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よくおごってくれる綺麗なお姉さん②_個人考察Labo#D

【よくおごってくれる綺麗なお姉さん 考察②】
原題:밥 잘 사주는 예쁜 누나
邦題:よくおごってくれる綺麗なお姉さん
英題:Something in the Rain
放送局:JTBC

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以下、ネタバレありです。

はじめに

考察①では作品のおしゃれさについて考察を行った。様々な工夫を背景に、現実を感じさせないくらいのおしゃれさがあるこの作品。しかし私はこう言いたい。この作品は現実を痛いほどリアルに突きつけるドラマであると。ここでは、なぜこの作品が単なる”演出勝負の雰囲気いいドラマ”で終わっていないのかについて考察していく。

本論

昼と夜の対比が表すこと
この作品がおしゃれな雰囲気を維持しつつ、いかにしてリアルを映し出しているのかについて考えるには、シーンを昼と夜に分類することが効果的である。

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言葉数を多くして社会問題を扱う昼のシーンに対して、夜のシーンではセリフ量を抑えて恋愛を扱う。つまり、扱うテーマからセリフ量に至るまで、昼と夜それぞれの描き方に明確なギャップを持たせているのである。ギャップは明確であり、非常に深い。これにより、男女主人公2人を据えた恋愛主体のドラマでありながら、リアルに社会問題を浮かび上がらせることに成功しているのだ。逆に言えば、昼のシーンが騒々しく描かれているために、夜パートの2人の恋愛がより美しく、尊く感じられるのである。
これを踏まえて注目すべきは、まさに最後のシーンである。最後のシーン、ジナとジュニが明るい日差しの中、2人で時間を共にする姿が映し出される。セリフは少ない。つまり、舞台は”昼”、中身は”夜”のシーンだといえる。昼と夜が同じ世界線になったのだ。ドラマ内で社会問題は解決に向かい、ジナとジュニも無事に再会する。昼と夜が物語の最後に合致することで、2つのテーマがともに明るい未来へと向かっていることを効果的に示すことができているといえるだろう。
ここまでが、この作品の妙でありただの雰囲気いいドラマとして分類することができない理由である。対比をうまく使うことでおしゃれな世界の裏にリアルすぎるリアルを視聴者に感じさせている。そしてその対比対象を最後に融合させることで明るい結末を示すことができている。

ギャップが深すぎて…
以上、称賛の言葉を述べてきたが、正直なところ私は以下のように感じてしまった。”昼と夜のギャップがすごすぎる”、と。ジナのお母さんの言動に気を張る昼とジナとジュニの恋愛にキュンキュンする夜。感情が超スピードで上昇と下降を繰り返し、物語にはまり切れない自分がいた…。

結論

ここでは、この作品がどうしてここまでリアルをうまく映し出すことができたのかについて考察した。この作品は雰囲気がいい恋愛ドラマと説明されることが多いようだが、雰囲気勝負だけでは終わらせないドラマであるという説明も加えたい。リアルを伝えるために恋愛を描き、恋愛を描くためにリアルを扱ったともいえるドラマなのではないだろうか。

〈参考〉
https://news.jtbc.joins.com/article/article.aspx?news_id=NB11604773

この内容に科学的根拠はございません。
あくまでsisters laboの見解です。ㅎㅎ

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