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新弾で強化された【P.U.N.K.×深淵の獣】解説

《1. はじめに》

こんにちは。どつです。
関東で遊戯王しています。かっこいいデッキが大好きです。
前回ドラゴンリンクにて初めてnoteの執筆を行わせて頂きました。
好評だったことに加えて、結果の割にシェア数が少ないデッキについては記事も少なく需要もあると思い、新弾発売前からCSにて結果を出している、
【みかん氏 @tomtom0226】との共同執筆にてこの度、解説記事を作成させて頂きました。
僕も1月15日の太陽CSにて優勝することができました。
いわゆる”環境TOP”ではないデッキがどのような考え方・プランを取り、デッキを構築し結果に結びつけられるかの事例の一つとして、糧にして頂ければ幸いです。

今回解説するデッキは新弾で強化された深淵の獣と相性の良いP.U.N.K.を組み合わせた俗に言う【P.U.N.K.ビーステッド】です。
一時期話題になった60枚構築ではなく40枚ベースで仕上げており展開の再現性と安定性をあげて構築しています。


2023年もティアラメンツの勢いが復活し環境TOPになっています。深淵の獣はそれに抗う事も出来るので環境的に非常にオススメなデッキです!

今回も大会で勝つことを目標にした構築・展開・プラン等をnoteで解説記事にまとめました。

本編では、【現カードプールのP.U.N.K.ビーステッド】自体の動きがよくわからない方へ向けた”基本的な動き・カードの役割”
新弾の影響でこれから組もうと考えている方へ向けた”【P.U.N.K.】と【深淵の獣】を組み合わせる事での”強み”。
大会で勝ちを目指すにあたってデッキの”展開方法・手札誘発のケア・各デッキ対面で気をつけるべき事”など実戦的なことについても多く解説していますので、様々な方が読んでも楽しめる内容になっていると思います。

基本的な記述の前半部分に関しては全て無料部分としていますので少しでも【P.U.N.K.ビーステッド】に興味を持たれている方は是非、読んで見て下さい。
後半部分は悩みましたが新規の展開プランや勝率に直結するサイドチェンジも含めているので有料とさせて頂きました。
家庭とデッキの好みが尖っている都合、定期的に執筆できないので思っていることを詰め込んだつもりです。

それではご覧下さい!

《2. P.U.N.K.部分の基本的な動き方》

基本的に【P.U.N.K.】はライフや手札コストと引き換えに妨害となる罠カードやドローソースとなる魔法カードをサーチしながら制圧力のある融合、シンクロモンスターを展開するテーマです。
今回は強力な効果を持ったキーカードであるシンクロモンスター【混沌魔龍カオス・ルーラー】を展開の基盤として使用するためにその一部のカードをレベル8シンクロモンスターを捻出する出張パーツとして使用します。

基本ムーブとして『No-P.U.N.K.セアミン』(緊急テレポート)から『No-P.U.N.K.フォクシー・チューン』をサーチし、その効果で手札を捨てデッキから『No-P.U.N.K.ディア・ノート』を特殊召喚。その2体で『カオスルーラー』をシンクロ召喚し、墓地を肥やしながら『ディアノート』の効果で『フォクシーチューン』(状況によりセアミン)を揃える事がこのデッキを回すために必要な下準備です。

この動きを行うと基本的に先行ではカオスルーラーを経由してランク8エクシーズ、後攻は状況に応じて11シンクロも供給出来ます。

《3. このデッキの強み・深淵の獣と複合した理由》

◎安定性が高い
【P.U.N.K.ビーステッド】は『セアミン』の成立+手札コスト1枚から最低でも『カオスルーラー』+蘇生したレベル8モンスター+サーチした光or闇属性を用意する事ができます。前述の『緊テレ』に加えて『No-P.U.N.K.オーガ・ナンバー』でもサーチが出来るので初動が多く、安定性がとても高いテーマになります。

◎先行の制圧力と後攻の手数の多さ
上述のセアミンスタートのカオスルーラーにてサーチ出来たカードを中心にリソースと妨害が広がっていきます。ランダム要素はあるものの、動くために必要なカードの枚数が少ないのにもかかわらず、非常に緩い条件にて複数の妨害と、帰還するシンクロモンスター、蘇生する深淵の獣による複数ターンを跨ぐ試合もこなせるリソースの確保が可能になっています。
また、後攻時もほぼ同じ要求値から『天霆號アーゼウス』での捲り、『サイコ・エンド・パニッシャー』でワンショットキルも容易に狙えます。
(詳しい動き方については後述の《6.展開方法》で解説していますのでそちらをご覧ください。)

◎深淵の獣について
2023年1月制限は序盤はかなりの群雄割拠環境であり、展開デッキに加え、ラビュリンスや神碑のような特殊なデッキも多いため、手札誘発枚をなんでも入れればいいと言う訳ではなく、増殖するG、灰流うらら以外については信頼出来ない部分もありました。
【深淵の獣】についても刺さらないデッキも当然存在していますが、【P.U.N.K.ビーステッド】は自ターンに展開札として使用できるので腐る事はなく、またトップメタに返り咲いた”ティアメンツ”、新弾後に増えるであろう烙印系統のデッキに対して強力なメタカードとして機能します。
通常の展開に【深淵の獣マグナムート】が加わればエンドフェズにサーチした後続または【深淵の獣ドルイドヴルム】、【深淵の獣バルドレイク】による追加の除去、【深淵の獣ルベリオン】が加われば【烙印の獣】による罠カードによる除去や【複烙印】によるリソースを追加することが可能です。

