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タビビトノキ @39

ケンムン村で見つけたタビビトノキ(旅人の木)。たしか国直のさんごビーチや大浜海岸にもあったような気がする。幹はヤシの木のように直立し、葉はバッシャそのものだけど扇状に広がり、その扇のかなめが地層の断面のような見事な形状。葉の間からはゴクラクチョウカの花のさやに似た尖ったクチバシが出ている。不思議な植物だ。

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調べてみたら、マダガスカル産でゴクラクチョウカの仲間らしい。だとしたらあの尖ったクチバシから花が咲くのだろうか。

旅人の木という名称の由来は、葉に溜まった雨水で旅人たちが喉を潤していたとか、東西方向へ扇状に広がる葉が旅人にとってコンパス代わりになっていたとか、諸々あるらしい。なんともロマンのある木だ。そして「旅人の木」という名前がまたいいね。


ゴクラクチョウカ(極楽鳥花

南アフリカ産のこの植物。紫色のくちばしが真っ直ぐ天をめざし、橙色の翼でいまにも羽ばたこうとしている。色鮮やかなその様は極楽鳥そのものだ。

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こんなに派手な姿をしてるのでさぞや目立つだろうと思いきや、道路の縁石沿いや公園の隅の方にひっそりと咲いているので、案外見落しがちなのだ。それだけ周りの情景と同化しているのだろう。


サキシマスオウノキは子孫のウルトラマン(木の実)に旅を託している。ウルトラマンは海流に乗り幾千里も旅をし、そして流れついた地で種になり根をはる。しかし、ゴクラクチョウカは自らが旅人となり天をめざすのだ。

タビビトノキはそんな旅人たちに喉を潤す水を与え、扇の葉で行く手を教え、すべての旅人の道しるべになっているのだろう。



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