
ゴールアシストと数字を残すのはもちろん、ブロック内のスペースも時間もない状況で当たり前のようにターンをしチャンスを作るプレーは、攻撃のリズムを作り試合の流れや展開自体を作り出す得点以上の働きをしています。

サイド主体で攻撃しようとすれば、本家は俺たちだと言わんばかりの完璧なクオリティを見せつけるシティは本当に流石で観ていて楽しいです。


アーセナル

ペップスタイルを磨き練度を上げるアーセナル、サカ,ウーデゴール,ホワイトの右サイドの関係性は特に綺麗。個人的にはジンチェンコがいるときの左サイド押し込みも好きです。

「ペップスタイルと相性の良い戦術を取り入れ」と表現しましたが押し込み局面の崩し以外にワールドクラスの武器があるのがアーセナルの魅力。

どれだけ押し込んで長い時間ボールを支配しても相手のブロック守備を崩して得点をとるのは困難で、そんな中でもゴールを奪えるコーナーキックからの形を持っているのはすごく理にかなっていて補完性抜群。
そして押し込んで保持をするチームには切っても切り離せないカウンターのリスク。徹底された守備意識からなるネガティブトランジションと素早い帰陣に守備範囲の広いCB、そして前線の選手の鬼気迫るほどのプレスバック。なにをしたらここまで徹底できるかわからない、本当にすごい。

ブロック守備は44ブロックではなく442ブロックと言いたい2FWのブロック参加、SHも決してサボることなく低い位置まで守備をしてまさに鉄壁。
カウンターやプレス回避からの速攻で点が取れるのも大きいです。これもブロック守備を崩せない場合の大事な得点源。

1番がなによりハイプレス、本当に世界一なんじゃないか。

アーセナルのハイプレス

CFはがっつり右へ誘導、相手GKが持っているときは図のように立つシーンをよく見ます。★マークがウーデゴール、このプレスのキモでプレスのスイッチをかける役割。
パスが出る前は相手CHの前に立って消し相手左CBに誘導しながら、パスが出ると猛スピードでプレス。このときもマークしていた相手CHは背中でパスコースが消せているのでそこにパスを出すのは難しい。プレスにいくウーデゴールに合わせてもう1人のCHが前に出てマークを受け渡す場合もあります。

相手左CBに渡ると主にそこで奪う,苦し紛れのロングボールを蹴らせる,LBへのパスの3パターンが多く、その3つなら狙い通りの追い込み方ができています。
アーセナルの右SHは相手左CBの内側へのパスコースを消しておき、相手LBにパスが出たタイミングでプレス。
自分たちの狙い通りの追い込み方ができて嵌まっている状態,苦し紛れに蹴らせた場所で奪い切ることができればハイプレス大成功。

押し込んで保持する時間が長いこともあって相手のゴールキックが多くなると予想できますが、そのたびにこのプレスが発動し後ろから繋ぐことを許しません。
このハイプレスの形に気づいてから10試合ほど注目してみていますが、五分以上に持ち込めた左CBはブライトンのダンクとヴィラのパウトーレスぐらいじゃないかな。どちらもチームとしてのプレス回避も上手だし足元も上手い選手。それほどに破壊力のあるハイプレスです。

このハイプレスは再現性が高く試合中本当に何度も何度も起こります。このプレスによって相手に攻撃の機会を与えず自分たちの保持の時間を増やし主導権を握り続ける。アーセナルの良い流れを作っているポイントはここだと思っています。



駆け足になりましたがこれ以上話そうとするとボロが出すぎてしまうのでこんなところで。
チェルシーサポなのにチェルシーのことは書かずこの2チームなのは思いついちゃったから仕方ない。

今回触れたフォーデンの中央レススペースでの仕事や、アーセナルの再現性高いハイプレスなどを意識しながら試合を観てもらえたらと思いシーズン終了前に投稿しました。
結局2チームのすごさの再確認!みたいなnoteになってしまいましたがご容赦。

目が離せない白熱した優勝争いを1フットボールファンとして楽しみたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。これからも何卒よろしくお願いします!

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