Dr_George_Sensei

一介の大学教員。

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一介の大学教員。

記事一覧

新入生を分かつもの

新学期が始まり、早1ヶ月が経過しました。 ばたばたしていたキャンパスもようやく落ち着きを取り戻し、平常運転になりつつあります。GW以降は、例年のようにキャンパスに来…

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「大学生のうちに~すべき」という呪縛から脱却しよう

大学教員という仕事柄、学生から「大学生のうちにすべきことは何ですか?」という質問をよく受けます。時期が時期だけに、これから入学を控えている新入生の皆さんも、この…

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2か月前
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1/2の大学生

間もなく、2020年度に入学した大学生が卒業する。(留年とか休学してなければ)。 いつもこの時期は教員として感慨深いのだが、今年は特別な思いがある。なぜかというとこ…

Dr_George_Sensei
2か月前
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聞くのが「しんどい」授業

先日、ゼミが少し早く終わった後、学生が次の授業の教室になかなか行こうとしないので、「どうしたの?」と尋ねると、「次の授業がしんどい」とのこと。 少し時間があった…

Dr_George_Sensei
3か月前
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自分に合う仕事の見つけ方

質問箱やMondにそれなりの量の質問をいただくようになりましたが、学生からの質問でダントツで多いのがこの類の質問です。 私はキャリアコンサルタントでもないですし、一…

Dr_George_Sensei
5か月前
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ゼミ選考、雑感ー「○○に興味がある」って本当?

今年もゼミ選考の季節がやってまいりました。 大学によって、何年生からゼミが始まるかは違いますし、選考の方法も異なるでしょうから、一般的なことは言えませんが、私の…

Dr_George_Sensei
6か月前
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本を読めという時の本の種類について

わたしは仕事柄、本を読むことを勧めています。 そうすると、必ずいただく質問が以下の画像のような質問です。 この質問にお答えする前に、私がなぜ読書を勧めるか、その…

Dr_George_Sensei
7か月前
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大学(新入)生が読むべき本(リストあり)

前回の更新からだいぶ時間が経ってしまいました。 皆さんは意外に思われるかもしれませんが、大学教員の夏休みは、採点、執筆、研究費獲得のための申請書の作成、卒論を含…

Dr_George_Sensei
8か月前
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大学の授業が「つまらない」理由

学生のみなさんから「質問箱」でいただく質問の中には、少なくない割合で、大学の授業に対する「つまらなさ」に関するものが含まれています(下記はその例) 大学の授業が…

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学んだことをアウトプットする機会を如何につくるか

この間、更新がだいぶ途絶えてしまいました。4月は大学教員にとって繁忙期の一つで、目の前の仕事(オリエンテーションやら授業準備やら)に追われてしまっていました。GW…

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大学院に行くか迷っています。

職業柄、画像のような質問(大学院に行くか迷っている)をよく受けます。 そのたびにどう回答してよいかわからず、結果的にスルーしてしまっています。(ごめなさい) な…

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「ぼっち」のススメ

先日、こんなツイートをしたら結構な反応がありました。誤解をされているむきもあるので、補足的に何が言いたかったのか書いておきたいと思います。 入試期間も終わり、4…

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本。借りるべきか買うべきか、それが問題だ

皆さんは本を読むとき、借りて読むでしょうか?それとも買って読むでしょうか? 私が関わってる大学生の範囲で言えば、定期的に本を「買って」読んでいる人は稀です。その…

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授業評価アンケート雑感

いつのころからか、大学では「授業評価アンケート」を学生に答えてもらうようになりました。この授業の良かった点、悪かった点を学生が評価するわけですね。 大学が学生を…

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大学選びで重視したほうがよいこと

2022年時点で大学は800弱あるようです。この中から何を重視して選ぶのか。たしかに難しい問題ですね。 一般的に大学を選ぶときの基準を箇条書きにすると 知名度 偏差値 …

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「ガクチカ」をめぐって

学生時代に力を入れたことを「ガクチカ」と呼ぶようになったのはいつの頃からでしょうか? もちろん、面接においてこの質問自体は昔からされてきたわけですが、「ガクチカ…

