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専門医が教えるマインドフルネスと美肌の関係

みなさまは落ち込んでいるとき、寝不足の時など肌が荒れているなと、感じたことはないでしょうか。

そう、肌荒れの一番の原因は寝不足とストレスなのです。

あなたがどんなに高級な化粧品を使おうが、

どんなに高い美容施術を受けようが、

一番の処方はよく寝て、ストレスを減らすこと。

当院では、”睡眠”を処方しています。

睡眠外来で必要な栄養バランス解析、脳波計測などを行い、最適なサプリメント、アロマ、CBDを処方しています。

また、メンタルケアにもっとも有効なのはマインドフルネスです。

マインドフルネスとは


マインドフルネスは、瞑想や意識的な注意を使って、現在の瞬間に焦点を当て、受け入れることを促す心理的なアプローチです。

マインドフルネスの歴史は、古代からさまざまな宗教と哲学的な伝統から発展してきました。マインドフルネスの主要な歴史をまとめました。

仏教の起源: マインドフルネスは、仏教の伝統にそのルーツを持っています。紀元前6世紀に生まれた仏教の創始者であるシッダールタ・ゴータマ(釈迦牟尼仏)は、瞑想を通じて内省し、悟りを開いたとされています。仏教の中で、「サティ」(正確な注意)という概念がマインドフルネスの基盤となりました。

マインドフルネスの西洋への紹介: マインドフルネスが西洋に紹介されたのは、20世紀初頭にアジアからの宗教的な影響が増加した時期です。
特に、日本からの禅宗の影響が大きかったとされています。禅宗の瞑想は、現代のマインドフルネス瞑想に影響を与えました。

ジョン・カバット=ジン: マインドフルネスが広まり、現代において科学的に研究されるようになったのは、ジョン・カバット=ジン(Jon Kabat-Zinn)による「マインドフルネス・ベース・ストレス低減法」(MBSR)の開発がきっかけでした。カバット=ジンは、1979年にMBSRを導入し、ストレス管理や健康増進においてマインドフルネスの有用性を示しました。

マインドフルネスの普及: MBSRの成功に刺激を受け、マインドフルネス瞑想は広く受け入れられ、様々な分野で応用されるようになりました。心理療法、教育、ビジネス、医療などさまざまな領域で、マインドフルネスが取り入れられています。

科学的な研究: 現在、マインドフルネスに関する科学的な研究が盛んに行われており、その効果や利点について詳細に調査されています。ストレス軽減、心身の健康向上、認知能力の向上など、多くのポジティブな効果が報告されています。

マインドフルネスは、仏教の伝統から始まり、西洋での普及を経て、現代の心理学や医療の一部として重要な位置を占めています。その継続的な研究と
実践は、多くの人々に精神的な健康と幸福感をもたらしています。

