リーダーは「偉い」わけではない



これを勘違いしてしまう人がたぶん、9割います。

リーダーに限らず、きっとチーム仕事に関わる人のほとんどが勘違いしていることだとも思っています。


今日はリーダーが押さえておくべきマインドについてお話します。



経歴

経歴披露するのは好きじゃないんですが、一応簡単に……

・臨床検査技師約15年目くらいに突入(たぶんこのくらい)
・10年目くらいで部署責任者を拝命。そこから微妙に役職名は変わりながらも、現在に至る。
・細胞検査士という専門資格を得て顕微鏡でがん細胞を探すスキル付与される
・無類のガジェット好き

 臨床検査技師として、リーダー、中間管理職を拝命してから早くも6年ほど経ちました。アラフォーですが、リーダー職をはじめたのは30前半でした。

 正直、失敗のほうが多いです。僕のマネジメント手法が未熟で、キャリアが少々犠牲になってしまった人もいると思います。そこは申し訳なく思います。ただ、それはチャレンジしたからだとも思っています。

挑んでいない者には失敗はないですからね。

 別に開き直っているわけではなく、客観的に見てどうしようもないことだと思っています。

 まだ頭がスポンジみたいな若さでそのようなポジションになってしまったので勘違いしなくて済んだのですが、「リーダーは偉い」というわけでは決してないんです。これ、めちゃくちゃ重要。

 なにせ周りの協力なくして、成り立ちません。なんなら、みんながいるから「リーダー」という存在があるとも思っています。ひとりじゃ、本当に何もできませんからね。


リーダーはただの役割

 リーダーに限らず、一般スタッフも、部長も課長も。チームとしてみたときに、誰が偉いとかはないです。

 もちろん、裁量権の範囲の違いであったり、決裁権の有無などはありますが、どれも役割の問題です。

 きっと昇進や昇格という表現がそうさせているのだとは思いますが、決して人間的に偉い偉くないの話ではないんです。まず、ここがみんなわかっていません。なので、余計な軋轢が生まれてしまったり、本来トラブルにすらならないことも、プライドが優先されてしまってトラブルになることがあります。


 きっと、責任の大きさが原因で「偉い・偉くない」ということを表現しがちだとは思うのですが。。。

 なんなら、個人的には「病院長」すら偉いとは思っていません。責任ある立場だな、大変な重責があるとは思っていますが。不遜な考えと思われるかもしれませんが、「チーム医療」と掲げている以上、関わる全員が「フラットに役割を演じる」ことだと思っています。

 こうしたマインドだと何がいいかというと。。。

・無駄な緊張をしない
・媚びない
・自分の意見をきちんといえる
・白を黒とはいわなくて済む


 当たり前ですが、リーダーとなるとチームの責任を背負います。チームは結果をもって評価されます。その結果というのはそれぞれの企業や職種で違ったりしますが、最終的には結果です。それも数値を伴った。

 加えて、責任を負うということで「偉い・偉くない」「すごい・すごくない」という二元論に帰結してしまいがち。でも、何度も言いますが、リーダーなんてただの「役割」であって「人間的に偉い」わけではないんです。


叱るや怒るは無縁であるべき

 役割が違うだけで人間的には偉いわけではないといいました。なので叱ることだったり、怒ることからは本来無縁のはずなんです。

 そもそもそれらは「自分が優位」と思っているから起こりえること。怒るはまだ感情的な表現なので、それをコントロールできるかどうかの話ですが、叱るに関しては「上のポジションからの注意」になります。でもこれ、どうしてそういう風になるのか個人的にはよくわからないです。


 チームは結果を持って評価されます。当然、そこに所属するスタッフ・メンバーも然り。しかし、いくら個人がいい結果を残しても、チームが勝たなければ意味がありません。個人のステップアップにはなるかもしれませんが、チームに還元できなければ意味がありません。戦力としてはみなせないわけです。

 スタッフがミスや不注意で仕事でトラブルを起こしても、僕は叱りませんし、怒りもしません。チームで起きたことはすべて自分の責任と思っていることも理由のひとつですが、リーダーとしてやるべきことは、叱ることではなく「修正すること」だと思っているから。

