「次元の違う王者」井岡一翔(志成)に挑む、遅咲き叩き上げボクサー・福永亮次(角海老宝石)の覚悟①
トレーナーの奥村健太がその報せを伝えるため電話をかけたとき、福永亮次は現場仕事の真っ最中だった。
型枠大工。職人歴は今年20年になる。15歳で見習いになり、職人時代を経て、今は一人親方として仕事を請け負い、工事を采配している。
25歳でボクシングを始めて27歳でプロになってからは、工事の進捗次第で計量日や試合当日も現場に出た。日本、東洋太平洋、WBO-アジアパシフィックと三冠王者になったあともその二重生活は変わっていない。
その日も品川にあるマンションの建設現場でハンマー