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母乳や母乳中細胞外小胞にmRNAワクチンが微量に検出された JAMA Pediatr.

今日は2023年1月17日です。ここでは、正反対に感じられる2つの論文を紹介します

母乳からの抗スパイク蛋白抗体が赤ちゃんの腸に存在する J Pediatol

mRNAワクチンは、思っても見ないような副反応が出るので、接種を推奨していません。しかし、ワクチン接種で悪いことばかり起こる、わけじゃない。赤ちゃんのためにmRNAワクチン接種した勇気ある母親に、良いことがありました、というお知らせです

どういう研究か?

フロリダ大学からの、タイトル Detection of SARS-CoV-2 IgA and IgG in human milk and breastfeeding infant stool 6 months after maternal COVID-19 vaccination が2023年1月12日にJournal of Perinatologyに掲載されました
ワクチン接種を受けた人の母乳を飲んでいる乳児の便を調べました

結果は?

図1:母親のCOVID-19接種後6カ月までの乳児便中のSARS-CoV-2特異抗体 および中和能(IC50)
IC50:IC50が低いほど中和能力が強い。濃度(unit/mL)はlog10で記載。抗体濃度比較、IC50統計計算ともにMann-Whitney unpaired, nonparametric testで測定;図は幾何平均と幾何SDで表示

その結果、mRNAワクチンを接種した人の母乳を飲んでいる赤ちゃんの腸には、スパイク蛋白に対するIgA抗体とIgG抗体がありました。グラフの点は1人の値に相当します。抗体のない赤ちゃんもいるようですが、全体として抗スパイクIgA抗体と抗スパイクIgG抗体価が有意に上昇しました
IC50で表される右端のグラフは、母乳育児児の便が母体ワクチン接種前と接種後の両方で偽ウイルス活性をin vitroで中和できたことを示す画期的な結果です。ウイルス中和能は半値阻害濃度(IC50)により測定され,IC50が低いほど中和能が強いことを意味します。母体ワクチン接種後はさらに中和能が増強されました


母乳や母乳中細胞外小胞にmRNAワクチンが微量に検出された JAMA Pediatr.

こんにちは。コロナmRNAワクチン接種した人の母乳にワクチンの成分はでてしまうのか?の新しい調査結果が出ました

結論は、ワクチン接種してすぐはmRNAワクチンそのものが母乳へ少量出ることが証明されました

なぜ今頃になって報告が上がってきたのか?

一つは、最初のメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの臨床試験では、幼児や授乳中の人など、いくつかの脆弱なグループが除外されたからです
もう一つは、この研究の方法が丁寧であるからです

研究方法

このコホート研究では、出産後6ヶ月以内にモデルナ社のコロナワクチン mRNA-1273(5人)またはファイザー社のコロナワクチンBNT162b2(6人)を接種した健康な授乳中の11人の母親が参加しました(表1)

参加者は、検査室に搬送されるまでの間、自宅で全乳サンプルを採取し、直ちに凍結するよう求められた

全乳のサンプルは、ワクチン接種前(対照)とワクチン接種後5日間採取された

ワクチン投与1時間後から5日後まで、合計131個の全乳試料を採取した

細胞外小胞(EV)は、順次遠心分離を使用して全乳から分離し、EV濃度をZetaView(Analytik)により決定した

異なるミルク画分(全乳,脂肪,細胞,上清EV)におけるCOVID-19ワクチンmRNAの存在を,2段階定量逆転写酵素-ポリメラーゼ連鎖反応を用いてアッセイした.ワクチンの検出限界は、全乳の1 pg/mLであった

結果

登録された11人の授乳中の人のうち、5人の異なる参加者の7つのサンプルで、ワクチン接種後45時間までの様々な時間に、微量のファイザーBNT162b2とモデルナmRNA-1273 COVID-19 mRNAワクチンが検出された(表2)