 不具合があれば、それを咎めたところで改善されるわけではありませんよね。当然、手直しが必要になるわけです。なので「修正」をします。 

 たとえば遅刻をよくするメンバーがいたとします。よくないですよね。個人的なモラルの部分もそうですが、遅刻した分誰かがカバーしなければいけない状態になります。

 遅刻したこと自体を「なんで遅刻したんだ?」と指摘しても、事態は好転しないですし、改善もされません。なんなら上司からの指摘で(もちろん遅刻するのが悪いんですが……)萎縮してしまうかもしれません。それなら遅刻してしまったけど、遅刻を繰り返さないためにはどうしたらいいか?どのような作戦が有効か?ということを一緒に考えます。

 甘いかもしれませんが、大事なのは「チームの戦力を落とさないこと」です。人材育成も大事ですが、チームの第一義はそこではありません。人材育成はまた別のところで考えます。

 少し脱線しましたが、チーム内でミスや失敗、トラブルがおきても注意や叱ることは、チームとして結果を出すことにあまり関係がないと思います。「相手を変えたい」という個人的な感情によるところが大きいのではないでしょうか。

 あくまで起きた事象に対して「修正」をかけて「正しい道に戻す」ことがリーダーやマネジャーのやることです。

不安があるチームは超弱い

 いつもも感じているのが「不安を感じているスタッフが多い職場はめちゃくちゃ弱い」ということです。不安はパフォーマンスを落とす要因です。なので、できるだけ不安は排除しなければいけません。


 そのためにリーダーができることは、スタッフやメンバーの声を聞き、できるだけの仕事や環境に対する不安を削ってあげることです。ただ絶対にゼロにはできません。それは不可能なことです。でも、減らすことはできます。

 リーダーが偉そうな態度をしていると、メンバーは不安になります。いつ怒られるのか……次はどんな注意をされるのか……結果、本来の仕事に集中できず、できることもできない状態になります。これはリーダーが直接何かを言わなくても起きてしまう悲しい現象のひとつです。

 わかっていながら偉そうなスタンスでいるのは、僕にしたら犯罪に近いことだと思っています。結果がわかっているのに、対処しない。改善しないのは職務怠慢というだけではなく、チームメンバーの人生の時間をも奪っています。そこは強く意識した方がいい。

 また、偉そうにしている人でも、なぜか受け入れられてしまう人も中にはいます。これはリーダーのキャラクターによるものです。不思議ですよね。ちょっと間違えば、知らず知らずのうちに洗脳されている状態に近いこともあるので注意が必要です。こうした人には太鼓持ち芸人よろしく、ひたすらにリーダーを持ち上げる人が近くにいたりします。怖いですね。

 不安にさせてしまうタイプとしてほかには、ピリッとした雰囲気を作るリーダーや、緊張感をもたらし、作業に集中させるタイプもいます。これはこれで否定はしませんが、少し旧世代的な感じもします。


 世は令和。優しい世界が求められています。そこでピリついた緊張感というのはあまり受け入れられません。普段の声かけが大事。ゆるくなりすぎず、かといってキツくなりすぎない適度な緊張感を保つように心がけることが大切です。

 いかに不安を取り除くか?という観点は、常日頃からもっておかないと、リーダー自身が攻撃的になりがちです。これは日々プレッシャー下にあるので自衛本能だと思うんですが、メンバーにはそんなこと関係ないですからね。できるだけ客観視、俯瞰している状態が望ましいと思います。


なんでもリーダーのせいではない

 リーダーは偉くはないです。

 偉くはないのですが、責任を追わないといけない立場であることは変わりません。真面目なリーダーほど責任を背負ってしまいます。これでは長い目でみたときにリーダー自身のメンタルがすり減り、やがてバーンアウトしてしまうでしょう。

 リーダーはチームの結果に対しては責任を持ちます。もちろん、メンバーの行動についても責任をもつべきです(監督責任ってやつです)。しかし、なんでもかんでもリーダーに責任があるかといわれれば、そうではないと思っています。

 メンバー自身にも責任感がないと、きっと同じミスやトラブルを起こしてしまうものです。そうならないためには適度に責任感をもっておくこと、もってもらうことを目指したいところです。
 
 ということで長々と書いてきましたが、いかがでしたでしょうか?

 リーダー論に正解はないので、いろんな意見を伺ってみたいです!

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