マインドフルネスの効果と効能


マインドフルネスの主な効果と効能をわかりやすくまとめています。

  1. ストレス軽減:マインドフルネス瞑想は、ストレスの感じ方を軽減し、リラクゼーションと平静を促進します。

  2. 不安緩和:マインドフルネスは不安感を軽減し、心の安定感を高めるのに役立ちます。

  3. 集中力向上:瞑想を通じて、集中力と注意力を向上させ、作業や学習の効率を高めます。

  4. 意識的な感情調整:マインドフルネスを実践することで、感情を受け入れ、適切に処理するスキルを磨きます。

  5. 身体的な健康向上:マインドフルネスは、高血圧、心臓病、慢性疼痛、睡眠障害などの身体的な問題の症状を軽減するのに役立つことがあります。

  6. 自己認識の向上:自己観察を通じて、自己認識を高め、自己成長と精神的な健康をサポートします。

  7. 対人関係の向上:マインドフルネスは共感力を高め、対人関係を改善するのに役立つことがあります。

  8. 睡眠の質向上:マインドフルネス瞑想は、良い睡眠習慣を促進し、睡眠の質を向上させるのに役立ちます。

  9. 充実感と幸福感:現在の瞬間を楽しむ能力を高め、充実感や幸福感を増加させることができます。

  10. スピリチュアルな成長:一部の人にとって、マインドフルネスは精神的な成長や洞察を深める手段となります。


以上が、マインドフルネスの効果と効能の一部です。

効果は個人によって異なる場合がありますが、継続的な実践によって、みなさまが効果を実感することができます。

皮膚疾患がメンタルに及ぼす影響

つぎに皮膚疾患とメンタルの関係性について医学論文をご紹介します。


この研究は、欧州13カ国の皮膚科外来患者を対象に行われました。参加者には、さまざまな皮膚疾患に苦しむ患者が含まれていました。研究では、皮膚疾患が精神的な負担や生活の質に与える影響を調査しました。結果は、皮膚疾患が患者の生活全般にわたって重大な心理的負担を引き起こすことを示しています
Dalgard, F. J., Gieler, U., Tomas-Aragones, L., Lien, L., Poot, F., Jemec, G. B., ... & Szabo, C. (2015). The psychological burden of skin diseases: A cross-sectional multicenter study among dermatological out-patients in 13 European countries. Journal of Investigative Dermatology, 135(4), 984-991.

乾癬患者のストレス


この研究では、乾癬患者の心理的ストレスに焦点を当てています。乾癬は患者の外観を変え、社会的および精神的な苦痛を引き起こすことがあります。この論文は、乾癬患者が直面する心理的な負担についての洞察を提供し、これらの問題を理解する上で重要な役割を果たしています。Kimball, A. B., Jacobson, C., Weiss, S., Vreeland, M. G., & Wu, Y. (2005). The psychosocial burden of psoriasis. American Journal of Clinical Dermatology, 6(6), 383-392.

白斑症に対する心理的アプローチ

白斑症の変形効果に対処する方法を調査するために行われました。白癬症は、皮膚の色素細胞の喪失によって皮膚の白斑を引き起こす自己免疫性の疾患です。この研究では、認知行動療法(CBT)が白班症の患者の心理的な負担に対処するのに役立つかどうかを調査しました。Papadopoulos, L., Bor, R., & Legg, C. (1999). Coping with the disfiguring effects of vitiligo: A preliminary investigation into the effects of cognitive-behavioural therapy. British Journal of Medical Psychology, 72(3), 385-396.

ストレスが皮膚に与える影響


ストレスと皮膚疾患の関係に焦点を当てています。ストレスは、皮膚状態に悪影響を与える可能性があります。この論文は、皮膚疾患の基礎科学的メカニズムから臨床的な管理に至るまで、ストレスが皮膚に及ぼす影響について包括的に議論していますRodriguez, V. M., Pastore, F., & Lotti, T. (2016). Stress and skin diseases: From basic science to clinical management. Current Pharmaceutical Design, 22(35), 5336-5347.

マインドフルネスの実践

マインドフルネスの実践は、基本的には誰でも簡単に始めることができます。以下に、マインドフルネスを実践するための基本的な手順をまとめます:

  1. 快適な姿勢を取る: 最初に、座ったり寝たり、または立ったりして、快適な姿勢をとります。背筋をまっすぐにし、身体の各部位がリラックスしていることを確認します。

  2. 呼吸に意識を向ける: 目を閉じて、呼吸に集中します。自然な呼吸をゆっくりと観察します。吸気と呼気の流れに注意を払いながら、深く呼吸をすることに集中します。

  3. 思考の観察: 心に浮かぶ思考や感情が現れたら、それらを批判せずに、ただ観察します。思考や感情が来ても、去っていくのを静かに見守ります。そこに執着せず、自分の呼吸に戻ります。

  4. 五感に注意を向ける: 五感を使って、周囲の環境や身体の感覚を観察します。身体の感覚、音、匂い、味、さらには周囲の空間に注意を払います。

  5. 現在の瞬間に集中する: 過去や未来のことではなく、現在の瞬間に集中します。今、ここにいることを意識し、その瞬間に完全に存在することに焦点を当てます。

  6. 親切心を持つ: 自分に対しても他人に対しても、親切で寛容な心を持ちます。自分自身を受け入れ、自分を責めたり批判したりしないようにします。

  7. 継続的な実践: マインドフルネスは習慣の問題です。定期的に実践し、日常生活の中でマインドフルネスを取り入れることで、効果を最大限に引き出すことができます。

これらのステップを通じて、マインドフルネスを実践することができます。
最初は集中が途切れやすいかもしれませんが、継続することで徐々に向上していくでしょう。

また、マインドフルネスを実践するための様々なアプリやオンラインのリソースも利用できますので、それらを活用することもおすすめです。

ぜひみなさまのお肌と健康のために毎日5分でも良いので実践してみてください。

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