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全員がMVP――凛世担当Pによる「我儘なまま」両日現地感想

2023年7月22日、23日。
東京、武蔵野の森総合スポーツプラザ。
時折陰る雲、差し込む苛烈な直射日光。そんな天気の下、名刺交換という奇習に勤しむ者たちがいた。

プロデューサー――担当アイドルの輝きを広め、またその素晴らしさを共感することに労力を惜しまない我儘な仕掛け人。
その一人として、自分もまたこの地に立っていた。
そう、283プロダクション所属プロデューサー、瑞龍。それが自分の名だ。


今回の名刺

こんにちはお久しぶりはじめまして。そろそろ新人Pと言っていいのかどうか怪しくなってきた頃合いの瑞龍です。シャニマスPはもう2年近くやっているけど全コミュ読んでないので多分新人。
題目の通り、今回感想Noteを書くのはアイドルマスターシャイニーカラーズ283PRODUCTION SOLO PERFORMANCE LIVE「我儘なまま」。
自分をミリオン新人Pとして認識している諸兄も多いだろうが、今回は本職であるシャニマスPとして記事を書いていく。
万が一にでも、この記事を読んでシャニマスに興味を持ってくれる方がいたりしたら大変嬉しく思う。


さて、今回の「我儘なまま」はシャニマス初のソロパフォーマンスライブだ。
シャニマスはユニット活動が主となるブランド。しかし、他ブランドと比して明らかに数は少ないが、283アイドルたちもしっかり自分のソロ曲を持っている。
ただし持っているからといって披露される機会が多いわけではなく、ソロ曲がリアルライブで披露された公演は3rdライブツアーのいずれかや283フェスくらいしかない。
その頃の自分はシャニマスのシの字も知らなかったので、ソロ曲のパフォーマンスというのは今まで見たことがなかった。
いったいどこで回収できるのか見当もつかなかったが、まさかソロパフォーマンスライブとしてまとめやってくれるとは思わなかったため、ウキウキで抽選に申し込み、無事にDay1立ち見、Day2アソプレ連番を獲得することができた。
グッズも大量に購入し、フルグラTシャツ、法被とフル装備で出撃。マヒトデザインさんのとこで刷った300枚の名刺を両日現地で交換しまくり、会場である武蔵野の森総合スポーツプラザメインアリーナに入場した。

座席のこと

さて、先程述べた通りDay1は立ち見席での当選だった。一般抽選で指定席はほぼ当たらないので、どうしても見たいなら立ち見席か見切れ席がオススメだ。

他にあるのかは知らないが、自分の当選した立ち見席は4階スタンド席の後方、通路に面した手すりの手前だった。紛うことなき最後方、「いちばん後ろの席」である。天海春香もとい中村繪里子女史がいればあのセリフを聞いて歓喜できただろうが、シャニのライブではさすがに誰も言ってくれなかった。
手すりに番号の書かれたシールが貼られており、後ろの通路はそれなりに広めだった。隣との感覚が思ったより狭く、手すりに寄りかかってゆっくりしていることはあまりできないが、後ろを気にしなくていいので存分に暴れることができた。

Day2は連番者が当ててくれたアソプレ先行の座席で、3階(実質2階)スタンド席のステージ対岸のほぼ壁際。ちょっと遠すぎる。アソプレくんほんま。

それはそれとして両日どちらも特にトラブル無く座席につくことに成功。いや片方席ないけど。
開演前のCRYST@LOUDで全員当たり前のようにクラップしていたのが印象的だった。合同ライブの思い出は深い。

そんなこんなで、ここからは各楽曲ごとの感想コーナーに入る。これは物凄い苦渋の決断なのだが、今週末のミリ10thAct-2が迫る「私には時間がないんです!」状態の中、疲労困憊の身体で全員分のNoteを書くのが本気でキツいため、楽曲を多少絞らせてもらうことにした。
順番については思いついたままのランダムとする。
聞き馴染んだソロ曲を初めて現地で浴びた生の激情、感動、それを少しでもここに綴っていきたい。


「あおぞらサイダー」市川雛菜/岡咲美保

Day1の開幕を飾った雛菜さんのソロ曲。
はじめて聞いた時から耳元をくすぐるウィスパーボイスでもう「そういう音声」だと思っている。
イントロとアウトロの背中を向けて手をグッパするパフォーマンスが可愛くて好き。

Day2では何度かトラブルがあったが、ラストの「ごめんね♡」ですべてをひっくり返したおみほさんの対応力には脱帽である。
CD音源では絶対に「間違い」は起こらない。ミスを想い出に変える彼女のパフォーマンスちからに感服だ。


「ハナマルバッジ」小宮果穂/河野ひより

ぼくが全幅の信頼を置いている河野ひよりさんのパフォーマンス。
古屋神の才能が爆裂した元気な果穂さんの個性を存分に活かした天才の曲である。
とにもかくにも歌が上手すぎる。曲が果穂さんの良さを引き出し、ぴよさんが曲の良さを引き出す。相乗効果で2倍、即ち100倍のハナマルパワーを得られるのである。
衣装はとあるSRカードのもの。元のイラストではかなり露出度の高いほぼ水着のようなデザインとなっていたが、ちゃんと布面積が広い服にアレンジされていて安心した。

ぴよさんの盛り上げも上手く、クラップも交えたコールで会場は大盛り上がりとなった。
これが放クラのセンター、真っ赤なヒーローアイドルの力だ!!思い知ったか!!!


