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【スピリアマテリアル】:初心者から世界大会優勝するまで


はじめに

※有料部分は最後のおまけだけなので、本題部分2万文字程度はすべて無料でお読みいただけます。

おはようございます、どらです。
ドラゴン齋藤というハンドルネームなのですが、長いので知人友人は「どら」と呼びます。
よろしくお願いいたします。

私はTCG・LCGが好きでして、よく遊びます。
なので以前からスピリアマテリアルというタイトルは存じ上げていました。
ゲームマーケットやボードゲームショップでもたびたび見かけていたためです。
昔からみかけるので、老舗LCGの代表という印象でした。

今回、たまたま時間に余裕があるタイミングで2024年度世界大会の開催発表を見かけたため、2週間ほど前に全カードを購入して研究してみました。

本タイトルの製作者様にも多分に研究協力いただき、その結果つい先日世界大会優勝といういささか出来すぎな成果を残すことができました。
せっかく優勝したので、スピリアマテリアルをどのように紐解いていったのか、その軌跡を残しておこうかと思います。

LCGは比較的小規模に遊ばれることが多く、そのため始めるにも最初に躓くことが多いと思います。
今遊んでいる方だけでなく、これから始める方にも参考になれば幸いです。


ルールキャッチアップ

最初は兎にも角にも遊び方から把握しました。
公式サイトの遊び方を見ていただくのが一番正確だとは思いますが、ざっくり以下のことがわかれば遊び始められると思います。

私の場合は以下の内容を把握した後、スピマテオンラインでNPC相手に戦い続けてゲームを理解しました。
(いくつかアプリの処理には本来と異なる挙動があるため注意)
不明点はゲーム開発者のひろさんに連絡を取って質問を繰り返し、ゲームの解像度を高めました。

勝利条件

 ①手札と場が空の相手に直接攻撃することで勝利
 ②デッキがなくなっても負けにはならないが、その場合エンドフェイズに手札か場のカードを1枚墓地に送らねばならず、できなきゃ負け

デッキ構築

 メインデッキとEXデッキを用意する。
 特別な記載がなければメインとEX合計で同名カード2枚まで採用可能

 メインデッキ
  5枚以上25枚以下で構成
  通常はここからカードを引いて対戦する。
  コストEX以外のカードを入れることができる。

 EXデッキ
  7枚以下で構成
  条件を満たせば使えるカード群+サイドデッキ用の通常カード群

先手後手の決定

 デッキ枚数の多い方から先行、同数の場合はランダムに決定
 初期手札3枚スタート
 初期手札のうち、1枚はデッキから好きなカードを選んでよい。

コストの支払い方法

 指定数の手札破棄

ドローフェイズ

 メインデッキからカードを1枚引く
 先行も1ドローあり

スタンバイフェイズ

 モンスターの通常プレイ
  通常プレイは1体までだが、効果によるプレイには制限はない。
 
 魔法の使用
  スピマテの特徴として、魔法カードも耐久をもっており、使用した後場に残って壁になる

バトルフェイズ

 先行はなし

 攻撃する場合は、攻撃先のカード、もしくはプレイヤーを選ぶ。
 場には前衛3枠、後衛3枠の6か所があり、1枚でも前衛カードがあれば後衛カードを攻撃することはできず、前衛・後衛カードがあればプレイヤーを攻撃することはできない。

 カードを攻撃する場合、攻撃側のAP攻が防御側のLP耐以上入れれば破壊
 直接攻撃する場合、相手は手札を1枚選んで捨てるが、捨てられない場合は敗北となる。
 ただし、AP0のモンスターに攻撃されても処理は行わない。
 APを持つ場合、魔法であっても攻撃を行うことが可能。

 カードのダメージはターンを跨いで蓄積される。

エンドフェイズ

 手札が5枚以上なら捨てる(4枚以下にする)

カード効果の使用タイミング

 プレイ時
  カードを場に出したときに使用可能。
  モンスターはカード効果によるプレイでも効果が発動するが、魔法は手札から使用した場合のみ効果を発動できる。
  効果を使用せず、ただ場に出すだけも可能。

 任意
  スタンバイフェイズに毎ターン使用可能。
  1ターンに1度だけつかえるが、名称指定での制限がない限り同名カードの効果やカードを場に出しなおした場合は再度その効果を使用できる。

 対抗
  対戦相手がカードの効果を使用した時に使用可能。
  相手の効果より先に効果を発揮する。
  対抗で相手のカードを破壊した場合、それが攻撃中ならその攻撃は無効化される。
  それが効果発動中ならその効果は無効化されず、そのあとで処理を適用する。

  注意として、スピマテでは効果発動時ではなく効果処理時に対象を選択する。
  そのため、対抗で除去からモンスター1体を守った場合、別のカードが除去の対象になったりする。

 防衛
  「そのターンに場に出た"相手モンスター"が攻撃しているとき」に使用可能。
  つまり、前のターンにプレイされたモンスターの攻撃や、魔法による攻撃に防衛タイミングは存在しない。

 完全防衛
  「”相手モンスター”が攻撃しているとき」に使用可能。
  魔法による攻撃に防衛タイミングは存在しない。

 追撃
  「”自分モンスター”の攻撃に対して効果が発動されなかった時」に使用可能。
  魔法による攻撃に防衛タイミングは存在しない。

特殊な行動

合成
 合成を行うと書かれた効果を使用することで行える特殊行動。
 場に存在する対象と、手札・場に存在する素材カードをEXデッキに送る。
 EXから合成先のカードをプレイする。

 合成カードが破壊されると、合成対象のカードが場に出る
 このターン場に出た扱いだが、プレイ時効果は発動しない
 任意効果は合成前に発動していても再度発動できる。(名称指定でなければ)
 バトルフェイズ中なら、そのカードでも攻撃できる。

創造
 
創造を行うと書かれた効果を使用することで行える特殊行動。
 創造対象のカードをEXに送り、召喚権を使用して手札・墓地・デッキ・EXから1コストだけ大きいモンスターをプレイする。

