【試合評】 初V功労者・松井稼頭央を引退に追い込む、梨田昌孝監督の不可解起用

困ったときのボブも呑み込まれ、光の見えない8連敗

遂に8連敗だ。前代未聞サヨナラ負け5月14日ロッテ戦(●E12-13M)から始まった漆黒の連敗ロードは、球団ワースト記録の11連敗を塗り替える勢いになってきた。

緊急事態の楽天は「困った時のボブ」を今季初の先発に押し立てて臨んだ。しかし、ここ最近の川井は自身が困っており、実は2014年5月5日西武戦の勝利を最後に、同年5月20日DeNA戦から8連敗が続いていた。

その傾向は本戦でも変わらなかった。1回、3回、いずれも1番・秋山から始まる攻撃で2本の二塁打で2点、3点、4回5失点を喫した。

両軍のスタメン

楽天=1番・岡島(右)、2番・茂木(遊)、3番・松井稼(中)、4番・ウィーラー(左)、5番・アマダー(指)、6番・銀次(一)、7番・今江(三)、8番・哲朗(二)、9番・足立(捕)、先発・川井(左投)

西武=1番・秋山(中)、2番・栗山(左)、3番・メヒア(一)、4番・中村(指)、5番・浅村(二)、6番・炭谷(捕)、7番・木村昇(三)、8番・金子侑(右)、9番・鬼崎(遊)、先発・菊池(左投)

入野貴大のシュート回転ストレートは本戦でも健在

打線は西武先発・菊池雄星の前に7回4安打無得点。5回まで散発2安打に封じられてしまった。菊池の投球は150km超えをバシバシ連発した前回対決5月12日時と比べると、腹七八分のピッチングだった。それでも元気の無い楽天打線をねじ伏せるには十分すぎた。

打線は菊池降板後の8回以降も1点も取れずに終わると、楽天救援陣は今日も失点した。7回に登板した三番手・入野が誤算...というよりも、いつものシュート回転の真っ直ぐは本戦でも健在だった。そんな打ってくださいというホームランボールを中村に2ランを左翼席まで運ばれ、スコア0-7の完敗。今季4度目の零敗である。

イーグルスのナインは5月17日オリックス戦の前日に秋田で決起集会を開いたが、決起集会後の1試合平均得点は0.83に。一方、同失点は6.83。これでは連敗脱出なぞ、望むべくもない。

チーム成績は6位、44試合15勝27敗2分。借金は今季最多の12に膨らんだ。ゲーム差は1位・ソフトバンクと13.0、2位・ロッテと10.0、3位・日本ハムと7.5、4位・西武と3.5、5位・オリックスと2.0へ。

開幕44試合終了時で3位とのゲーム差7.5は、2連連続最下位に終わった一昨年、昨年と比べても圧倒的に悪い数字だ。(一昨年は4.0、昨年は4.5だった)

松井稼頭央をセンターで使い続ける不可解采配

この首脳陣は本当に勝ちにいく姿勢を示しているのか。本戦も御多分に漏れず、スタメンからして不可解きわまりないものだった。

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