「わたしの主人公はわたしだから!」福丸小糸/田嶌紗蘭

小糸ちゃんは天使だった!?
まず衣装が可愛い。あの二次元でしか有り得ないであろう純白の天使衣装を紗蘭ちゃんがそのまま着てくるというのが最初の衝撃だった。
フリもキュート系アイドルのいい所詰め合わせセットのような感じで、ふりふり踊る小糸ちゃんがとにかく可愛かった。

そして最高にブチ上がるのがこの曲のコール。
シャニマスでは珍しいガチガチのコール曲であるわたわたは、有志によってコールガイドが製作されるほどライブパフォーマンスが待ち望まれていた曲だ。
紗蘭ちゃんの精一杯の歌声がPたちを引っ張り、会場中が一心不乱に「もっと!!」「ゴーゴー!」と叫ぶ様は圧巻。
特にDay2の終盤で歌われた際は、最高潮の雰囲気と合わさりもうコールと呼べるかも怪しい絶叫が熱と共に武蔵野の森を包んでいた。
自分もかなり喉を酷使しながら全力でコールを楽しんだ。もう一度やりたいぜ。


「HAREBARE!!」八宮めぐる/峯田茉優

めぐるさんお誕生日おめでとう!!!!!
これを会場で叫べたのが嬉しかった!!
アイドルの誕生日とライブの日付が被るのはなかなか珍しい事象だ。この記念すべき日にソロ曲のパフォーマンスを浴びれたのはかなりのアドなのではなかろうか。

だまゆも相変わらず歌が上手い……。フリもひとつひとつが細かくて、歌詞とリンクした仕草がバラエティ豊かで見ていて全く飽きない。
クラップやコールも楽しく、めぐるさんからの全力の応援でパワーがかなり充填できた。夏の暑い日によく合う一曲だ。
愛じゃなきゃなんだってんだよーーー!!!


「フェアリー・ガール」七草にちか/紫月杏朱彩

満を持して初披露となったにちか初のソロ曲。
アップテンポで軽快なピアノが印象的。こういうピアノが自己主張しまくる曲が自分は大好物なので、かなりノリノリで緑のペンラを振りまくっていた。
特に間奏の発狂ピアノが頭おかしくてかなり好き。誰か弾いてみた動画上げてくれ。
にちかのソロに関しては何が出されるか分からなすぎて見当もついてなかったが、こういう元気な曲調で来るのかぁと素直に楽しんだ。

小さい帽子にケープと、衣装も可愛い。
ドヤ顔ダブルピースやフリフリペンギンステップなど、可愛い女の子感MAXのダンスもとても良かった。
まさしくみんなに愛されるアイドル七草にちか。これが正解か。


「Color Days」福丸小糸、小宮果穂、 八宮めぐる、七草にちか/園田智代子、浅倉透、大崎甜花、市川雛菜、杜野凛世

ソロ曲以外もやるんか?!!!ここに挟み込んで!!!?
と度肝を抜かれたDay1序盤。しかもColor Daysとかいうタイミングの微妙過ぎる曲がこのキラキラ選抜メンバーの歌唱曲に選ばれたことで、この先のシャッフルがブラックホール並の闇鍋になることがここで決定づけられてしまったのだ。

全体曲なので全員歌唱経験はあるのだが、少人数になると各人の個性が際立って歌詞の意味が分厚くなる。
特に小糸ちゃんの「あー最悪タッチの差で〜」の部分は小糸ちゃんが炸裂していて良かった。ここすきポイントが多すぎる。

あと途中のMCでは全力で「めぐるおめでとー!」を叫べたり、わかさまの清楚な挨拶に会場がどよめき、わかさまが「なんか文句でもあるんか?」って感じの顔をしてたのが面白かった。
あと感極まって名乗りを忘れる幸村さん。


「誰ソ彼アイデンティティー」田中摩美々/菅沼千紗

お前おるんかい!!!
Day1最初のMCにいなかったのでソロ曲の披露はDay2になると思っていたが、ふっつーに誰ソ彼のイントロが流れ出してビビった。
誰ソ彼……淵……?

それはともかく、とにかく素晴らしいパフォーマンスだったこの一曲。
何が素晴らしいかって、シャニマス界隈においては世にも珍しいマイクスタンドを用いたパフォーマンスだ。
我儘にもまだ数少ないマイコレ限定衣装に身を包んだ菅沼千紗さんが歌うこの妖艶なナンバー。摩美々の内面を宵街のネオンに映した瑞龍お気に入りの一曲、誰ソ彼アイデンティティー。
そんな元々良い曲がこんな最高に最高を掛けた天才マイクスタンドパフォーマンスで披露されてしまったらもう昇天するしかない。
艶めかしくマイクを撫でる腕は見るからに扇情的で、田中摩美々というアイドルの底知れない魅力を我儘に見せつけてくれた。
本当に…………良いパフォーマンスだった…………。


「千夜アリア」白瀬咲耶/八巻アンナ

咲耶様〜〜〜〜〜❤❤❤❤❤❤
連れてって〜〜〜〜〜❤❤❤❤❤❤

はい、白瀬咲耶の夢女です。
完全に連れて行かれました。

今回の八巻アンナさん、というか全体的にだけど、アイドルの実在性が高い!!!!
そのアイドルの為だけに用意された衣装、それを纏う演者さん。醸し出す雰囲気や、立ち振る舞いそのものがアイドルをこの次元に顕現させている。
特に白瀬咲耶を演じる八巻さんの立ち姿は、もう完全に白瀬咲耶と同化していた。
自分は本来、アイドルと演者さんは分けて考える質の人間だが、今回の八巻さんはもう咲耶さんそのものだった。我儘なままに会場中のプロデューサーを連れて行く、白瀬咲耶がそこに立っていた、歌っていた、踊っていた。

得意のイケボが炸裂し、マイクを持たないフリーハンドでのダイナミックなダンスも織り交ぜた最高のパフォーマンス。
男女問わず、誰もが黄色い悲鳴を上げながら見惚れるその姿。まさしくカリスマアイドル、アンティーカの白瀬咲耶だった。