サイドチェンジ
 2本先取戦などを行う場合、ゲームの合間に行う。
 直前のゲームに勝ったプレイヤーから宣言する。
 EXとメインデッキのカードを差し替える・戻すか、メイン・EXデッキからカードを単純に除外できる(このマッチ中は使用不可になる)



既存環境とデッキ構築理論把握

公式ディスコード公式サイトの記事個人ブログ、Twitterのつぶやき検索、そして開発者のひろさんに直接連絡をとって、リアル・オンラインで数時間数回にわたりタイマンで練習とカード研究に付き合っていただきました。
また、ひたすらルールブックを読んでひろさんに質問しまくり、穴や自分が気が付いていない動きを洗い出し続けました。
また、TCG・LCG趣味の友人にスピマテを紹介して全カードプロキシ印刷してもらって布教して多角的視点でデッキ考えてもらったり……研究を繰り返しました。

それに必要な最初のデッキは、ディスコードで現在も公開されている『令和版アルケミストカウンター』『だいこんミルフィ』からとっかかりました。
「武術とは、模倣から始まる」と史上最強の弟子ケンイチでみたためです。

自分で弱いとか疑問に思ったところはデッキ製作者のひろさんに即投げて、NPC相手に対戦を繰り返して自分理論でデッキを強化していきました。
結果論ですが、世界大会予選の相手が『だいこんミルフィ』だったのでその意味でも役に立ちましたね。
結果的には『令和版アルケミストカウンター』をどう強くするかという思考の延長線上に最終的に使用するデッキあったため、非常に良いサンプルデッキだったと思っています。

令和版アルケミストカウンター』をそのまま使うといろんな課題があることに気が付くので、興味がある方はここで記事を読むのをやめてぜひ自身でもデッキを育ててみてください。
アルケミストの少女はとっかかりとしてはかなり楽しいスペックをしてくれていますし、最初は「アルケミストの少女がちゃんと戦えるようになってて嬉しいです」と育った娘を見るまなざしで話していたひろさんが、新弾デッキや既存の大会デッキが軒並み倒れていくのを見てどんどん焦っていくのが面白かったです。(性悪)

しかし、平日に何回も23時くらいまで秋葉原でバトルし続けてたり、ど長文の考察と質問をひたすらディスコードで投げ続けたり、今思うとよく付き合ってくれたなぁ…と思います。
ひろさんにはゲームを作ってくれただけでなく、一緒に遊んでくれたことに特別の感謝を捧げたいです。

デッキ構築:速攻

【概要】
スピマテのデッキ構築はデッキ枚数が少ない方が後手で、バトルフェイズが行えるのも後手からです。
なので、デッキ枚数を少なくすると基本的には後攻1ターンで勝つことを目指すデッキになります。

【基礎】
だいたい枚数は5-7枚に抑え、毎回同じ動きができるように組むのが基本です。
現状速攻デッキとして認められるラインとしては、連続攻撃4回以上+防衛カード無効1回 OR 全体除去 OR 攻撃回数追加といったところになります。
初期手札は4枚しかないので、それであらゆる速攻プランに対応するというのは難易度が高いため、メタ外の構築を組めれば大体のマッチアップは相手に何もさせずに勝ち切ることができるでしょう。

【弱点】
フレイムケイジ」など対抗タイミングで攻撃を止められたり除去されたり、相手がさらに少ないデッキ枚数で先手を取らされると厳しいです。
また、先手を取ったハニーデッキの「ハニーマジック」をケアできる速攻デッキはほとんど存在しないと思います。
そしてデッキの動きが固定で枠も狭いため、不利対面に引きで勝ち切るといった展開も全く発生しません。

良くも悪くも、対峙した瞬間に9割がたゲームが終わっているのが速攻デッキといえるでしょう。

【よく見るカード】
バトルフリーディア戦乙女の進撃竜の巫女スフィアドラゴン破滅の契約者

【デッキ例:神ルーネ速攻】
(「命乞いの懇願」が古すぎて手に入らない問題があります)
「水の神ルーネ」から「リヴァイアサン」を出して全体除去と攻撃回数を水増しし、「アルケミックマテリアル」で一番欲しいカードをEXから引っ張ってこれます。
全体除去と防衛無効を両立している理想的な速攻デッキといえます。
プロテクションオーラ」のサーチによる数ターンの延命力もあり、少しだけゲームレンジを伸ばせます。
APと攻撃回数の少なさは気になるところですが、これを完全に受けきれる形は多くなく十分強力な構成です。

ティンクルステラを初手に持ちデッキを引き切る。
水の神ルーネを出してリヴァイアサンとアクアヒーラーを展開。
リヴァイアサンで全体除去、アクアヒーラーで墓地の水カードを拾う。
アルケミックマテリアルで命乞いの懇願をEXからサーチ。
結果:3回攻撃、全体除去、防衛/完全防衛無効1回

デッキ構築:中速

【概要】
先手後手が不定で、どちらにも対応できます。
そして、デッキ枚数が絞られていることである程度の再現性をもつデッキになることが多いです。

先手を取れば後手ワンキルから身を守り、後手をとれば盤面を除去するといった相手によって立ち回りを変えられる受け入れであったり、とにかく速攻である程度硬い盤面を作ってデッキ切れにならない2,3ターン程度でゲームをたたみに行くものが多いでしょう。

また、サイドチェンジによって先手後手をコントロールしたり、速攻・コントロールデッキに換装することで的を絞らせないプランを取りやすいです。

【基礎】
デッキ枚数が7-24枚程度で、先後両方戦える構築にします。
現状中速デッキとして認められるラインとしては、速攻デッキの攻撃を先手側で対策できること、連続攻撃や全体除去で後手から盤面を処理できること、キルターンが2-4ターン程度、再現性の高い勝ち筋を持つが挙げられます。
後述するコントロールデッキとは後手を想定するかどうかと、勝ちに向かう姿勢の違いがあります。
コントロールは序盤に受けに回ってリソースの差を押し付けて柔軟に立ち回っていくのが主な勝ち筋ですが、中速はある程度決められた勝ち筋をたどることを目的とします。