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新入生を分かつもの

新入生を分かつもの

新学期が始まり、早1ヶ月が経過しました。
ばたばたしていたキャンパスもようやく落ち着きを取り戻し、平常運転になりつつあります。GW以降は、例年のようにキャンパスに来る人が漸減して、学食も込み合わなくなるのでしょう。

さて、キャンパスライフに期待に胸を膨らませて、目をキラキラさせていた新入生も、この時期からその輝きが持続する学生と、そうでない学生に分かれていくような気がします。これを分けるものとは

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「大学生のうちに~すべき」という呪縛から脱却しよう

「大学生のうちに~すべき」という呪縛から脱却しよう

大学教員という仕事柄、学生から「大学生のうちにすべきことは何ですか?」という質問をよく受けます。時期が時期だけに、これから入学を控えている新入生の皆さんも、この問いが少なからず頭にあるかもしれません。

でも、この質問を受けるたびに若干の違和感を覚えます。その理由は、その回答が、今の回答者の立場から遡及して「あれをしてよかった」(あるいは「あれをすべきだった」)というポジショントークにならざるを得

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1/2の大学生

1/2の大学生

間もなく、2020年度に入学した大学生が卒業する。(留年とか休学してなければ)。

いつもこの時期は教員として感慨深いのだが、今年は特別な思いがある。なぜかというとこの年度に入学した学生は実質1/2しか大学生活がなかったからだ。

そう、その原因はコロナである。この年度に入学した学生は、入学初っ端からオンライン授業が丸々2年間続いた。一緒に授業を受けているのが誰かもわからず、キャンパスにも行けてい

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聞くのが「しんどい」授業

聞くのが「しんどい」授業

先日、ゼミが少し早く終わった後、学生が次の授業の教室になかなか行こうとしないので、「どうしたの?」と尋ねると、「次の授業がしんどい」とのこと。

少し時間があったので、そもそも「しんどい授業ってどんな授業なの?」と聞いた結果をX(旧:Twitter)に書いたら、共感する部分が多かったのか、それなりの反応がありました。(下記画像)

リプライには上記の事柄に加えて、

配布した資料をそのまましゃべる

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自分に合う仕事の見つけ方

自分に合う仕事の見つけ方

質問箱やMondにそれなりの量の質問をいただくようになりましたが、学生からの質問でダントツで多いのがこの類の質問です。

私はキャリアコンサルタントでもないですし、一般的な就職活動すらしたことがないので、どうしてこういう質問をたくさん寄せてもらえるのかが良くわからないのが正直なところです。

でも多分、それだけ大学生に普遍的な悩みであること、また一般的に大学の教員は「趣味の延長線上で仕事をしている

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ゼミ選考、雑感ー「○○に興味がある」って本当?

ゼミ選考、雑感ー「○○に興味がある」って本当?

今年もゼミ選考の季節がやってまいりました。

大学によって、何年生からゼミが始まるかは違いますし、選考の方法も異なるでしょうから、一般的なことは言えませんが、私の経験から、ゼミ選考を通して考えたことを備忘録的に書いておきたいと思います。(Twitter【現X】にも同様の趣旨のことを書きましたが、その補足です)

そもそも、学生がゼミを選ぶ時の基準って何だろうと考えると、おおむね次のようなことだと思

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本を読めという時の本の種類について

本を読めという時の本の種類について

わたしは仕事柄、本を読むことを勧めています。

そうすると、必ずいただく質問が以下の画像のような質問です。

この質問にお答えする前に、私がなぜ読書を勧めるか、その理由は大きく分けて3つあります。①ものの見方や考え方が広がること、②語彙が増えること、③ストレス軽減になること、です。

①は説明するまでもありませんね。他者の異なるものの見方や考え方に触れることで、自身の視野が広がります。読書を通して

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大学(新入)生が読むべき本(リストあり)

大学(新入)生が読むべき本(リストあり)

前回の更新からだいぶ時間が経ってしまいました。

皆さんは意外に思われるかもしれませんが、大学教員の夏休みは、採点、執筆、研究費獲得のための申請書の作成、卒論を含む学生指導など、結構忙しいのです(もちろんかなり個人差はありますが)。
やっと一息ついたので、ずっと書き残しておきたかったことを書こうと思います。以前、このような記事を書いたのですが、その続きです。