「Going my way」和泉愛依/北原沙弥香

誰ソ彼→千夜アリア→Going my wayの繋ぎは神と言わざるを得ない。
夕闇の迫る長い荒野の道をバイクで走る愛依ちゃんの姿、見えます。

北原沙弥香さんは本当に本番での歌唱力が尋常ではなく、感情の篭ったサビのロングトーンが愛依ちゃんの魅力をこれでもかと言うほど凝縮圧縮放出しており、核兵器級の威力で会場を焼き尽くしていた。
心を貫くような歌声。正に歌詞のような決意。それが彼女のパフォーマンスの全てから滲み出ていた。

また今回の衣装は露出度がまあまあ高く、下品な話だが自分は双眼鏡で北原さんの腋をガン見していた。Machicoといいゆい㌧といい南早紀さんといい北原さんといい、この男、演者さんの腋を見過ぎである。

ついでに余談だが、この曲の前奏と後奏で鳴っている「カチカチ」という音。自分はこれをバイクのウインカー音であると解釈している。
「Going my way」――自分の道を往くということ。
その道は決して真っ直ぐな一本道ではなく、幾つもの分かれ道に何度も差し掛かり、その度に選択をする必要がある。
彼女のアイドルロードもまた、難しい選択の連続で、正解なんて無い道を今も走り続けている。
それでも彼女は迷わず、明確に自分の意志で、ウインカーを出して走って行く。時代を巻き込んで、光る姿を見せながら。
あと愛依ちゃんはいい子なのでしっかりウインカーを出すと思う。


「神様は死んだ、って」斑鳩ルカ/川口莉奈

ついにようやく現地浴びが叶った斑鳩ルカのソロ曲。
彼女が登場した瞬間、会場の雰囲気が一瞬にして変貌したのを感じた。
ただその場にいるだけで場を掌握する。そういう魅力が、カミサマ――斑鳩ルカにはある。そして、それをこの次元に再現できる存在がいる。それがこの世にたった一人、斑鳩ルカを演じる川口莉奈さんだ。
彼女の発する言葉の一つ一つが人の心を揺さぶる。そのあやふやで、鋭く尖っていて、触れれば崩れてしまいそうな、何色にも染まらない存在感が、純粋なインパクトとして脳に刺さってきた。

Day1では「もっと声出せオラァ!!」と観客を奮い立たせ、爆発音のようなコールを会場中に響かせた彼女。Day2でもまた罵りが来るのかとルカ用黒色ペンラを振りながら構えていたが、花道にて俯く彼女から、絞り出すように発せられた言葉はこうだった。

「お前ら最高っ……!」

決壊。コールが絶叫に変わる瞬間だった。
シャニマス世界の若者たちが何故斑鳩ルカをカミサマと呼び、病的にまで崇拝するのか。その理由をここに来てようやく理解した。
言葉では言い表せない彼女の魅力が、今ここにある。アイドルマスターシャイニーカラーズというコンテンツが描こうとしてきたアイドルの魅力が、今このライブにおいて完成された。そう思えるほど、斑鳩ルカというアイドルを強く感じた、伝説の一瞬だった。

また、川口莉奈さんは素のテンションが高くて可愛い。
ファンサどころか手すら振らず表情ひとつ変えないルカと対照的に、川口さん本人のMCになるときゃぴきゃぴ可愛さを振りまいてくれる。
なかなかに脳がバグるがこれがかなり癖になる。早く次のライブで拝みたいものだ。

「リフレクトサイン」田中摩美々、白瀬咲耶、和泉愛依、斑鳩ルカ

生徒会組の疑似ユニット曲となるのは、ルナの属性曲であるリフレクトサイン。なんと本来ソル属性の咲耶さんを交えてのシャッフルメンバーによる歌唱となった。

まず何がヤバいかって、「千夜アリア」を歌う咲耶さんが「千夜を駆け抜けてみよう 君を連れて」のパートを熱唱してくれたことだ。
瑞龍はリフレクトサインをはじめて聞いた頃から「なんで咲耶さんおらんねんこの曲」と思っていたため、予想と期待をど真ん中でぶち抜いてきてくれたこの名采配には思わず称賛の拍手を送ってしまった。
ちなみにこの部分はオリメンだと凛世と霧子の担当になっている。珍しいクールでイケメンな二人が見られるので、是非現地でオリメン浴びもしたいものだ。

またこの曲にはチームルナの新メンバーであるルカも参戦しており、持ち前の歌唱力を遺憾なく発揮して曲を盛り上げてくれた。
歌唱力といえば北原さんも抜きん出ていて、「立ち止まりまた走っていく〜」の部分はかなりの高音で出すのがキツいはずだが、綺麗に出せていた。いやライブであれが出るのは素晴らしい。

さて、ここで一旦劇中劇が挟まり、何やら怪しい雰囲気の真乃と雛菜。それを陰から見守る恋のSOS四人衆。たぶん全員彼氏いない。
ここから始まる怒涛のラブソング4連撃の破壊力がなかなか高かった。というか死んでいた。

「アポイント・シグナル」月岡恋鐘/磯部花凛

Pラブ勢第1号、長崎の恋娘ことこがたんのソロ曲。場合によってはそのまま朝ドラの主題歌にも使えそうな明るく軽快で希望に溢れた曲だ。
今回、センターステージがあって大変良かったと思う要因のひとつにこの曲の存在がある。
目的地まで迷っても時間がかかっても辿り着くという決意を歌ったこの曲。走って転びそうになったり、センターステージへの花道を全力で駆けて行くのが正にこがたんといった風で、またもやアイドルの実在性を感じてしまった。

また、この曲は息継ぎのタイミングが短く、あれだけ動きながら歌っている磯部さんはさすがに終盤息も絶え絶えといった感じだった。それも無理のないことなのだが、個人的にはこの必死な感じもいつも全力疾走なこがたんの雰囲気がよく出ていてかなり感動できたのを覚えている。
ちなみに磯部さんはシャニマス声優の中でもかなり美人な方だと個人的に思っているが、今回もロングの髪が美しく、明るく元気なフリに大変魅了された。

