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大学教員の年収は?

同世代の人間から見ると私は羽振りがよく見えるらしい。

実際にはそんなことない。

普段は質素倹約。
というより、贅沢をするような場面がない。

それに博士後期課程で学振特別研究員をしていた頃の年収240万の生活が染み付いて抜けない。

それなのになぜか、周りの同世代の人間には私がお金持ちに見えるらしい。

稀に、「ぶっちゃけどのくらい貰ってるの?」と聞かれることもある始末。
そんな時、私は決まって「公務員とそんなに変わらない。」と答えている。

これが最も平和的回答だと思っている。

実際のところ、同年代の公務員のお給料に毛が生えた程度だ。
つまり、本当に「稼いでいる」わけではない。

それなのに周りを私とお金持ちだと言う。
このように周りを誤解させている理由は、主に私の2の行動が原因だろうと推測した。

  1. 豪華な食事や旅行風景をSNSに投稿していること。

  2. 趣味に費やすお金がそれなりにあること。

これだけ見たら確かにお金を持っていそうに見える。
しかし誤解なのだ。
それぞれについて言い訳をさせてほしい。

まず、1. 豪華な食事や旅行風景をSNSに投稿していること。について。

豪華な食事や旅行なんて自費ではとてもできない。

なのにそんな投稿ができる理由は、本当のお金持ちが払ってくれたり業務で出張したついでに観光のようなものをしているからだ。

私は大学教員にはなれる程度のそこそこの大学を出ている。
だから、大学でできた友人も、それなりに能力がある人間が多い。
自分で起業したり、一流企業に就職したりしてお金持ちになっている。

そのお金持ちな友人と食事をしたり、映画を鑑賞したり、カラオケに行ったりする。
お金持ちはそこでのチョイスがいちいちハイクラスなのだ。

食事はホテルのラウンジ、映画やカラオケなどはVIP席や豪華な部屋を予約してくれる。
私はそれを享受する。
普通に感動するし映えるのでSNSに投稿する。

旅行については、私は学会や打ち合わせで国内、国外への出張が多い。
その時に、赴いた土地の風景や料理を写真に収めてこれもまたSNSに投稿する。

わざわざ「学会で〜」とかは書かないので、私が平日に旅行している人に見えるのかもしれない。

また、大きい国際学会となると、レセプションと言って学会の行事として観光を楽しむプログラムが組まれていたりする。
その時に撮った写真というのは「遊び」そのものなので、誤解を与えたかもしれない。

次に、2. 趣味に費やすお金がそれなりにあること。について。

これは本当にそうかもしれない。

まず、大前提として私は独身であるため稼いだお金は全て自分のために使える。
そんなことは周りの人間はみんな知っているので、それを抜きにしてもなぜそんなに自由に使えるお金があるのか?ということだ。

これは、大学教員がお給料以外に稼いでいる「研究費」が関係していると思っている。

私は研究費をそれなりに稼いでおり、研究まわりのお金には苦労していない。
普段仕事で使う事務用品などは全て研究費から賄っている。

しかし、多くの社会人は多かれ少なかれ仕事道具を自費で購入しているだろう。
(私が聞いた中で最も高かったのは美容師さんが使っていた40万のハサミだ。)

会社員であっても、ちょっとした文房具などは自費で購入しているだろう。
私の父は色へのこだわりが強い人なので、気に入った色の文房具を見つけると「仕事用に」と買っていた。

普通の社会人は収入から必要経費を引いた額が自由に使えるお金になるだろう。

けれど私は、必要経費全て研究費から出している。

そんな感じなので、少額でも自分のために使えるお金が増えるのだ。

また、おまけ程度だが、私は仕事着をほとんど持っていない。
普段は私服で仕事をしている。
学会の時だけ綺麗にしてあるスーツを着用する。
(これは自腹だ。)

サラリーマンが日常業務用に毎日スーツを着ていたとしたら、かなりの出費になるだろう。
私にはその出費も必要ない。


さて、以上をまとめると、大学教員(少なくとも私)はそんなに稼いではいない。
基本給だけ見たら、公務員とほぼ同額だ。
経歴が長い先生ほど、そこにインセンティブが発生するので有名企業の役員報酬くらいまでは収入が見込める。

ただ、友達付き合いや出張業務、研究費の関係で普通の社会人よりはちょっとだけ贅沢をしているように見えるだけだ。

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