【弱点】
速攻デッキにはほぼ先手、コントロールデッキにはほぼ後手になることで、初手サーチから2軸のプランを用意しなければならないことが多く、それらをかみ合わせる必要がありパワーの最大値が低くなりやすいです。
速攻には速度負けするしコントロールにはロングゲームで不利なので、楽に勝てる相手が少ないです。

【よく見るカード】
デーモンガールハニーマジック八百屋の娘現場猫レディオブドラゴンアドとる魔法使い系プロテクションオーラフレイムケイジ戦乙女の復活スフィアドラゴン、おまじない…

【デッキ例:春だいこん】
7枚構築の中速という珍しい構築で、速攻相手に後手が取れる可能性があるのが特徴です。
1ターンでトップスピードまで加速しきって堅牢な場をつくることができ、デッキ切れになっても除去されてもラディッシュフリーディアさえ無事なら毎ターンのサーチで負けないので長いゲームレンジにも対応しています。

速攻には前衛の魔法3枚壁+「英雄の顕現」で守り、中速以上には「ハルマゲドン」によるデッキレスで勝ちにいきます。
中速以上で採用率が高い最強の防御魔法「プロテクションオーラ」を「だいこん」ですり抜けることができるのも強みです。
問題としては、3-4回攻撃とはいえAP30と火力不足気味だったり、「ラディッシュフリーディア」の最初のサーチ効果に「フレイムケイジ」を打たれるのが痛すぎるところなどが挙げられます。

「魔法少女フリーディア」を初手に持ち「ティンクルスター」でデッキを引き切る。
(理想は次のターンのドローが欲しいので1枚残し)
「八百屋の娘」「魔法少女フリーディア」「アビスアルケミー」で「ラディッシュフリーディア」を合成。
地属性魔法4枚サーチで盤面に「だいこん」「まっぷたつだいこん」「まっぷたつだいこん」
手札に「英雄の顕現」と適当な札2枚を残し、連続攻撃で盤面を処理。
全体除去などは「だいこん」と「リースの逆襲」でカバーし、攻撃は「英雄の顕現」でカバーしてラディッシュフリーディアを守る。
相手が「英雄の顕現」による「八百屋の娘」蘇生をきらって防御に回る場合、次のターンの4枚サーチで「ハルマゲドン」とコストを回収し相手のデッキを全て墓地に送る。

デッキ構築:コントロール

【概要】
25枚構築で、先手にアドバンテージをとれるモンスターを立てながら防御札を構えてゲームを長引かせ、後半に巻き返しを図るデッキです。

中速との違いは、プランを先手に絞って構築しやすく、総合的なデッキパワーが高くなりやすい点、固定の勝ち筋ではなく複数の強いアクションの集合によってデッキになる所にあります。

サイドチェンジによって先手後手をコントロールしたり、速攻・コントロールデッキに換装することで的を絞らせないプランを取りやすく、最も対応力が高いです。

速攻デッキと同様に初手モンスターへの依存度が高く、これを守れるか守れないかで勝率が大きく左右されます。

【基礎】
デッキ枚数は25枚固定で、とにかく先手を最優先に構築にします。
現状コントロールデッキとして認められるラインとしては、速攻デッキの攻撃を先手側で対策できること(先手2妨害が安定するのが理想)、連続攻撃や全体除去で後手から盤面を処理できること、キルターンが2ターン以降、高い除去性能と防御性能を持つ、コントロールミラーでプロテクションオーラ・フレイムケイジを突破して勝ち切る手段の搭載が挙げられます。

コントロールが最終的にやることは大体一緒で、「スフィアドラゴン」などで全体除去して前のターンから存在しているモンスターで防衛タイミングを無視しながら殴りきる流れになります。

【弱点】
防御札の選定によって速攻デッキをケア出来る必要があり、採用カードや初手サーチにメタ読みが必要になりやすくプレイ・構築難易度が高いです。

とにかく初手サーチするモンスターへの依存度が非常に高くなりやすくマトになる点も厳しいです。
引いた防御札と後手の除去札のかみ合わせが悪いだけで勝てません。

先手「ハニーマジック」がめちゃくちゃきついのでハニー相手を想定してサイドプランを用意する必要もあり、後手「デーモンガール」も死ぬほどきついのでそれを想定して序盤構想しないといけないし、後手の猛攻を手札全部使って受け止めたら通常ドローと初手モンスターで盤面を解決できなきゃいけないし、とにかく周りに何のデッキがいてそれぞれに何が刺さるのかを全て理解したうえで緻密にコンティンジェンシープランとシナジーを組み立てながらデッキ構築を行わなければなりません。
その前提により「地雷デッキ」に何もできずに負ける点も弱点といえるでしょう。

あとデッキ例のキャプションを見てもらえればわかるけど説明が死ぬほど面倒になりがちです。

【よく見るカード】
デーモンガールハニーマジックアドとる魔法使い系プロテクションオーラフレイムケイジ戦乙女の復活スフィアドラゴン、かいじゅうフリーディア、五芒星の魔女レナ、星の魔女の騎士、星の魔女フリーディア、星占いのアルカナカード

【デッキ例:アルケミストカウンター】
初手に3妨害を構えやすく、創造スフィアドラゴンやかいじゅうフリーディアで盤面解決力も高い、まさしくコントロールという構築です。

さらにサイドチェンジでペンタグラムアルカナという特殊な構成にスイッチでき、これにより先手ハニーや水の神ルーネ速攻などに対し手強く出ることも可能にしています。

※ペンタグラムアルカナ
 EXはアルカナ、アンチフレイムか法術師の少女、後はお好きに
 メインはレナ、プロテクションオーラ2枚、フレイムケイジ、アンチフレイムか法術師の少女の5枚デッキにすること
 ドローフェイズにデッキがすべてEXに送られるので、初手サーチのレナと残りデッキ4枚のうち2枚をランダムに引いてスタートできるため、毎ターンプロテクションオーラを構えながらアルカナで戦うなどが可能。
 その強さは2024年世界大会で準優勝したことで証明された。

