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タイでカンチャナブリからアンパワーまで移動した話 ① (難易度: 高)

先日、GW 期間中タイに行ってきた。
私の計画ではカンチャナブリからアンパワーにバンコクを経由せずダイレクトに行くことになっていた。
(詳細は下記)

カンチャナブリからアンパワーに自力で直接行くにはタイ語が必須らしく、その前提条件すら満たしていない私 (たち) がどうやってたどり着くのか大変懸念であった。
心配していたのは私だけで、パートナーは何も意に介していなかったようだったが😑😑

結果として、カンチャナブリからアンパワーまでダイレクトに行くことができたが、色んな意味でハードルが高かった

下記はその詳細である。



予定日の 1 週間前から grab という配車アプリを使ってカンチャナブリからアンパワーまで 1,000 バーツ (約 4,200 円) で予約をした。
ドライバーが見つかれば、指定した時刻 & 場所に迎えに来てくれるはずだ。

別途手配したバンコクから南バスターミナル (サイ タイ マイ) までの予約は、直近の予約 & 早朝の迎車にもかかわらず、ドライバーはすぐ見つかった。

やはりカンチャナブリでは grab や流しのタクシーなどは捕まえるのが難しいらしい。とにかく一旦バンコクに帰ることも想定しながら、出発当日南バスターミナルからカンチャナブリ行きのバスに乗り込んだ。


3 時間くらい経ったのだろうか。
予定より早くカンチャナブリのバスターミナルに着いたので、朝の人が少ない時間帯に 「エラワン国立公園」 というタイ一 (いち) 綺麗な滝があるという場所にバスで行こうと思った。

確か 90 バーツ (380 円ほど) で往復出ているという情報をつかんでいた。

しかし、バンコクからのバスを降りた瞬間に現地のおっちゃんが 「どこへ行くんだ」 と話しかけてきた。

「エラワン」 と答えると、「なに (交通手段) で行くんだ」 と訊かれ、「エラワン行きのバスを探している」 と言うようなことを伝えた。
エラワン行きのバス乗り場を教えてもらえると思ったのだ。

そうしたら 「タクシー?」 と訊かれ、確かバスじゃなくてソンテウ (乗り合いタクシーというか…… 荷台?) だったかと思い直し、「ソンテウ」 と言った。


そうしたらおっちゃんが 「よっしゃ!」 みたいになって、「こっちこっち」 と歩き出した。

着いた場所にはソンテウが 1 台止まっており、おっちゃんがラミネート加工された 「カンチャナブリの主要観光名所 (写真付き)」 を見せてきた。


あぁ、アユタヤでトゥクトゥクを借りるときにも見せられたようなシートだ。
つまり、このおっちゃんは私たちに安い乗り合いソンテウ乗り場を教えようとしているのではなく、ソンテウ貸切で観光名所に連れて行ってあげる、という交渉をしてきたのだ。

エラワンの滝に連れて行って、1 時間 (待ってて) あげる、というようなことを言われた。
正直 2 時間は滞在したいと思っていたので、1 時間は短すぎるし何しろ乗り合いのソンテウの方が安いに決まっている。往復のバスの時間も調べ済みだ。

しかしそこでおっちゃんが見せてくれたシートに 「モンキー ポッドの木」 が載っていることに気づいた。


エラワン国立公園は、カンチャナブリのバスターミナルから遠い (車で 1 時間ほど)。またモンキー ポッドの木も結構遠い。

比較的中心地から近いと思われる 「クウェー川鉄橋」 さえも、この暑さ (38℃ とか) の中で歩いて行けるわけがない。


そしてエラワン国立公園と同じくらい遠い、「クラセー橋」 もシートに載っていた。


そこでおっちゃんにエラワン国立公園・モンキー ポッドの木・クウェー川鉄橋・クラセー橋にも行ってくれるか訊いたところ、行ってくれると言うのだ。
本当はモンキー ポッドの木周辺にある立派なお寺も 2 つばかり行きたかったのだが、なんとなく言いそびれてその 4 つを巡ってもらうことになった。

おっちゃんが肝心の料金を言わないので (すごく大事)、いくらなのかと複数回確認したところ、900 バーツ (3,800 円) という話だった。
さらに 「2 人でトータル 900 バーツなのか」 と突っ込んで訊くと、1 人 900 バーツだと言う。
つまり、2 人で 7,600 円だ。

エラワン国立公園とクウェー川鉄橋は、着いた日に行く予定だった。
カンチャナブリに 1 泊する予定だったので、翌日にどうにかしてモンキー ポッド (& お寺) を見に行った後、電車に乗ってタム クラセー駅で降りてクラセー橋を観光し、帰りの電車を 1 時間ほど待ってからカンチャナブリ中心地に帰り、そこからアンパワーを目指そうと思っていた。

しかしこのおっちゃんに任せれば、行きたい観光地をすべて 1 日で周ってくれると言うではないか。
日本からカンチャナブリでの観光タクシーをチャーター予約したら、相場が 20,000 円程度というのも見ていたので、決して悪い話ではない。
タクシーとソンテウじゃ乗り心地や快適さはだいぶ違うけれど。