「Darling you!」桑山千雪/芝崎典子

まさかの1番座りっぱなし。そんなに体力ないのか典子。
Day2では開幕での披露となり、いきなりの千雪アタックに驚かせられた。これは遠回しななつちゆなのでは?
歌う様子が本当に楽しそうで、アルストロメリアの千雪さんが奏でる多幸感をひしひしと感じられた。

そう、千雪さんはいつだって楽しそうなのだ。
日常の中に素敵を見つけ、物事を全力で楽しむ少女性。日々の忙しさに対しても折り合いをつけ、ちょっとしたご褒美や大胆な我儘で人生を謳歌している。
そんな彼女の幸せな感情を歌声に乗せて響かせる芝崎さん。
Day2では「ままーーー!」という謎のコールで今回も会場を沸かせてくれた。やっぱり典子のMCはオンリーワンや!


そして。


「常咲の庭」杜野凛世/丸岡和佳奈


――――ただただ見惚れていた。
その所作、振る舞い。透き通る歌声。響く音楽。柔らかな演出。
全てが調和し、水色の桜が吹雪く舞台。これがアイドル杜野凛世のステージ。彼女が追い求める、高い空の片隅。
自分は今、杜野凛世が立つステージをこの目で見ている。その確信だけがただ在った。

P-SR【おもひいろは】のフェス衣装である「ルリイロフレア」に身を包んだわかさまの姿がまず美しい。髪型も凛世に合わせ完全再現となり、正に生き写しとしてステージに立つ彼女の姿に衝撃を受けた。
ルリイロフレアは自分が一番好きなSR衣装であり、今回のライブ衣装として起用されたのが本当に嬉しかった。グッズも大量に購入した。
印象的で絶妙な藍色も良く出ており、揺れ動く袖が今回のパフォーマンスに本当に良く似合っていた。あと腋。

振付は日舞の経験がある凛世らしいしゃなりしゃなりとした振る舞いで、ゆったりとした所作が本当に美しく、杜野凛世という少女の存在を体現するかのような舞踊だった。
揺れる袖を上手く使った動きがとても可憐なのだが、この振付師は日舞の知識もあるのだろうか?どうあっても、凛世のことをよく考え、彼女の想いをこのような美しい舞に落とし込んでくれた人には感謝しかない。
背を向けながら階段を上がるところとか国宝級の美しさがある。

当たり前だが歌声も大変美しく、深山幽谷の秘境にある清流の源泉から汲み出した水のように透き通る音の響き。それが青や水色のペンライトで満ちる会場に染み渡っていく様は、夏に吹く一陣の涼風のようであった。

また、ライブ歌唱ならではの表現の違いにも注目したい。
CD音源では、特にラスサビにおいて、溢れる想いに焦がれるような切ない響きが混じっているように聴こえていたが、今回のパフォーマンスはのびやかに軽やかに、胸のつかえが取れたような歌声になっていたように思われる。この部分については作詞の古谷真先生も言及していた。
これは完全な妄想だが、恐らくLanding Point編のコミュにおける物語が関わっているのではないかと自分は考えている。
未読勢もいるかもしれないためネタバレに配慮するが、LP編において凛世の物語は一旦の区切りがつく。それは彼女のその後の振る舞い、ある人物との距離感に関係するものであり、とにかく彼女は心象的に色々と吹っ切れることになる。
LPを経て吹っ切れた彼女が歌う「常咲の庭」は、のびのびと明るく、空も飛びそうな軽やかさに満ちていた。

「空を飛ぶ」。MCでわかさまも言っていたこの言葉は、凛世LP編におけるキーワードだ。熱心な凛世Pならあの言葉が出てきた時点で涙を流していただろう。わしもじゃ!みんな、わしもじゃ!!
わかさまは普段やべーやつなのにこういう時にピンポイントでPの心臓を破壊するワードを的確に選んで投げつけてくるため死を覚悟してMCを聞く必要がある。
何がヤバいかって凛世を担当すればするほどその言葉の重みがのしかかってくるのだ。もはやシャニマスシナリオチームのライターさんが台本を書いているのではないかと邪推したくなるレベルで。

シャニマスもなんだかんだで5周年。サザエさん時空なので時間は進まないが、歩んできた足跡は確かに刻まれ、時間は積み重なっていく。
283アイドルの中でも特に変化が激しい凛世が、今歌う「常咲の庭」。
それは他の誰よりも暖かな感情に満ち溢れ、心を揺さぶり、咲き乱れる花で広い庭を満たす。
「あ」「それ以外」も、全てを持った少女、杜野凛世の歌だった。

「SOS」黛冬優子/幸村恵理

黛冬優子の可愛さ爆発!
単純なプリティの暴力の前に屈すること必至。フリがもう可愛いの権化である。
幸村さんの歌声は割と他の人には再現できないオンリーワンなものだと思っているのだが、今回のソロパフォーマンスでそれを存分に浴びることができて大変満足した。

特に可愛かったのがDay1の間奏部分、弓矢を射る仕草が完全に胸に刺さって血を吐いた。さっきから満身創痍である。
曲終わりの口づけ、リップ音で完全に昇天。すまん黛冬優子に恋していいか?