初手アルケミストの魔女からアルケミー・サイクルをサーチ
対抗タイミングでアンチフレイムを場に出しながらエンジェリックコールをサーチする
これでアルケミーサイクル1枚で効果ダメージと攻撃を1回ずつ止められる。
あとは初手に素引きした妨害と併せて3妨害を構えるのが先手構想
アルケミーサイクルから出すのはアンチフレイムだけでなくフォローウィンドのプレイ時効果無効も選択肢になるし、防御が十分なら創造を場に出すのも悪くない。

  2ターン目からはレナをサーチし、アドバンテージを取りに行くのが主流
レナをサーチ、レナから虚空合成をサーチ、レナを素材にかいじゅうフリーディアを出して除去+自壊
かいじゅうフリーディアが自壊するとレナが蘇生され即追加サーチと動くのが強力
デッキに龍族がある限り、場の虚空合成を回収して使うをループして40点振り分けダメージを投げ続けることができるし、十分破壊したらプロテクションオーラなどをサーチして防御に備えることも可能。

レナ+アルケミストの魔女がいると、アルケミストで創造をサーチして創造ルシフェル出して手札の防御カード破壊した後、レナでダークネスや合成を引っ張ってくることで星の神レナを召喚しリヴァイアサンを出して全除去と連続攻撃を狙う必殺ムーブがある。

また、創造エアフォートゴーレムを出すことで、レナでプロテクションオーラを回収し続けバトルフェイズスキップしつつ効果破壊とダメージ無効という相当固い盤面を作れる


『転生ビフォーアフター』前の環境に対する考察


2023以前の環境では、速攻デッキの評価が高いように思いました。

コントロールデッキは初手サーチモンスターへの依存度が高いため、速攻デッキ視点ではデーモンガールを採用、それ以外はハニーマジックを採用することで、簡単につぶせるとみられているようでした。

実際、デーモンガールはカードプール的にほぼ対策不能だったように思いますので、これは正しい評価だと思います。
理由としては、例えばデーモンガールであればLP10なので対抗タイミングでフレイムケイジを打つことで除去できますが、使用された効果は止まらないという裁定があるためです。
もし私が当時のプレイヤーであればハニーを握ることを検討したと思いますが、速攻側にサイドチェンジで中速換装されつつ後攻デーモンガールでハニーモンスターを除去されることを止めることができないことに頭を悩ませたと思います。

なお、歴史上は存在していませんでしたがおそらく当時の最強デッキはペンタグラムアルカナだった可能性が高いと思います。
当時アルカナは「デッキ手札0枚でしか運用できない」と思われていたため大会に登場することはありませんでしたが、デッキ5枚後手でプロテクションオーラを毎ターン張りながらアルカナを投げてくるデッキを倒すのは既存の速攻デッキや中速では難しいと思います。

アルカナは1D12で2345,12を引ければ誰にでも勝ててしまうという前提があり、ダイスを振る試行回数が増えるほど強いデッキです。
そこに毎ターンプロテクションオーラ OR フレイムケイジなどという最高クラスの防御を与えれば、コントロールだろうがなんだろうが当たり前にきついです。
アルカナに勝つには、アルカナ側のダイスが下振れたうえでアルカナの後攻1Tを守り切ったうえで先行2Tで盤面を完全にリセットして100点ダメージをたたき出す必要がありますが、それを比較的達成しやすくする竜の巫女+スフィアドラゴンは集合的禁止カードになっており、そもそもそこまでやってもプロテクションオーラで止められるしで、有効な対策はかなり少なかったんじゃないかなと思います。



『転生ビフォーアフター』環境に対する考察

本節で掲載しているカード画像は、すべてスピリアマテリアル公式サイト様からの引用になります。ガイドライン

さて、脱線しましたがコントロールを握るためにはデーモンガールとハニーを対策できる必要がありました。
それがないのであれば速攻デッキを研究すべきです。
ですが速攻デッキでペンタグラムアルカナを倒すことは非常に難しいため、本命として研究すべきはコントロールかペンタグラムアルカナであり、そのあとにコントロールは想定されるすべての速攻デッキとハニーを倒せるのかどうかという順に検討することにしました。
また、2024年4月から前述の竜の巫女+スフィアドラゴン集合的禁止制限が解除されることもあり、その影響も検討しました。

そして検討の結果、竜の巫女+スフィアドラゴンなんてするよりもはるかにやばい除去があることに加え、その手段を実現するカードが同時にデーモンガールやハニーマジックを対策できる可能性を持ち合わせつつ、大半の速攻デッキの初動を抑えることが可能なことに気が付きました。
それが五芒星の魔女レナです。

シンプル is ベスト


五芒星の魔女レナはあらゆるカードをサーチできます。
本体は2コストと重いですが、例えば初期手札4枚のうち1枚でも防御札を引いていれば、それに加えて隙を埋められる防御札を確実にサーチし、2妨害を構えることが可能です。
しかも、何でもサーチできるがゆえにサーチ先を公開する必要がありません。
つまり、コントロールデッキの初手サーチとして防御能力は十分な能力を持っているといえます。

次点の課題として先手ハニーとデーモンガールです。
これに対応できるカードも新弾にはありました。
星の魔女の騎士です。

召喚権もいらない…

これがあれば、後手デーモンガールはレナを対象に取ることはできませんし、いきなりスフィアドラゴン等の全体除去を投げられてもレナを守ってくれます。
そしてレナは1枚だけなら好きなカードをサーチできるため、2枚しか採用できなくてもその再現性はかなり高いものになります。

先手ハニーはレナのサーチ効果を使うと間に合わないため初手で引いている必要があります。
しかし、ハニーは後手ならどうにでもなるのでまずじゃんけんで5割勝てます。
そのうえハニーマジックを対策できるカードを引けていれば勝てるのだから、勝率は5割を超えるため、十分ということになります。
(ただし、より万全を期するためサイドチェンジプランを検討しておくことは有用だと思います)
これだけでも既存のコントロールデッキの問題を解決しており十分なのですが、さらにアスリート・フリーディアになれることでレナ+騎士から連続攻撃を行うこともできると、まさに革命的カードでした。

