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AIの可能性と限界に思うこと

こんにちは、Dr.K(ドクターコージ)です。
AI業界は日々進歩しつつあり、とても興味深いです。今回は医学や健康、病気予防とは無関係ですが、AIの可能性と限界について、アマチュアAI学習者として書いてみます。

プロンプト(AIに意図する出力を精度高くしてもらう為の入力)を日々研究している人達の情報を多々見ていると、個人的には違和感を感じると言うか、まだまだ発展途上なのだな、と感じてます。

「ノーコード」であるとか、「人間がPCに寄り添う必要が無くなる」とか言われるAIですが、より精度を上げる為には、自然言語としては不自然なプログラミング言語的な記載法を理解して使いこなしたり、特定のお作法を理解しそれに沿って書くことが必要、と言うことがほとんどです。

でもそれって結局のところ、AIに人間が寄り添って、簡易的ではあってもコーディングの様な特殊な書き方を使いこなせる人の為の物になってませんか?と思うんですよね。だからこそ、プロンプトエンジニアと言う職業が大切になってくる訳ですが。

究極的には、どんな形で入力をしたとしても、対話を重ねていく事で自然と人間の意図する出力に自然と修正されていく、と言うのが理想なのでしょうが、やり取りする情報量に合わせて消費されるトークンと言う概念があり、消費トークン量を節約する為には、まだまだAIに寄り添う必要がある、と言うことなんですよね。

とは言え、コレまでコンピューターにやりたい事をさせる為には、特定のプログラミング言語を学び厳格な文法に従って記述をする必要があったことと比べれば、かなり楽になっていることは間違いありませんが、やはり使う人を選ぶ気がします。

そしてAIの活用事例の多くは、データベースと事前に設定されたアルゴリズムによる自動応答機能がほとんどであり、AIと言うよりは自動応答プログラム、いわゆるbot chatでしか無い様に感じます。chat GPTのAPIを使っていたとしても、機能的に残念ながらそうなってる物も多いです。もちろんそれは有用なんですが、生成AIを使わなくても出来ますよね?と言うことが多いと言うことです。

とりあえず電子的な自動化プログラムを、何でもかんでも「AI」と称する風潮は少し気になります。ですから皆さんも「AI」と言う表記を見たら、従来型の自動化プログラムと何が違うのか?或いは違わない物を単に呼称してるだけなのか?と言うところを確認する様にすると、「なんちゃってAI」に騙されないで済む様に思います。

現状のAIは、汎用性は高いですが、利用想定内容毎に特殊なプロンプト技術を組み込んで回答の方向を規定してあげる、と言うことをしないと回答内容がかなりブレてしまうので、個々の分野で最適な回答を出力する為には、その目的に合わせた最適化が必要になる、と言う矛盾があります。

裏で動いているAIプログラム自体が同一であれば「汎用」と言えるのかも知れませんが、最適化された個々のサービスは「専門特化型」でしかありません。現状の技術ではそうするしか無いのでしょう。

でもそれって、専門特化型のアプリが汎用OSの上で動いている、現状のパソコンやスマホと変わりないですよね。と言うか、汎用性の高い生成AIはOS、やりたい事をさせるのにプロンプトを工夫したそれぞれに対応したアプリが必要、と言うイメージが、多くの人に理解しやすいのかも、と思います。

そして最近インターネット検索でAIが複数のサイトの内容をまとめて要約してくれることもあるのですが、内容的に変になっていることがあったりしますので、本当に正しいのかどうかを参照元サイトで確認をしておく必要がある、と言うところも現状のAIの限界のひとつです。

専門的にはハルシネーション(幻覚)と呼ばれますが、生成の際にあり得ないことをまるで真実であるかの様に自然な文章で出力してしまうことで、現状ではゼロにすることが出来ません。ですから読む人に、正誤を判断する知識と能力が求められる訳です。常に「嘘かも知れない」と思って情報を分析評価する必要があると言うことですね。

専門家が科学論文を読む時には、懐疑的な姿勢で読むことを叩き込まれるので、大学や大学院を出た理系の人達にとっては違和感なく出来ることとは思いますが、そうでは無い人達にとっては、読みやすい自然な文章に、出鱈目な嘘が混ざっていても気がつきにくいと思います。

より自然に感じる画像、音声、動画の生成も可能になって来ていますが、よく確認すると物理的矛盾や違和感のある生成物が多いのと同じことですね。

そう言う意味では、才能のある人間が創造する作品を超える様な物をAIが安定して生み出す様な時代は、まだまだ先なんだと感じます。

今回の内容は、ひとりのアマチュア学習者の独り言に過ぎませんので、チューニングしなくても全分野に完全対応可能な汎用AIや、ハルシネーションゼロのAIが、既に実現していると言う専門家の反論もあるかも知れません。ぜひその様なことがあれば、或いは補足コメントなどあれば、お手柔らかにご指導頂けると幸いです。

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