パートナーは 「私におまかせ😆」 (というか何も考えていない) という感じなので、私が判断 & 決定するしかない。
私がミスったら全員ミスる。
別にミスったところでパートナーは文句を言わないので、私がひとり 「あぁ~、選択誤ったぁ~😭😭」 と思うだけなのだけれど。


とりあえず私の決定でカンチャナブリの観光はそのおっちゃんにお願いすることにした。最終的にエラワン国立公園で 2 時間待っててくれることになった。

すべて周ったら 180km コースで 6 ~ 7 時間で、900 バーツは妥当だよ。という話になり、それもそうだなと思って納得した。おっちゃんを 7 時間拘束して運転もさせてガソリン代も払わせて 7,600 円なのだ。時給にしたら 1,100 円弱だ。
東京でバイトする高校生の方がもっともらっている。


ここで私にひらめいたことがある。
このおっちゃんにカンチャナブリからアンパワーまで直接行ってもらえないだろうか? と。

そこでおっちゃんに交渉してみた。
そうすると行ってもいいけどそれも 900 バーツずつ、と言われた。

カンチャナブリからアンパワーまでは所要時間車で 1.5 時間である。
今日の観光と比較して高いな、と思ったが、おっちゃんはカンチャナブリまで (多分乗客なしで) 帰らないといけないのだ。
だから往復の分払って然るべきだろう。
私たちをアンパワーまで乗せないなら、明日も自宅がある (多分) カンチャナブリ観光で稼げるのだから。

「カンチャナブリからアンパワーまでは 160km あるから今日の 180km と同じで 900 バーツだよ~😌」 というおっちゃんの言葉を聞き、アレそんなに遠かったかなと思った。1.5 時間で着くのに?

多分このおっちゃんテキトーに言っているな😁 と思いながら、前日になっても grab タクシーでは相変らずドライバーが見つからないし、今私たちをカンチャナブリからアンパワーまで直接運んでくれる可能性がある人はこのおっちゃんしかいないのだ。
1 人 3,800 円がなんだと言うのだ。
そんな金額に困るようでは最初から海外旅行など来るべきではない。

最終的に 1 人 900 バーツでアンパワーまで行ってもらうことにし、ホテルに 12:30 に迎えに来てもらう約束をした。




さてこのおっちゃんが (失礼ながら) タイ人にしては時間をきちんと守る人だったので、私たちは無事に (?) アンパワーにたどり着くことができた。

本当にありがたいが色々ファンキーなおっちゃんだった。
あとの文章ははほとんど関係ないけれど、このおっちゃん = カンチャナブリでの思い出になるくらい印象的だったので、続きを書いてみたいと思う。

また、まとめとしてはいくら時間の節約になるからといってタクシーではなくソンテウで GW などという特に暑い時期に長距離移動するのはまったくおすすめしない
小さいお子さんがいたら絶対にやめた方がいい。タクシーを手配するか、安く行くならカンチャナブリとアンパワー (およびメークロン) は連続しない日にスケジュールし、面倒でもいちどバンコクに戻るべきだと思う。



さて、おっちゃんに 4 つの観光地を伝えてソンテウに乗り込むと、「まずエラワン国立公園 → クラセー橋 → モンキー ポッドの木 → クウェー川鉄橋」 と周るとのことだった。
エラワン国立公園には、人が少ない早朝の時間帯に行きたいと思っていたので好都合だった。

最初の目的地に向かっている間にも、おっちゃんが 「2 分」 とか 「5 分 (待ってて)」 とか言って顔見知りの店に立ち寄ってご飯を買ったり飲み物を買ったりしていた。
別にそこまで急いでいないし、ちょっと面白いな (日本ではあんまりお目にかかれないと思う。タクシー運転手の私的な買い物には) と思っておっちゃんの買い物を眺めたり眺めなかったりして待っていた。

エラワン国立公園に着くと思っていたのに、Google maps で現在地を確認していたら (一応、連れ去られないかちょっと警戒していた) どうもモンキー ポッドの木の方に向かっているようだ。
あぁ、ほかの 3 つの観光地と逆方向だからこっち先にしたのかなと思ってとりあえず大人しく座っていた。
ほどなくしてモンキー ポッドの木に着いた。

やはりかなり大きくて立派な木だった。
早朝ということもあり人が少なく、落ち着いて観光できてよかった。


ええと、一応最初に聞いたコースと順番が違うので確認したところ、次にクラセー橋に行くって言っていたかなぁ? あまり覚えていないけれど、とりあえずこちらの思惑 (空いているときにエラワン国立公園に行きたい) とは裏腹に、おっちゃんはコースを変えてしまった。

まぁいいか……。と思って乗っていると、おっちゃんがまたよく分らない場所で車を停めた。
また 「5 分」 と言ってからさっき買ったもち米? を携えて民家に入って行ったので、あぁ、おっちゃんの自宅なのかな? おつかいでも頼まれたのだろうか。自宅に寄る運転手ってのも日本ではまぁないよね😁 と思いながら待っていた。

そうしたらなんと中から女の人が出て来て (推定 50 代)、おっちゃんがさっき持って行ったもち米の袋や飲み物を持って、助手席に乗り込んだではないか!