防御面は十分すぎるほど堅牢ということがわかりましたが、コントロールデッキの要件にある先手2tの盤面除去はどうでしょうか。
レナは2コストのカードです。
サーチがあるとはいえ最初のターンは手札が2枚、妨害を吐き切ってしまうことも十分あるでしょう。
通常ドロー+1サーチで盤面を解決することはどれだけできるでしょうか。
かいじゅうフリーディアの存在はそんな疑問を持つ余地すら与えません。


名称指定制限ないということは、つまりそういうことだ
ドラゴンギガフレイム撃てて弱いわけがない
デッキ融合、つまりレナ+Xで合成できるならこいつ1枚引けばいいだけ

レナのサーチ効果は任意効果です。
つまり、場に出しなおせばその都度使用することができます。
ということはどうなるか。

レナは手札0枚から虚空合成をサーチすることで、かいじゅうフリーディアになり自身に10点ダメージ、相手札に40点振り分けダメージを与えます。
そしてかいじゅうフリーディアは自壊するためレナが場に戻ります。
するとレナは任意効果が回復するため、場の虚空合成を回収しまたかいじゅうフリーディアになれます…

そう、デッキに龍族がある限り40点振り分けダメージを何度でも与え続けることができるわけです。
しかも除去が全部終わった後にはまた任意効果が回復しているため追加サーチできてしまいます
ということは虚空合成を素引きしたら手札1枚から全体除去しながら任意サーチが2回分使えてしまいます
これは除去対象が存在しない初手でも同様で、サーチ効果使用→素引きした虚空合成でかいじゅうフリーディア出して自壊→サーチ効果を使用で…と虚空合成1枚引いているだけで好きな初手2枚を持ってゲームをスタートできてしまいます。
なんじゃこりゃぁ……

しかも、レナであれば効果ダメージが効かない相手には別の除去手段も簡単に用意できてしまいます


太古からある最強解決札
なんと今回チアフリーディアというフィニッシャーの合成素材にもなれてしまう
かいじゅうフリーディアで10点のせるだけで回帰が撃てる
通常ドローで虚空合成かこいつを引けばいいだけ…
マリン・フリーディアさん、素材3枚いるってことは
3枚除去していいってことですよね?


どれも1枚採用しておけば、欲しいタイミングで持ってくるだけ。
例えエアフォートゴーレムとプロテクションオーラを構えられようがどうにでもなってしまうわけです。
圧倒的盤面解決能力と高水準の防御性能の両立。
ついでに禁止解除された竜の巫女とスフィアドラゴンも一緒に採用できるし、敵に打たれても大体対応できる。

これが王者のデッキでないはずがありません。

……というのが私の環境考察でした。
大会デッキ構築時点では一部なかった知見(鳥人間とか)もありますが、結果的にも概ね外れていなかったと思っています。


使用デッキ

現在は速攻デッキ側の研究が進んだためそれに対応するためにもう少し調整を加えてありますが、大枠は変わっていません。

当日の対戦結果

※公式の大会レポートもぜひご覧ください。
本節で掲載しているカード画像は、すべてスピリアマテリアル公式サイト様からの引用になります。ガイドライン

当日、友人から「僕もスピマテ興味あります」との連絡が来たので、少し早めに集まってルールレクチャーをしたり、初見の皆様とあいさつしたり雑談したりしてゆったりと始まりました。

自分が使うメインデッキはペンタグラムカウンターで決めていたのですが、ペンタグラムアルカナも誰も知らないだろうし普通に強そうだから使ってみたいなーと思っていたので、回し方も難しくないですし渡そうとしたら「自分でデッキ組みます」とのことでしょぼんとしたりしてました。
ていうか、その日始めたカードゲームでいきなりデッキ組んで予選突破して本戦も準決勝まで勝ち進んでるの普通にバケモンで笑います。

そしたらBCさんという手ぶら参加の方がいらっしゃったのでこれ幸いとばかりにペンタグラムアルカナを押し付けました。
これが波乱の始まりでした。

大会予選:だいこんミルフィ(ひろさん)

本節で掲載しているカード画像は、すべてスピリアマテリアル公式サイト様からの引用になります。ガイドライン

手札が1枚増える。
民衆族と龍族を持っている。
だから強い、以上。

予選はひろさんが使用するだいこんミルフィでした。
これは一本勝負で、本戦で使用するデッキでなくてもよいとのことだったのでコントロールデッキ例の「アルケミストカウンター」のほうを使用しました。
正直構築全部知ってるし、スピマテ始めた時に真っ先に研究してたデッキだったのでラッキーでした。

当然先手を取ってアルケミストの魔女を投げていくわけですが、手札に残った防御札がアルケミーサイクルとフレイムケイジ。

これは正直少し怖かったところで、既知のだいこんミルフィのレシピはドラゴンギガフレイムが1枚採用なのでアルケミーサイクルからアンチフレイムサーチで足りているんですが、もしドラゴンギガフレイムが増量されていたらアルケミストの魔女が落とされる可能性が高いです。
また、だいこんミルフィの初手はレディオブドラゴンなので攻撃してくることも10ダメージがささることもなく、フレイムケイジは実質死に札といえました。

しかし、どうやら大幅な構築変はなかったようでドラゴンギガフレイム1発をアンチフレイムで順当にかわし、返しのターンでレナ→虚空合成→かいじゅうフリーディアで盤面と手札を消し飛ばして大体勝ちでした。

丁寧に回せばフィニッシュに星の神レナを持ってこれたのに舞い上がってサーチをミスして魅せプ失敗したのが悔しみあります。

準決勝:ゆめにっき(スモモンガーさん)

本節で掲載しているカード画像は、すべてスピリアマテリアル公式サイト様からの引用になります。ガイドライン


一見デメリットしかないが、エフェクトの効果により毎ターン追加ドロー1枚と連続攻撃能力を持っている。
ドローエンジンでありフィニッシャーというかなりハイスペックなモンスター。

本戦1回戦はスピマテオンライン開発者のスモモンガーさんです。
いきなりのベテランかつ大会優勝経験もある方で、緊張しました。

とはいえ、ゆめにっきについてはすでに研究済みだったのでプレイ方針も明確でしたし、後手ワンキルするようなデッキでもなく初手要件が低いので構築段階では大幅に有利という認識でした。