「SWEET♡STEP」月岡恋鐘、杜野凛世、桑山千雪

ありがとう……………。
それしか言葉が見つからない…………。

選りすぐりのPラブ勢三人衆が疑似ユニットとなって歌唱するSWEET♡STEP。
バレンタインに臨む少女たちの淡い恋心を歌うこの曲で、なんとまさかの我が担当杜野凛世がセンターに採用される緊急事態。
しかもこのPラブ勢強キャラ二人を押しのけて、最年少の!!!凛世が!!!センターなのだ!!!!!
もはや感謝とかいうレベルではない。この人選をしてくれた人に五体投地で全てを捧げたいくらいである。

凛世は「敗北」の歴史を持つ少女だ。ご存知の通りシャニPに対して淡い想いを抱いている彼女だが、【凛世花伝】における水族館置き去り事件、【十二月短篇】における真冬の屋上置き去り事件など、シャニPからの不憫な扱いを思い返すと枚挙にいとまがない彼女。
またある年のバレンタインでは、諸事情により結局彼にチョコレートを渡すことができなかった。

渡せなくてしぼんだイクジナシなしここにいます

それでもその翌年にはリベンジを果たし、無事にシャニPへチョコを渡すことに成功している。水族館も実はリベンジしたりしている。

恋はいつも上手く行くわけではない。けれど踏み出さなければ始まらない。
恋する乙女の背中を押すエールの歌。その歌のセンターに今その恋を応援したい女の子ランキング283年連続1位の杜野凛世が採用されたこと、夢か現実か、オタクの妄想か!?

本っっっ当に、凛世担当Pとして感謝以上の最上最愛感謝を捧げたい、素晴らしい一曲でした…………。
ありがとう……………………。


「チョコデート・サンデー」園田智代子/白石晴香

日曜日の開催となったDay2では、遅れて参戦となったちょこ先輩の「チョコデート・サンデー」が披露された。
可愛らしい特殊イントロと共にステージの回転から現れたちょこ先輩の姿は、紛うことなきアイドルそのもの!
白石さんの歌唱力も凄まじく、CD音源レベルの美声が会場中を熱狂させた。

ちなみにサビ終わりにぼくに対して「あ〜ん❤」とチョコを食べさせてくれたのだが、これってちょこ先輩はぼくのことが好きってことだよな?
ちょこ先輩彼女にしてェ〜。


「プラスチック・アンブレラ」三峰結華/希水しお

三峰結華は、昔は雨が好きでは無かったと思う。
低気圧で頭痛に悩まされるし、肝心な時にばかり降られてしまう。
自分は雨女であるという自覚があり、そんな自分ではどうしようもないマイナスの面に自己嫌悪すらしていたのではないだろうか。
けれど、今は違う。

Day2のメインキャストの座を見事射止めた三峰結華。彼女のソロ曲は、劇中劇の文脈が多分に乗った最高の流れで歌われた。Day1においても、雨音が会場を包む特殊イントロつきで。
希水さんにとっては初披露となるプラスチック・アンブレラ。これを言うと三峰Pの友人に怒られそうなのだが、今回の希水さんはかなり三峰結華本人だった気がする。
通常、演者さんの顔を見れば、それを演者さんと認識してアイドルとは切り離して考えてしまう。しかし、あのステージに立っていたのは間違いなく三峰結華だった。
ビニール傘を回したり、開いたり閉じたり、上手くフリに組み込んだ柔らかなパフォーマンス。伸びの良い美声が雨音のように身体に染み入るその感覚。アンティーカの三峰結華ではない、アイドル三峰結華としてのステージだった。

元々単体でも滅茶苦茶に良い曲なのに、劇中劇の文脈が乗ることで曲の良さが極限まで引き出されたこのライブ。
シャニはミリオンやデレと違い楽曲関連のイベントが無いため、曲そのもののストーリー性は薄い。このライブはそういった曲の物語の薄さを劇中劇で底上げし、完成形として昇華する。そんな意味を持つライブだったのかもしれない。

「Sweet memorys」大崎甘奈/黒木ほの香

何故かPラブ勢からハブられたなーちゃん。
センターステージで堂々と愛の歌を歌いあげた。
この曲は人によって解釈が分かれると思うが、今回は「友愛」の歌という側面が強いように思えた。
親愛、家族愛、恋愛。様々な想いの篭るこの歌だが、今回の2つの劇中劇において描かれた友人同士の愛情、それを象徴するかのような幸せな想いを紡ぐ歌になったと思う。
それは何より黒木さんの感情の篭ったパフォーマンスがそうさせたからであり、大崎甘奈というアイドルの魅力を引き出す彼女の力の為せる業であると感じた。

「スローモーション」風野灯織/近藤玲奈

この特殊イントロに対する自分の反応速度はなかなかのものだったと思う。
柔らかな前奏から始まり、紡がれる光の歌。青いペンライトが照らす中、灯織が歌うスローモーション。近藤玲奈さんが歌っているという事実だけで涙腺が緩む呪いを背負っている瑞龍は、この時点でもう前が見えなくなっていた。
特にDay1ではSweet memorysから続く「誰かとの絆を紡ぐ」文脈が連続で重なり、曲の質量がかなり増していたように思える。(曲の質量ってなんだよ)

「雪・月・風・花」幽谷霧子/結名美月

朝の光が射し込む。このセトリ組んだ人曲の繋ぎが上手すぎると思う。
曲が神でみーちゃんが天使なのは当たり前のことなので多くは語らない。

「Statice」浅倉透/和久井優

この爽やかな流れに乗り遅れまいと、風に吹かれてやってきた浅倉透。
和久井さんの声の伸びが凄まじい、透明感の権化のような歌声が溶け込んできた。
これむしろ語るの無粋じゃない?ただただひたすら良さみを享受していた。

「Secret utopIA」三峰結華、大崎甘奈、風野灯織、幽谷霧子

ここに来てまさかのSecret utopIAのシャッフル。まさか越境曲がここで来るとは思わなったため完全な不意打ちを食らった。
特殊イントロから聞きなれた前奏が始まり、まさか!?と自分の耳を疑ったが、やはり始まったのはあのノリノリかつフワフワの一曲!
しかもオリメンにはいないアンティーカのメンバー2人を加えたシャッフルバージョン!

