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俳句津々浦々(15)

副会長夏井いつきのライフワークである「俳句の種蒔き」活動。その中で出合った俳句をご紹介します。


菊の茎切る淋しくて寂しいよ

上五、いや上七か。回文もどきのような言葉遊びのような歌い出しである。一瞬、諧謔の句かと思わせ、中の五、下五の「さびしい」の畳みかけ。意表を突かれる。同時に、「淋」「寂」の連続にも胸を突かれる。ふたつの漢字を使うことで、「さびしさ」の地平の隅から隅まで行き渡る「さびしさ」。具体的なことは言わない。いや、ほんとうの心の衝撃は具体的な言葉をもてないのだろう。菊の茎の空洞をただ見つめるばかり。

~2023年10月21日 三重 夏井いつき 句会ライブ in いなべ~(加根兼光:nhkk協賛サポーター)


nhkk事務局:
「俳句津々浦々」が、市井の俳句や、身近な場面が詩になっていく俳句の楽しさに触れ合うぺージになればと思っています。
17音で詠んで読む俳句は、気軽に取り組むことができる可能性に満ちた魅力的な教材(文芸)です。学校現場で俳句に取り組まれている先生方からの具体的なご報告もお待ちしています。

■日本俳句教育研究会(nhkk)
「俳句」を教材とした様々な教育の可能性を研究する日本俳句教育研究会は、「俳句」を教材に教育活動を展開しようとする教師や俳句愛好家の情報交換の場になりたいと活動する任意団体です。