こちらは先手レナ+星の魔女の騎士+プロテクションオーラを構えてターンを返しました。
後手側の初手は実は注目していたところで、ここで相手もレナやフリーディアを出してくるようならかいじゅうフリーディアを出しての鳥人間回帰コンボを警戒する必要があります。
この場合、後手1tで星の魔女の騎士を落とされた状態で後手2tを渡してしまうとレナを回帰され敗北する危険性が高くなります。
そうすると可能性として、後手1tにプロテクションオーラを温存するのではなく星の魔女の騎士を維持し、フリーディアORデーモンガール引きからのデーモンガール→チアフリーディアで防衛無視4回攻撃をプランとして視野に入れる必要があります。

実践は初手夢世界の少女かつ純ゆめにっきだったので、ゲームプランはスローテンポなものとなりました。
この展開では基本的にゆめにっき側はプロテクションオーラを解決する手段がないので、ゆっくりアドバンテージとって勝ちとなりました。
また、ゆめにっきはサイドチェンジできないテーマなので2戦目も同様の展開となりました。

デッキ相性の差が大きいマッチアップであり、運が良がよかったです。
他の参加デッキとしては、ひろさんの25枚ハニーは当然先手を取られると厳しいマッチアップになりますし(一緒に研究してたのでペンタグラムカウンターも対策されていた)、わこさんの青赤魔法使いは除去が多いのでプロテクションオーラ+防衛を初手に要求されるということで事故の危険性がありました。
なくらさんの現場猫にいたっては研究対象外でなにされるかわからないという状況だったので、一番有利なマッチアップだったと思います。
またシードブロックを頂けていたのも大きく、コントロールはプレイミスしやすいデッキなので対戦回数が3回で済んだのは体力的にも助かりました。

観戦:ペンタグラムアルカナの蹂躙

本節で掲載しているカード画像は、すべてスピリアマテリアル公式サイト様からの引用になります。ガイドライン

ドローフェイズ前にという記述がすごく重要。

大会中僕のペンタグラムカウンターよりあっきらかに注目を集めていたのが僕が自分で作り託したデッキ、ペンタグラムアルカナでした。

そもそもこの大会が始まるまでほとんどの参加者はアルカナでデッキが組めることすらしらなかったわけですし、ダイス振るしかやることがないアルカナが強いわけもないので完全にノーマーク。
デュエルキングダムでクリボーを見たペガサスのような気持だったでしょう。

しかし、一度ゲームが始まればいやでもアルカナの持つ暴力がどれほどのものかを実感します。
最低デッキ枚数のせいで後手ワンキルも出しにくく、1発目のダイスで2345が出ればそれだけでほぼゲームエンド。
時間をかければ試行回数が増えるからそれもアルカナ有利だが、相手は毎ターンでかいモンスターが増えながらプロテクションオーラを構え続ける状況。
効果破壊が無理ならとレナを殴り殺そうにも大量の肉壁が前衛に立ちはだかる。
LP80だの110だのあるトークンをプロテクションオーラ込みで突破するのがどれだけ難易度が高いことか。
対戦者はみな攻めあぐねている間にダイスが事故って即死するか、強い目がでるまで遅延されるかの2択を押し付けられるわけです。

ひろさんの先手ハニー、わこさんの青赤魔法使いとの戦いはどれも見ごたえあるロングゲームでしたが、ターンを重ねるごとに観戦者も何も言えなくなっていきます。
「どうやったら勝てるのかわからない」「アルカナなんて運ゲーデッキに優勝持っていかれるのか」
そんな思考がめぐらされていたのではないかなと想像します。

そんな中、わこさんの青赤魔法使いがアルカナから一勝をもぎ取ります。
アルカナ側の盤面がすべて埋まるまで耐久し、プロテクションオーラを打てない状況を作ってからのリヴァイアサン全体除去。
針の穴を通すダイス運と度胸がもぎ取った勝利でした。
おもわず観戦者からも拍手が出たほどです。
さながら魔王に初めて傷をつけた勇者の一撃といったところでしょうか。
最終戦はアルカナの勝利となりましたが、多くのプレイヤーが勇気をもらったと思います。

ところで、私はどうしていたかというとマジで焦っていました。
いや普通に運ゲーだからどっかでまけるっしょと楽観的に見ていて全く対策などしていなかったのです。
観戦しながらひたすら自分のデッキが何をそろえれば後手2tで決着をつけられるのかを考え続けていました。
こんなもん貸す前に考えておけと非常に後悔したのを覚えています。

決勝1戦目:ペンタグラムアルカナ(BCさん)

本節で掲載しているカード画像は、すべてスピリアマテリアル公式サイト様からの引用になります。ガイドライン

決勝に上がってきたのはまさかの自分で作り上げたデッキでした。
うぎゃあ。

さて、1戦目です。
今回の初手はプロテクションオーラが混ざっていたため、レナ+星の魔女の騎士+プロテクションオーラを構えることができました。
これは、ペンタグラムアルカナに対抗する理想形といえます。

2345,12効果つよすぎやろ。


まずダイス2345と12が最も警戒すべき数字です。
2,3はスフィアドラゴン(最悪手乗りスフィアドラゴンでもデーモンガールでも厳しい)が飛んできますし、4,5,12はレナを処理されたらゲームになりません。
なのでその両方を1枚で受けれる星の魔女の騎士はまさに必須の1枚です。
それに加え2-3体での攻撃を受けなければなりませんからプロテクションオーラやフレイムケイジといったバトルフェイズスキップも併せて持っておきたい札です。
逆に、ペンタグラムアルカナがプロテクションオーラを握っている場合に抵抗力を失うミラージュクロスなどは死札といえるでしょう。

そこで考えてみると、構築上ペンタグラムカウンターは1枚は好きなものをサーチできるので、プロテクションオーラ、フレイムケイジ、祈りの結界、星の魔女の騎士、戦乙女の復活から1枚さえ引いていれば問題ないといえます。
つまり8割程度はレナの生存要件は満たせます。