とにもかくにも霧子の英語ラップが可愛すぎる!!この曲のラップパート大好き人間である瑞龍は、立ち見最後方で周りを気にする必要がないのをいいことに、SOUL'd OUTのオーディエンス並みに暴れていた。こういうことができるなら最後方も悪くはない。
センターステージ4面を使ったパフォーマンスも魅力的で、特に希水さんのステップが頭抜けてキレッキレなのが印象的だった。

そしてこの曲が披露されたことにより自分は確信する。
「これ……相合学舎あるぞ!!」(※ありませんでした)

「Killer×Mission」月岡恋鐘、緋田美琴、和泉愛依、桑山千雪

Day2でのシンセサイド楽曲枠はまさかのKiller×Mission。いきなり世界観変わりすぎだろ。
シャニマス最多殺害数を誇る桑山千雪はある意味納得の人選。なんかここだけエイプリルフール時空になってない?ミリオンの劇中劇と比較しても殺しの数が多すぎる。

4人の暴力が如き歌唱力もさることながら、全ての人間が脳を焼かれたであろう場面は、やはり落ちサビのこがちゆ濃厚接触だろう。
マイクを使わないフリーハンドのパフォーマンスだからこそできるフェイスtoフェイスお耽美ガン飛ばし対決。あんなもん見たら何かが壊れてしまう。壊れた。

そして予想外の曲といえばDay1のコレ!!!

「VOY@GER」浅倉透、有栖川夏葉、黛冬優子

イントロ流れた瞬間にぶったまげて意識が飛びかけた。
まさか……まさかシャニマスのソロライブでコレを聞けるとは!!
100%の確率で合同で聞けるだろうと思っていたのに何故かやらなくて首をかしげていたこの曲を、まさかの武蔵野の森で回収。これには宇宙人もビックリ。
いや、確かにオリメン揃ってはいるけど!!もうちょっと心の準備とかさせて!!

キレッキレのダンスが炸裂する3人のパフォーマンスは圧巻で、会場は予想外の名曲の登場に大興奮。自分は完全に感情のキャパオーバーで死んでいた。死にながらペンライトを振っていた。えらい。
特に間奏でのダンスのキレが凄まじく、ギラギラとした光の演出も相まって最高のライブパフォーマンスとなっていた。ラップパートも完璧。

この流れがOKならワンチャンDay2でアイシテの呪縛とかスタマス曲もやってくれるんじゃないかと思ったが別にそんなことはなかったぜ。

「星をめざして」芹沢あさひ/田中友紀

Day1では惜しくも田中さんの体調不良で披露されなかったが、Day2では無事に星をめざしたあさひさんのソロ曲。この曲もまた文脈が凄まじいことになっており、入りの流れが完璧過ぎて驚愕した。

またこれは現地限定情報なのだが、回転する舞台装置に乗って退場していく小糸ちゃんが、流れる曲と共に見えなくなるまでぴょんぴょんしていたのがカメラには映らないここかわポイントだった。(ここかわポイントとは「ここ可愛すぎて死ぬかと思ったポイント」の意)
と思ったけどアーカイブ見たら普通に映ってた。そっか。よかったね。
というかDay1で順当に披露されていたらVOY@GERの後にこれだったってマジ?両日で文脈強すぎるだろ。

星に憧れ現を抜かすあさひの奔放さがパフォーマンスにもよく表れ、わけもなく胸がドキドキとするような高揚感が全身を包み込んだ。


「夢見鳥」樋口円香/土屋李央

これ(予定通りなら)あさひ→円香の繋ぎなの唐突なあさまど供給過ぎない?
樋口円香、歌が上手すぎる問題。声の伸びが凄まじい。
心臓を鷲掴みにされるような胸の奥の複雑な部分に響く歌声。それは彼女の宝石箱から零れ出した煌めきの欠片か。

今回何度もアイドルの実在性が〜再現が〜とか言ってるけど、土屋李央さんの場合は元々の樋口円香性(樋口円香性?)が高すぎて今回も完璧だった。
そういえばギター持つかと思ったけど別にそんなことなかった。
ミリオンに頭やられてギター期待してたけど、冷静に考えると声優さんがギター演奏しながら歌う方がおかしかった。愛美が特殊なだけだった。


「Look up to the sky」緋田美琴/山根綺

初披露となった美琴さんのソロ曲は「空を見上げて」と語りかける優しい歌。
レッスン室の壁しか見ていなかった彼女が、他者にそう呼びかけられるようになった。それがどれほど嬉しいことか、彼女をプロデュースしたことがある者なら分かるだろう。
そしてそれは、届けたい誰かのために。そんな未来があるとしたら、きっとそれが彼女の幸せへの道となるはずだ。そんなあやふやな希望を抱けるような、光の歌だった。

サビで手を天に掲げるフリがとても好き。
背後の白いライトに照らされ、後光が差すかのように煌めくステージに立つ彼女の姿は、どこか神々しさすら覚えた。

また、山根さんのMCにも注目したい。
「たくさん名前を呼んでください」と山根さんは言った。その瞬間に自分は目頭が熱くなり、全力で「美琴ーーー!!!」と叫んでいた。
これは美琴さんのW.I.N.G.編大好き人間としては本当に嬉しかった。

美琴W.I.N.G.優勝コミュ「my name」

「セブン#ス」にて、迷うにちかに手を差し伸べた美琴さん。
283プロに加入してからの彼女の精神性の成長具合は凛世に匹敵する。
美琴さんの手が、283の輝きが、いつかあの子を無明の闇から救い出してくれることを願いたい。


「SOLAR WAY」西城樹里、大崎甜花、樋口円香、緋田美琴

樹里ちゃん以外オリメン無しのソル属性曲。
コールが楽しい!甜花ちゃんの個性が強い!
甜花ちゃんは円香といったギラギラの太陽とは縁遠そうなアイドルたちがこの曲を歌っているのが面白かった。
美琴さんは最近水着が出たせいか妙に馴染んでいる感じがした。これは精神年齢14歳みことちゃんかもしれない。


「Ambitious Eve」白瀬咲耶、風野灯織、和泉愛依、田中摩美々

好きな曲、来たれり!!!!
これはPPPHができるのでコールがとても楽しく、是非現地で浴びたい曲だった。
この歌上手集団の中でも摩美々の菅沼さんの美声がよく響いていたと思う。というか低音が足りすぎている。
頼むからこのメンバーでユニット組んで1枚CD出してくれんか?

