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俳句津々浦々(11)

副会長夏井いつきのライフワークである「俳句の種蒔き」活動。その中で出合った俳句をご紹介します。


通勤靴に押しピンひとつ吹雪

仕事を終えた後のロッカーか。帰り支度のために靴を履き替えようとした。気が付くと通勤靴の中に押しピン。偶然か誰かの故意か。なにか恨まれることでもあったのか。心当たりはあまりないのだが。いやいや、たまたま自分が押しピンを間違って落としたのかもしれない。などと考えながら押しピンをそっと取り上げた。さて、この吹雪を帰るのだ。心に刺さった押しピンを剥がすように帰路を急ぐ。暖房の効いた家に帰ろう。

~2023年10月8日 福岡 夏井いつき 句会ライブ in サザンクス筑後~(加根兼光:nhkk協賛サポーター)


nhkk事務局:
「俳句津々浦々」が、市井の俳句や、身近な場面が詩になっていく俳句の楽しさに触れ合うぺージになればと思っています。
17音で詠んで読む俳句は、気軽に取り組むことができる可能性に満ちた魅力的な教材(文芸)です。学校現場で俳句に取り組まれている先生方からの具体的なご報告もお待ちしています。

■日本俳句教育研究会(nhkk)
「俳句」を教材とした様々な教育の可能性を研究する日本俳句教育研究会は、「俳句」を教材に教育活動を展開しようとする教師や俳句愛好家の情報交換の場になりたいと活動する任意団体です。