誰!?😳😳😳🤣🤣🤣

と思いながら、「こうやって日曜もおっちゃんは仕事しているから、遠出する客に便乗して奥さんにドライブ デートをサービスしてあげようと思ったのかもしれない😇」 と勝手にストーリーを作り上げて納得することにした。

お客さんを載せているときに個人的な買い物をするドライバーも見たことがなかったが、自分の奥さんを文字どおり便乗させるドライバーはさすがにこのおっちゃん以外にそうそうお目にかかれないだろう🤣🤣

と、内心めっちゃウケていた。
そして隣でパートナーがなんだか懐疑的な顔🤔 をしていた。


結局、次はクウェー川鉄橋に着いた。
おっちゃんは各観光地で 「15 分」 とか 「30 分」 とか時間をくれて待っていてくれる。
やはりこの道のプロだからかその時間配分は絶妙で、「時間が足りない!」 ということもなく、かといって 「時間余りすぎ!」 ということもなく、本当にちょうどいい時間だった。

この日、気温が何度だったのか正確には把握していないが、おそらく 38℃ とかであったであろう。
とにかく観光中もめちゃくちゃ暑いし、ソンテウに乗って風を受けてると言えど受ける風も熱風なのでまったく涼しくない。

「快適とはお世辞にも言えない」 とは、そもそもお世辞にも言えないくらい (ハッキリ言えば) ただの苦行だった。
「濡らすとひんやりするタオル」 にペットボトルの水を染み込ませ、できうる限りの涼を取るが、それもすぐ乾く。

とにかく私たちはこの暑さにやられないために各地でスムージーを買いまくった。ペットボトルの水も補給した。
しかしそれも 「常温」 を通り越してすぐ 「ぬるま湯」 くらい温まる。

私は過去の経験から、GW には東南アジアに行かないことにしていた。本当に暑い。
しかしあまりにも (コロナ禍による) タイ断ちが長くなってしまったせいで、今回禁断の GW に来てしまったのだ。
北部ならいざ知らず、バンコク レベルの緯度では暑い。そもそも 1 年で 1 番暑いとされるソンクランは 4 月の中旬におこなわれるではないか。

過去にプーケットに行ったとき、あそこは南部なので照りつける日差しもハンパなかった。
欧米人と思われる人の白い肌が、「明らか火傷してるよね」 というレベルにまで真っ赤っかになっていた。見るだけで痛い。
そんな私も短時間海の中にいるだけでジリジリと焼けているのが目に見えて分った。すごく皮が剥けた。

そんなわけでまず 「GW 中のタイに行くこと」 自体リスクがあるのに、「ソンテウで長距離移動していること」 で更なるリスクを負ってしまっていた。
とにかく暑い。暑すぎて寝る状況じゃないのに寝そうになってしまう。


タイの交通事情は結構怖い。
暑いからだろうけどほとんどの人がノーヘルでバイクに乗っているし、運転手も助手席の同行者もシートベルトしないとかザラである。

あんなスピードで走り抜けているのに、よくみんなノーヘルとかシートベルトなしとかでいられるなと本当に不思議に思う。

そして実際、タイに行くたび交通事故を目にする😅 特にバイク。


今回それは、私たちの真後ろで起こった。
私たちが乗っているソンテウの後ろを、女性ドライバーのバイク (ヘルメットかぶっていた気がする) が走っていた。

その女の人がこちらのソンテウを追い抜こうとしたのかちょっと不明だが、ソンテウがスピードをゆるめたときにそのバイクが至近距離まで近づいてきて、「危ない!」 と私が叫んだときにはなんとかその女性がハンドルを切り、衝突は免れた。
けれどその女性は転んだ。

ソンテウのおっちゃんが車を停め、反対車線を走っていて事故に気づいた男性もバイクを停め、道端にいた人みんなで女性を助け起こした。
おお、みんな親切だなぁと思って見ていたが、私たちは何をすべきなのか分らなくてちょっと肩身が狭かった。

とりあえず大事には至ってなさそうだと判断したためか、おっちゃんは他の人にその女性を任せてソンテウを出発させた😅 私たちが乗っていたからかもしれない。
その女性がこちらのソンテウを指さしたので、「あのソンテウが急にスピードをゆるめた」 みたいな話をしたのかもしれない。
こんな状況で去ってしまっていいのか分らなくてヒヤヒヤした。

私は免許を持っていないので日本の法律でもこのケースはよく分らないのだけれど、「後ろの車が安全な車間距離を取るべき」 という考え方なのだろうか?
こちらのソンテウと接触はしていないので、パートナーの見解としては 「一人相撲でこけただけ」 というものだった。

とにかくやはりタイでは事故をよく目にする。ちなみに日本で事故の瞬間を目撃したことはまだないような気がする。
自分が助手席に乗っていて当事者になったことはあるが。


ちょっと長いので一旦終ろう。

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