「Shiny Stories」櫻木真乃、七草にちか、斑鳩ルカ

つい最近リリースされたばかりの新曲をここで披露。
Day2にて重苦しく続いていた暗めの雰囲気の曲の流れがここで変転。夏葉と結華、偶然の出会いに導かれた二人によって描かれる物語が、輝きを放ち始める。
まだ若い彼女たちが持つ自由の翼。それを諦めないで。そう語りかけるような光の歌声がハーモニーを奏でる、シャイニーカラーズという翼たちの物語に相応しい曲になっていると思う。

歌声や文脈が良いのは勿論、フリも細かくて好きだ。特に指で大きな星を描く仕草や、表紙を開く動作。
そして何より、ラストのタイトル画面再現。何故ルカがセンターなのだろうと思っていたが、ここで合点がいった。

真乃、にちか、ルカ。シャニマス本編での物語において、この三人の交錯はまだ見えない。
一体全体どうしたらこの三人がこんな希望の歌を紡ぐことができる未来が来るのか、今の展開では全く予想がつかない。
しかし、「どこへだって行ける自由の翼 今は信じてる」。ルカがそう言えるようになる未来があることを願うばかりだ。

「また明日」大崎甜花/前川涼子

Day1の卒業式編が終わり、流れ出すのがこの「また明日」。
卒業式というほとんどの学生における今生の別れで「また明日」を持ってくるのはなかなか趣が深いというかある意味悪辣でもある。
ところで今の今まで誰も座ってなかったベンチは、ただ甜花ちゃんが寝るためだけに用意されていたことがここで判明する。甜花ちゃん、もしや卒業式寝過ごしたのでは……。

フリがかなりキュートで、「猫だけがご存知」の部分で顔を洗う猫の仕草をしたり、大きくあくびをしたりするのが甜花ちゃん概念過ぎて俺の中の甘奈が暴れまくっていた。抑えるのに苦労した。


「過純性ブリーチ」西城樹里/永井真理子

Day1のソロパートの実質的なトリを務めたのは、樹里ちゃんが歌う「過純性ブリーチ」。
歩んできた道を振り返りながらも、迷いを捨てて前を向いて走り出す。そんな前向きな歌。
こうして文章にすると「また明日」と共通点が意外とあることに気付く。

これはもう本当にライブで聞くのを楽しみにしていた曲で、一番期待していたと言っても過言では無い。凛世担当なのに。
個人的にソロ曲の中でも一番好きで、予想通りサビのコールでの盛り上がりが激烈に楽しかった。
ながどんのコール煽りがとてつもなく上手く、会場のボルテージが最大級に高まっていくのを肌で感じた。

「懐かなそうな野良猫」の引っ掻きとか可愛くて最高だし、こんな激しい曲調の中でも最後まで全力で全身を使って躍動する姿に感動すら覚えた。
そしてあの輝くような笑顔!!太陽のようなその満面の笑みと、零れ出る笑い声がもう本当に西城樹里過ぎて、笑顔と涙で表情がぐっちゃぐちゃになりそうだった。
Twitterの名前を樹里ちゃんファンさんにしようかと思うくらいには感激した。
最高のパフォーマンスでした……。


「虹の行方」芹沢あさひ、幽谷霧子、樋口円香、大崎甘奈、福丸小糸

Day2の佳境では、雨が上がり、光が射し込む空に架かる虹が如くこの曲がぶち込まれた。
これはもう大体やるだろうと予想していたが、いざ聴くともう本当に涙が込み上げて来る。
何を隠そう瑞龍的に周年曲の中でもシャイノグラフィと争うレベルで大好きなこの曲を、ようやく現地で浴びることができるのだ。それだけでもう感涙ものなのに、こんな分厚い文脈が乗った状態で投げつけられたらそりゃもう訳わかんなくもなる。

一見てんでばらばらに見えるような歌唱メンバーも、お互いの良さを引き立てるコンビネーションで華麗なユニゾンを披露してくれた。
これは遠回しなまどきりでは……?


さて、ここまでがアンコール前の曲。というか実質的にアンコールは入らなかったという方が正しいかもしれない。尺がギリギリ過ぎてアンコールの枠すら入れられなかったのだうろか。

というわけで、ここで一旦劇中劇の内容について振り返ってみたいと思う。
Day1の劇中劇の舞台は高校。主人公は二年生の雛菜さんと真乃さんで、卒業を間近に控えた三年生や、在校生らのやり取り、雛菜と真乃の想いのすれ違いなどが描かれる。
個人的に感じたのだが、この物語の性質が京都アニメーションのアニメ映画「リズと青い鳥」に似ているように思えた。
真乃の雛菜に対する想いは、友情以上の何かを秘めているように思える。それに対して雛菜は普通の学生らしく恋して敗れて時が進み、彼女たちの物語は少々チグハグなまま別れの時を迎えることになる。
それでも、互いの想いが通じ合う一瞬の交錯。その瞬間に輝きが潜んでいて、それを探す日々がこれからも続いて行く。我儘なままに!!
彼女たちのそんな生き方が、輝きに満ちた未来が、何よりも尊く思えた。
これからも彼女たちの道は続く。歩みは止まらない。二人は走り続ける。
そう、輝きを掴むために!!!

「Let's get a chance」櫻木真乃、市川雛菜

ここでそれ持ってくるの天才だろ!!!!!