しかし、次のターン盤面を除去する前提でいうと、スフィアドラゴンを投げられるかどうかは引き次第です。
引きに関係ない除去は虚空合成連打からの40点振り分け3回。
アルカナのダイスが後半や23に振れればそもそも120点では処理に足りませんし、プロテクションオーラを持たれていたら殴って除去するしかありません。
トークンは魔法少女族で属性も闇ですから五芒星合成もききません。
処理が遅れれば試行回数が増え、負ける確率が上がります。

つまり、後手1tを生き残ることはできるが先手2tの通常ドロー+サーチで盤面を解決できるかどうかというところが焦点となるマッチアップであるといえるのです。

相手方はしっかりフレイムケイジ+プロテクションオーラを引いていました。

最強の防御札。
奪取と回帰に聞かないとはいえ、手札破壊までカバーしてるの広すぎて笑う。
しかもバトルフェイズスキップもついてる。
モンスターだったら神族ついてた。


効果破壊でプロテクションオーラを切らせる前提ということは、こちらが用意しなければいけないのは連続攻撃になります。
連続攻撃ということは、チアフリーディアかアスリート・フリーディアへのアクセスということになります。
アスリート・フリーディアを出すということは地属性が必要であり、それはつまり星の魔女の騎士です。
チアフリーディアで連続攻撃するということはアタッカーが必要ということであり、それはつまり星の魔女の騎士とレナです。

3回攻撃、シンプル
バトルフリーディアより攻撃力が低いが出しやすさが違いますよ
合成対象以外に2体以上モンスターがいたらめちゃつよい
アスリート・フリーディアと違って防衛もケアできたりするし、しかも永続強化なのよね

つまり、2345,12から守るための星の魔女の騎士を守り切れなければ結局盤面を返すことは難しいということになります。
さらに言えば、連続攻撃ができたとしても打点の最大はAP80ですから、9以上の出目が出ればプロテクションオーラと併せて前衛に3回止められてしまいます。

結局2345,9,10,11,12出されたらダメなのかよ!!
いやなんなら6も1を一緒に出すからダメじゃん!?
きつすぎるぞペンタグラムアルカナ!!!!

というところでアルカナ側の初動はレナ+プロテクションオーラ+アルカナ11
LP110は硬すぎるってぇ!!!

とりあえずプロテクションオーラで星の魔女の騎士を守り2ターン目。
ここで目指すべきは勝ち切るとは言わないまでもレナを突破すること。
しかし虚空合成からプロテクションオーラを吐かせてから五芒星合成をサーチしたとしてアスリート・フリーディアはAP80の3回攻撃…..プロテクションオーラの肉壁+LP110でレナまで突破できない…..(泣
そして引いたのは……

訓練生のくせにマジで強い。
たとえバトルフリーディアだろうが、戦神フィリアだろうが
不屈の訓練生を突破することはできない。
(戦乙女の復活を2回サーチするので1枚で7回攻撃まで止めてきやがるばけもん)

訓練生ちゃん!!!!!!まじつよーい!!!!!!
五芒星合成サーチからアスリート・フリーディア+訓練生でジャスト4回攻撃でプロテクションオーラ貫通してレナまでを撃破。
たとえ23でスフィアドラゴンぶつけられても、レナは1回耐性あるし戦乙女の復活+訓練生で攻撃は届かない。
勝った!!!(12から目をそらしながら)

というところで相手のダイスも1でなんとか一戦目を拾いました。
マジで運が良かった。マジでマジで運が良かった。
プロテクションオーラ+騎士はすごいありがたいし、トップ訓練生はしびれました。

しかしあくまでこれは上振れといえる勝利です。
まだこの薄氷を踏む戦いを最大2回残しています。

決勝決着まで:ペンタグラムアルカナ(BCさん)

本節で掲載しているカード画像は、すべてスピリアマテリアル公式サイト様からの引用になります。ガイドライン

そして2戦目…
レナ+星の魔女の騎士+プロテクションオーラ!!
全く同じ引きを見せました!

そして相手方もレナ+プロテクションオーラ+アルカナ90!!
90!!!!アスリート・フリーディアをきっちり超えてきやがる!!!

そして2ターン目、痛恨の無駄引き!!!!(泣
(たしかエアフォートゴーレムだったかな…?ピン積みが手に吸い付いてきやがる)

どうあがいてもプロテクションオーラを突破できない状況で、とりあえず手札を2枚にさせないために虚空合成からプロテクションオーラを吐かせ、LP90アルカナに攻撃で40点ダメージを与えてこのターンは終わる……
そのうえで1回分残ったサーチ権。
これを何に使うか、それが問題だ。

先ほどのわこさんが見せてくれた勇者の一撃、プロテクションオーラをサーチして相手の盤面が埋まりきるまで耐久するというプランは当然ありうる。

こちらの前衛は虚空合成、星の魔女の騎士、プロテクションオーラで埋まっているし耐久は十分可能な盤面。
相手もダイス目によっては4回攻撃、墓地にある法術師の少女を回収すれば最大5回攻撃までありうるからダイス目がバニラだとしても前衛3枚は突破される可能性がある。
ということは攻撃札をサーチするのはリスキーではある。

23からスフィアドラゴンで盤面除去されてレナ孤立した後に4回攻撃+プロテクションオーラ構えをバトルフェイズスキップで止められるようにプロテクションオーラをサーチするのが比較的安パイなのは間違いない状況。

ただし、そこから逆転できるかは手札1枚が死札な以上賭けになる。
少なくとも虚空合成では盤面は解決できないし、45対策に星の魔女の騎士をサーチしたいがそれでは通常攻撃が止まらない
相手がプロテクションオーラではなく法術師の少女でLP90のアルカナをケアしたらそれこそアスリート・フリーディアも間に合わない。

なにより、アルカナに試行回数を稼がせ、こちらの手札が増えない状況を維持されたら勝てない。
もし相手がプロテクションオーラではなく法術師の少女を引いた場合、2345で星の魔女の騎士を除去されていたらプロテクションオーラで耐えてレナを残したとして、墓地にはすでに龍族が1枚あるから虚空合成ループは合計80点振り分け。
レナは40点で落とせてもほかのアルカナを処理できない可能性が高い。