全乳から分離した細胞外小胞 (EV) の平均(SD)収量は9.110(5.010)粒子/mLで、平均(SD)粒子径は110.0(3.0)nmであった。ワクチンのmRNAは、全乳よりも 細胞外小胞 (EV) に高濃度で出現していた(表2)

ワクチン接種前および接種後の全乳サンプルでは、採取後48時間を超えても、ワクチンmRNAは検出されなかった。また,全乳脂肪画分や全乳細胞ペレットには,COVID-19ワクチンのmRNAは検出されなかった

考察 (論文のまま)

全乳で検出されたCOVID-19ワクチンmRNAの散発的な存在と微量な量は,COVID-19 mRNAワクチン接種後の授乳が,特に接種後48時間を超えても安全であることを示唆している.これらのデータは、乳腺細胞へのCOVID-19ワクチンmRNAの生体内分布、および遠隔の細胞に輸送することができるワクチンmRNAをパッケージ化する組織EVの潜在的能力を、我々の知る限り初めて実証するものである。COVID-19 mRNAワクチン接種後のヒト組織における脂質ナノ粒子の生体内分布および局在化については,ほとんど報告されていない.ラットでは,筋肉内投与後 3 日まで,心臓,肺,精巣および脳組織で低いワクチン mRNA レベルが検出され,組織の生体内分布が示された.さらに、乳腺細胞の細胞質に放出されたワクチンmRNAは、発達中の細胞外小胞 (EV) に取り込まれ、後に全乳に分泌されると推測している

この論文から考えられること 1__結果をまとめる

11人の母のうち、6番、8番、10番からの全乳サンプルにワクチンのmRNAが検出されました。
6番は白人、6週後にモデルナ接種し、27時間後 & 42時間後のサンプル
8番は白人、4週後にファイザー接種し、1時間後 & 3時間後のサンプル
10番は白人、7週後にファイザー接種し、45時間後のサンプル

11人の母のうち、4番、7番からの全乳サンプルにはワクチンのmRNAが検出されなかったが、全乳の細胞外小胞 (EV) にワクチンのmRNAが検出されました
4番はアジア系、18週後にファイザー接種し、27時間後のサンプル
7番は白人、24週後にファイザー接種し、 37時間後のサンプル

全乳で検出されなかったサンプルの場合は、母親の出産からワクチン接種までの期間が長いが、調査した人数が少なすぎるため、傾向とは言えない

この論文から考えられること 2__結果から考えられること


調べた限りの最長で45時間後に全乳と全乳の細胞外小胞 (EV) にワクチンのmRNAが検出されました。非常に微量であるため、論文の著者は問題がないであろうと予測している
一般的に、出産後にワクチンを接種し授乳した場合は問題があるという報告は出なかった。と対応する。その後に何かある万が一の場合に備えて論文の表を真似して文書に記録しておく

これから、出産後にワクチンを接種する場合は、45時間は非常に微量でもmRNAワクチンが検出されたので、45時間は授乳しない。論文で検出された量はとても微量です。さらに、この検出されたmRNAワクチンに、スパイク蛋白を合成する能力が残っているかどうか不明です。ですから、この論文は危険だと述べてる訳ではありません

しかし、血縁でmRNAワクチン接種により、強すぎる副反応のでた人がいる場合は赤ちゃんに授乳しない

特殊な場合です。血縁で新型コロナウイルスに感染して高齢や肥満ではないのに重症化した人がいる場合は、正解が不明ですが、授乳中にワクチンで母の体でできた新型コロナウイルスに対する抗体ができていて、母乳から赤ちゃんへ移行します。そして今までの変異株の範囲ですが、赤ちゃんが感染した場合に重症化阻止に働きます

もっと良い解決策を見つけたら、記事にします

全文邦訳はこちら


下記を検討する前の自分の意見。
PEGはCOVID-19ワクチンにも含まれているが、注射後の体内で増殖する訳ではない。PEGは環境毒として包括的検討の対象と考える

https://twitter.com/SaiKate108/status/1652169506897403904




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