見出し画像

小(中・高)|オープンスクール・ミニ句会

nhkk事務局スタッフ:
福岡女学院中学校・高等学校の谷口奈々美先生より実践報告が届きました。
工夫次第で、30分という短い時間でもこんなにも多くのことができるのだな、と驚かされた密度の高いレポートです。


谷口奈々美先生:
7月29日土曜日、福岡女学院中学校・高等学校のオープンスクールがありました。ほとんどのセレモニーを生徒たちが、企画進行いたしましたので、手作り満載のセレモニーでした。福岡女学院のスピリット大切なひとりを受け継ぎ、みながそれぞれの個性を育てて、部活動紹介や学校紹介がありました。

その中に教員による体験授業がありまして、私も中学の部で小学五年生六年生対象にミニ句会を行いました。八割の生徒さんは、プレバトを見たことがあり、夏井いつき先生を知ってまあすと手を挙げてくれました。

なにせ、時間が30分しかありません。工夫が必要。10人の生徒さんが参加してくださるとか。

俳句の作り方の説明、実作、発表、互選までやりたいなと。あれこれグッズをつくり、何とか30分で互選まで終えることができました。

1、俳句の決まりについて確認
季語がある、五七五の音数のことは皆知っていました。

2、俳句の作り方と読み方
先輩の作った俳句を使って、作り方を説明。俳句の種は、そのまま「算数のノートを閉じる(冬林檎)」の季語を伏せて、黒板に貼った季語のカードをいれてもらい、どんな景色や思いが見えてくるのかを語ってもらいました。
  星月夜、梅雨曇、ラベンダー、

息白し、桜散るなどの季語で、算数がよくできた実感なのか、いやいやもうやりたくないのか、あまりよくできなかったのか、などの意見が出ました。先輩は冬林檎を選びましたよとはなしたら、一同ははっと息をのみました。うまい!新鮮!おしゃれ!算数もよくできて満足!みたいな意見がでました。

また、「父さんのみやげはケーキうれしいな」のうれしいなを季語に替えてみるとどうなるかもやってみました。

3、俳句実作
五音の季語のプリントを見ながら、最近の体験、楽しかったことや、思い出などから、俳句の種を作ってもらい、季語と合わせてもらいました。中には季語のイメージから、楽しかった思い出を描いてくださった方もいました。

三分で三句も書いてくださった方も。下書きができあがったら、カードに清書してもらい、黒板に貼り出しました。

4、俳句を選び鑑賞
自分の名前を書いたカードを好きな俳句の下に貼りに来て貰いました。サポートの先生二人も選に参加してくださいました。

三点句がひとり、二点句が四人、あとの五人もみな点が入りました!

時間の関係ではじめの三句くらいしか鑑賞や本人談はきけませんでしたが。最後は全員で皆の俳句を音読して拍手で終わることができました。

作品は本人の許可を得てないので掲載はできないのですが、
たとえば、外に出て電柱を見る夏帽子、初桜入学したよおめでとう、夏に食べた甘いスイカの味いいね、夏の夜きれいな星が見えてきた、などなど。
また、フランス在住の方も、日本語はあまり得意ではないと恥ずかしがってあまり話されなかったのですが、朝ごはんのみそ汁の句を詠まれていてびっくりしました。

5、ふりかえり
30分で季語を入れ替えてみて鑑賞してもらったときに、すでに生徒さんは、俳句の世界を理解されていて、小学校でも俳句を作っておられることがよくわかりました。また、色々と教えなくても、一つの季語からイメージを飛ばして生徒さんがサクサクと作ってゆかれる、俳句が生まれる瞬間に出会い体が震えました。

大人が忘れてしまった体験や、日々の出来事を生徒さんが、心に持っている、その瑞々しい感性や日本語をとらえる感覚にこちらが勇気を貰いました。10人中2人は、卒業生のお子様で、それもまたありがたい再会と出会いでありました。作り方を覚えたら、自由研究にしてもいいねと、俳句連作の用紙と季語のプリントをお土産に渡しました。

この密度の高さを持って、更に中学生や高校生の授業を深めたいとこちらが学びをいただきました、ありがたい一日でした。気楽に30分でミニ句会、これならやれる! とわかったので、中学三年生の授業でも実践をふかめたいです。拙い内容ですが。ありがたい体験でしたので、まずは、ご報告まで。


nhkk事務局スタッフ:
谷口先生、旧ブログから引き続いての実践報告をありがとうございました。
授業の中での発展形がどうなっていくのか大変気になっております! またのレポートをお待ちしております。

■日本俳句教育研究会(nhkk)
「俳句」を教材とした様々な教育の可能性を研究する日本俳句教育研究会は、「俳句」を教材に教育活動を展開しようとする教師や俳句愛好家の情報交換の場になりたいと活動する任意団体です。

ご連絡は、HPの「お便り・お問い合わせ」からお願いいたします。