どうせジリ貧、どうせ次の僕のターンにトップ勝負をすることになる。

と、相手が考えたとしたらどうだろうか。

僕のデッキの防御札でみえているものは戦乙女の復活やせいぜいがフレイムケイジ。
なのであれば、アルカナ側はプロテクションオーラを握って殴りに行く価値はそこまで高くない。
僕が次のターンも虚空合成でプロテクションオーラを吐かせることしかできないのなら、アスリート・フリーディアで越えがたい高LPアルカナを並べられるなら法術師の少女を出してLP90アルカナを回復しつつ殴るということに妥当性はある。

と、相手が考えたとしたらどうだろうか。

もし僕が前衛3枚の壁で3回攻撃を耐える前提で次のターンのビッグアクション用の攻撃札をサーチしていたとしたら、4回攻撃を行うことでレナを突破できる可能性がある。
むしろこのターンにレナを突破しないと1戦目のような筋が発生してしまう危険性すらある。
少なくとも場にあるプロテクションオーラは回収していない。
プロテクションオーラをサーチしていない可能性がありうる。

と、相手が考えたとしたらどうだろうか。

あるんじゃないのか、相手視点でプロテクションオーラではなく法術師の少女を蘇生する妥当性が。
あるんじゃないのか、プロテクションオーラを握らずに殴ってくる状況が。

そうだとしたら、次のトップを見る必要もない。
勝負のタイミングをランダムなデッキトップではなく、任意にサーチできる今この瞬間にずらすことができる。
僕だけがそれを認知している。
僕だけが、それを可能にする札がデッキに1枚だけあることを知っている。

そう、僕がいまここでサーチするのは……!

全体200点カウンター
全てを一撃でひっくりかえせる可能性を秘めた1枚
この瞬間のために、そして相手視点こいつの危険性を最後まで排除できないように
1枚だけは最後までデッキに残していたお守り

……とまぁかっこつけたんですけど、実際のところは1戦目とれていたので多少リスキーでも勝負を決めにいく選択肢がとりやすかったというのが大きいです。

今回ペンタグラムアルカナ側は当日初めて組んだデッキでロングゲームにつぐロングゲームを超えて決勝に上がっているというところもありアグレッシブな選択肢をとる可能性が比較的高い状況にあったんじゃないかなーとか、大会中法術師の少女をほとんど使っていなかったから使ってみたかったんじゃないかなーとか、人読みみたいなものが含まれていたのもあります。

1戦目を取れた場合、安定行動を積み上げて楽に戦うのもアリだと思うんですが、2戦目にしてエアフォートゴーレムをトップしてきた時点で今日のラッキーは尽きていた気がするので、トップゲーより自分の選択に勝負を預けたかったみたいなアレもあったり……いろんなものが重なっての選択だったと思います。

結果的にこれが功を奏して、バニラダイス+法術師蘇生からの連続攻撃に対してミラージュクロスを当てて勝ちとなりました。
死札だったエアフォートゴーレムも、通常ドローで手札が2枚になったことでレナからスフィアドラゴンをサーチしてジャスト100点でライフを削りきるという形で貢献してくれました。

この最終戦は本当に出し切った気がして、ヘロヘロでしばらくフリプに混ざれませんでした。
自分で自分の首を絞めた感が半端ない。

結果的に全戦全勝で1本も落とすことなく大会を終えることができましたが、どれも結果ほど余裕のある戦いではなかったと思います。
ですが、それがおかげで非常に面白い日になりました。

全ての参加者の皆さんに感謝を伝えたいと思います。
ありがとうございました!!

余談

この大会の後、開発者のひろさんから速攻デッキ例にあげている水の神ルーネ速攻のレシピが贈られてきて、大会構築との勝率を計算してみたらかなり互角の結果になっていて驚きました。
流石開発者だな、素直にすげーと思いました。

なのでそれを見て、現在の構築にはペンタグラムアルカナにサイドチェンジできるように構成を変えました。
ついでにミラー対策で回帰除去の鳥人間とブレイズドラゴンもいれました。
虚空合成が素引きできると実質好きなカード2枚に変換できるので、初手防御札を引く確率に数えられるので防御魔法を少し減らしました。
今のほうがもう少しだけ強いと思います。

他のプレイヤーがアルカナをどう突破してくるのか、コントロールはレナ一強になってしまうのか、それとも速攻デッキがそれを貫くくらい強くなってしまうのか、まだ現環境に金脈はあるのか……そして次の環境がどうなるのか。

楽しみです。

執筆時点でのペンタグラムカウンターの構築

ドラゴンが増えてきたのでペンタグラムドラゴンを名乗ってもいいのかもしれない。
虚空合成ってカードがあまりにも強すぎる問題。
事故率も下がるし、あらゆるコンボに振り分け除去はさめるし、素引きしたら2枚サーチだし。
なにこれ?

5/3追記 お祝いイラスト頂きました!

カードヒーローという別TCG仲間の横井ビト子さんからお祝いイラストを頂きました!(見出し画像のやつ)
ありがとうございます!!!
レトロゲー好きの方はぜひYoutubeもご覧ください… 横井ビト子 - YouTube


おまけ(300円):ファイナルデストラクションデッキ

ここから先は何の関係もないおまけです。

最新弾に収録されている「ファイナルデストラクション」というカードがいわゆるロマンカードで、これを使えるデッキを組みたいと思う人がいるかなーと思いまして、ちゃんと強く現実的な範疇で組んでみました。
メイン戦なら大会デッキと同レベルのめちゃ強コントロールで、しかもファイナルデストラクションを打てるデッキです。
(過度な期待はしないでください)

ここまで2万文字も書いたので、せっかくだからちょろっと有料枠も入れてみたーいと思っただけで、デッキ内容自体はお金払うほどのものでもないと思います。
とはいえ、デッキの回し方はかなり手厚く解説していこうかなと思うので、こちらは割と満足いただけるんじゃないかなーとおもっていたり。

実際どう組むのが良いか気になる方や、記事面白かったーという方がいればカンパ気分であけていただければと思います。

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