文脈の乗せ方に森羅万象を全振りし過ぎなんだよ!!!!
この曲この劇中劇のための書き下ろしか???なんて思うくらい最適解な曲が既にご用意されていた。おかしいだろ。

個人的にもかなり好きな一曲なので当然ボロボロ鳴いたし、全身全霊をかけてコールしながらペンライトを振っていた。いやこの曲のコール本当に楽しいな。
合同でミリがやった時は知名度が低すぎて周り誰もコールしていなかったが、やはりシャニの現場ならあの怒号のようなコールが響き渡るのだ。

もう感情が乗りすぎていて楽しすぎたし、ひなまのの明るい未来に希望を見出しすぎて光で目が潰れるかと思った。
それほど輝きに満ちた空間だったのだ。
素晴らしいぞ、このセトリ……。
これを超える流れはもう無いだろう。そう思っていたのも、たった1日だけだった。

Day2の劇中劇は、大学が舞台となっている。
明るく溌剌でインターン先でも活躍する夏葉と、バンド活動がしたいもののなかなか上手く行かない結華。
僅かな繋がりから生まれた二人の友情だが、夏葉の想いと結華の燻る情熱が重なり、潰えかけた夢が再び翼を得て、雲を切り裂いて空へ飛翔する。
そんなありきたりな夢物語が、極彩色の解像度で描かれている。
極めて個人的な理由で、無責任にも結華の夢を応援し続ける夏葉。人の夢を応援するには、それ相応の覚悟がいる。それでも彼女は、ただたった一つの理由を胸に、我儘なままに、結華の背中を押す。
その背に見えた、雨色の羽根を信じて。


「シャイノグラフィ」有栖川夏葉、三峰結華

ノーベル賞!!!!!!!
この流れを生み出したのはもうノーベル賞なんだよそれは!!!!!

シャイノグラフィはシャイニーカラーズに激マッチする超神全体曲だけどデュエットにしてこういう文脈にも乗せられるんですねーとか天才極まり過ぎてないか???全知全能の神か?????
なんてことをしてくれるんだシャイニーカラーズ。

もう夏葉さんから「背中」という単語が出てきた時点で全てを察した瑞龍は涙を流しながらペンラを強く握りしめた。お決まりのあのポーズから聴き馴染んだイントロが流れ出した瞬間、この世の全てに感謝しながらそっと遺書を書いた。
もう何もかもが良すぎて記憶が完全に飛びかけたが、アーカイブ配信のおかげで何割かは取り戻すことができた。

あーもう本当に最高なんだよあのCメロの向いあっての掛け合いは。
文脈乗せすぎだろ劇場版の主題歌じゃないんだぞ。

曲終わりの二人から漏れ出る笑い声も幸せに満ちていて、ぼくらにとっても演者さんにとっても、あまりにも最高な時間だったのだなぁと認識することができた。
本当に最高の一瞬だった…………。ありがとう…………。


その後、お知らせが挟まれてアンコール曲となり、Day1、Day2、それぞれの座長である真乃さんの「ありったけの輝きで」、夏葉さんの「Damascus Cocktail」が披露された。
最高確認されているのは当然なのであえて書かないが、これで一通り曲の感想は終えることとする。
告知内容についてはTwitterで喚いていることが全てです。鈴木羽那、担当します。

まとめ

ソロパフォーマンスライブ、我儘なまま。
何故ソロパフォーマンスライブに劇中劇が?と疑問に思った方も多いだろう。自分もその一人だ。
正直、最初はソロ歌唱曲を両日で分けて、余った時間を劇中劇で埋める作戦なのかとでも思っていた。だが、それは完全に間違いだった。

先程も述べた通り、シャニマスにはデレやミリと違い楽曲に関連するイベントが無い。例えばデレは楽曲追加ごとにイベントやコミュが発生し、その曲そのものに想い出が付与される。ドラマCDも充実しており、十分に物語性が付与された曲としてミリPたちは楽曲を吸引している。
一方、シャニマスは楽曲と物語の絡みがほぼ無いと言ってもいい。
アイドルたちが自分たちの楽曲に言及することはかなり稀だし、CDについているオーディオドラマも曲に関連するものではない。ただ雰囲気やキャラクター性というものを封入した空気缶みたいなところがあった、というのがシャニの楽曲に対する正直なところだ。

しかし、今回のライブにおいては、「我儘なまま」という2本の劇中劇を主軸にして巧みに曲を配置し、絶大な物語性を曲に付与し、その魅力を最大限に引き出してくれた。
文脈が乗る、というのは正にこのことである。
「我儘なまま」自体も全体的なセリフ数も多くなく、起承転結もあやふやでプロデューサーの脳内補完に頼る部分の多い劇中劇ながら、過不足なく少女たちの関係性を描き、楽曲へストーリー性を多分に染み込ませてくれた。これが脚本の妙と言わずして何としようか。

ただ歌って披露するだけでは終わらない。ただのライブパフォーマンスにはしない。
そんな気概を感じられる構成だった。
これはもう素直に手放しで称賛するしかない。

また、全体的にアイドルの実在性も高く、ソロ衣装の完全再現という余りにも大変そうなことを我儘にもやってのけてくれた衣装製作班にも多大な感謝の念を送りたい。
様々な想いを込めて作られた衣装に身を包んだアイドルたちのパフォーマンスは本当にどれもこれも素晴らしく、誰のものを見ても目を引く内容だった。

今回のライブ、MVPは誰かと聞かれたら、これはもう全員と答えるしかないだろう。
全てのアイドルが、それぞれの色で、輝きで、オンリーワンの煌めきを見せてくれた。
そんな素晴らしいライブだったと、心の底から思う。でも相合学舎はやってくれなかったね。

大変大満足、最高のライブでした。

ありがとう!!!!!!!!!


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