エッセイ#2「同じ映画を2回以上観る気持ちが分からなかった」
ずっと、「なんで何度も同じ映画を観にいくんだろう…?」と思っていた。
週によって、少し違う映像が流れる映画もあるけど、ほとんど内容は同じなのに…。
「一体何に惹かれて、映画館に足を運ぶのだろう…?」考えれば考えるほど、よく分からなかった。
ある日、はじめて同じ映画を2回観に行くことになった。理由は、どうしても入場者プレゼントがほしかったから。
正直、映画を観る前のドキドキ感はなくて、このまま映画館に行くことに少し抵抗があった。
入場者プレゼントをもらえるのは嬉しいけど、やっぱり同じ映画を観るのってどうなのかな…?
せっかく2回観るので、映画館の座席も変えてみた。お金を払っている分、少しでも違う体験を味わおうという気持ちからである。
2回目の映画は、あっという間に上映が終わった。でも、そこでの体験は自分が思っている以上に発見の連続だった。
1回目の映画は「どんな物語なんだろう…?」とストーリーに集中して、全体を楽しんでいた。
でも、2回目の映画は、物語の展開を知っているので、細かい部分に注目して観ていた。
場面ごとの背景、キャラクターの表情、映像の繊細さ。1回目の映画だけでは、気づかなかったことばかり。
「なるほど…」
「何度も映画を観ると、違った視点で映画を楽しめるのか…!」
例えば、音楽。1回目の映画では、音楽にそこまで注目できなかった。でも、2回目の映画では、挿入歌にじっくり耳を傾けたり、劇中のBGMにも意識が向く。
「この場面でこのBGMが流れていたんだ」
「このタイミングでこのBGMを流していたんだ」
「次にこのシーンがきて、この音楽が流れるぞ!!」とゾクゾクしている自分もいた。物語の展開がわかっているからこそ、いつもとは違う映画の楽しみ方ができる。
あと、何より映画を観る環境がいい。映画館は、映画の世界に没入できる環境が整っている。何にも邪魔されることなく堪能できる。
映画を観終わった後、原作者、監督、キャストさんのコメントやインタビューを読んだり、映画の構成を分析していたり、音楽情報を調べたり、気づいたら情報集めをしていた。
むしろ映画を観れば観るほど、「次はここの場面に注目して観ようかな…!」そんな気持ちにさせてくれる。映画の楽しみ方は無限大なのだ。
何度も映画を観ると、そんな気づきや発見がたくさん出てきて、より内容が理解できたり、深めることができる。
これは、何度も映画館で観て、この気持ちを何度も味わいたいと思ってしまう。
「映画館は、新しい発見ができて、新しい気持ちに出会える場所」
映画館で何度も観る魅力にやっと気づけたのだった。
音声でも楽しみたい方へ(stand.fm)
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