わたしは学生と話す機会があると、今ど

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大学の授業が「つまらない」理由

大学の授業が「つまらない」理由

学生のみなさんから「質問箱」でいただく質問の中には、少なくない割合で、大学の授業に対する「つまらなさ」に関するものが含まれています(下記はその例)

大学の授業が「つまらない」理由の大半は、もちろん教員の側にあります。大学の教壇に立っている人の多くは、研究をしてきてその結果として、大学教員という職に就いた人であって、教師になるための特別なトレーニングを受けてきたわけではありません。だからほとんどす

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学んだことをアウトプットする機会を如何につくるか

学んだことをアウトプットする機会を如何につくるか

この間、更新がだいぶ途絶えてしまいました。4月は大学教員にとって繁忙期の一つで、目の前の仕事(オリエンテーションやら授業準備やら)に追われてしまっていました。GWになってやっと落ち着いていろいろと物事を考えることができるようになっています。
(昨今はGWでもお構いなしに授業がある大学も少なくないようですが)

さて、喜び勇んで大学に入学した新入生の皆さん、授業が始まって1ヶ月が経ちましたがいかがで

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大学院に行くか迷っています。

大学院に行くか迷っています。

職業柄、画像のような質問(大学院に行くか迷っている)をよく受けます。
そのたびにどう回答してよいかわからず、結果的にスルーしてしまっています。(ごめなさい)

なぜどう回答してよいかわからないかというと、進学の目的、学んでいる学問の分野、国立か私立か、国内か海外かなどの組み合わせによって回答内容が大きく変わるからです。つまり、質問にあるような内容では、情報量が少なすぎてどう回答したらよいのかわから

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「ぼっち」のススメ

「ぼっち」のススメ

先日、こんなツイートをしたら結構な反応がありました。誤解をされているむきもあるので、補足的に何が言いたかったのか書いておきたいと思います。

入試期間も終わり、4月からの大学に入る皆さんは、期待と不安が入り混じった気持ちでいることと思います。

期待の中身は人それぞれでしょうが、不安の中身は似通っていて、その大きなものの一つは、「知り合い(友達)ができるかな」でしょう。確かに付属校でもない限り、知

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本。借りるべきか買うべきか、それが問題だ

本。借りるべきか買うべきか、それが問題だ

皆さんは本を読むとき、借りて読むでしょうか?それとも買って読むでしょうか?

私が関わってる大学生の範囲で言えば、定期的に本を「買って」読んでいる人は稀です。その理由は2つあって、一つは単純に「高いから」。もう一つは「所有することの意味がわからないから」ではないかと思います。

本は高いか?

確かに本はいい値段がします。学術書や教科書なんかは3,000円を超えることがざらですから、学生が買うこと

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授業評価アンケート雑感

授業評価アンケート雑感

いつのころからか、大学では「授業評価アンケート」を学生に答えてもらうようになりました。この授業の良かった点、悪かった点を学生が評価するわけですね。

大学が学生を選ぶ時代はとうの昔に終わってしまい、今や学生が大学を選ぶ時代ですから、その意味でも顧客(学生)声を無視するわけにはいかないでしょうし、そうあるべきだと私も思います。(ちなみに私はぼろくそに書かれたことは、幸いにもありません)

とはいえ、

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大学選びで重視したほうがよいこと

大学選びで重視したほうがよいこと

2022年時点で大学は800弱あるようです。この中から何を重視して選ぶのか。たしかに難しい問題ですね。

一般的に大学を選ぶときの基準を箇条書きにすると

知名度

偏差値

学びたいことが学べる(学部がある)

就職率(先)

資格が取れる

などが考えられます。そのほかに、学費、通いやすさ(立地)、キャンパスの雰囲気などもあるでしょう。もう少し詳しい人ならば、外部資金の獲得状況とか、ST比(教

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「ガクチカ」をめぐって

学生時代に力を入れたことを「ガクチカ」と呼ぶようになったのはいつの頃からでしょうか?

もちろん、面接においてこの質問自体は昔からされてきたわけですが、「ガクチカ」という名前が与えられたことによって、学生がとりわけ意識するようになってきたように思います。

大学時代にすべきことはなんですか?という質問をよくされますが、その背景にもこの「ガクチカ」が少なからず意識されているように感じます。

ただ「

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