加えて、場に展開できたドラゴンの数に応じて【天球】や【マスカレーナ】も追加出来ます。深淵の獣自体が墓穴の直撃をかわせたり、相手ターンに急にモンスターを供給出来るので2体とも非常に相性が良いです。

上記のように非常に強力な深淵の獣ですが、能動的に動くには自分の墓地を肥やす必要があり、何かしらのギミックと組み合わせるのが鉄板となっていました。その中でもP.U.N.K.は自身の効果で墓地に送れる光・闇モンスターがいる事、【深淵の獣ルベリオン】のリリース媒体となる【カオスルーラー】に容易にアクセスできる点から相方として選出しました。

《4. P.U.N.K.深淵の獣の構築について》

新規カードが公開されてから調整を重ね、1月15日の太陽CSで優勝した、現状のデッキ構築になります。私の活動圏である関東の大会に参加することを考え、構築しました。
この構築を基に解説を進めていきます。

⑴2023年にP.U.N.K.ビーステッドを選択する理由

【P.U.N.K.ビーステッド】は基本的に自分の墓地を除外して展開を進めていきますが、当然相手の墓地を除外・妨害しながら動いた方が強力です。
新制限序盤(2022年後半)は群雄割拠環境でしたが、徐々に規制後の入賞が増えそのパワーが再認識され、2023年1月の100人規模の大会で30人がティアラメンツを選択するという事態になりました。
また、ティアラメンツを抑制する対抗馬として活躍していたクシャトリラは大きな規制を受け純構築はほぼ消滅。『クシャトリラ・フェンリル』自体が深淵の獣の天敵だったため、今期は盤面に出したものの除外されて無駄になるというシチュエーションが減りました。
加えてCYBERSTORM ACCESSにて新規の『深淵の神獣ディス・パテル』を獲得。展開と妨害を兼ね備えた強力なシンクロモンスターで、以前よりデッキ自体のパワーも上がっています。この点を踏まえて今回CSで使用するに至りました。

《5.採用カード解説》

次に採用しているカードたちの採用理由・役割についてです。基本的なことについての記述が多いので、既に【P.U.N.K.ビーステッド】について熟知している方は飛ばしてください。

【P.U.N.K.(パンク)】

◎『No-P.U.N.K.セアミン』

役割:エンジン。展開の必須パーツ。
【P.U.N.K.】のギミックを回す重要カードです。ほぼ単体でカオスルーラー+8レベルモンスターを捻出、状況に応じて『サイコエンドパニッシャー』や『マスカレーナ』の素材になります。被った場合もリターンの方が大きく、『緊急テレポート』と併せて最大枚数の採用です。

◎『No-P.U.N.K.オーガ・ナンバー』

役割:セアミンのサーチ、展開強化
前述のセアミンをサーチが主な使い方となります。自身を墓地に送れるので闇属性を能動的に墓地に送ることが出来、単純なセアミン召喚よりも強い動きが可能です。最大枚数の3枚採用。


◎『No-P.U.N.K.フォクシー・チューン』

役割:先行展開の必須パーツ、展開強化
基本的に『セアミン』からサーチし『ディアノート』をリクルートします。カオスルーラーの着地時に『ディアノート』から蘇生し各種素材に使用される事が多いです。
単体では『カオスルーラー』になりませんが、特殊召喚可能なモンスターと併せて引いている場合はリクルートした『セアミン』とそこからサーチした『ディアノート』をアドバンス召喚する事で成立させる事が可能です。
そのムーブが要求値として低いことと、『セアミン』への無効系の貫通の目的もあるので3枚採用。
※一応P.U.N.K.の融合ギミックを採用すれば8シンクロ自体は出せますが事故率や枠を考慮し不採用としています。

◎『No-P.U.N.K.ディア・ノート』

役割:先行展開の必須パーツ。
基本的に『セアミン』経由の『フォクシーチューン』からリクルートされます。レベル5なのでそのままカオスルーラーに繋がるため採用。
但し、当然デッキに眠っていて欲しいカードであり素引きしたくないので基本的には1枚がベスト。とは言え組み合わせ次第では手札から展開可能な点、イシズギミックによりデッキからいなくなることを考慮して2枚の採用にしています。


【深淵の獣】

◎『深淵の獣ルベリオン』 

手札から捨てる事で他の深淵の獣をサーチする効果があります。この効果だけで"墓地に光属性、ドラゴン族リンク+1、疑似サーチor擬似おろまいor擬似除去待ちを場に置ける"という選択肢とメリットを得られます。
また、フィールドにいる時は永続烙印を発動する効果があり、ルベリオン+光闇の墓地コストがあればコストにより登場した深淵の獣をリリースし、自己再生することで先行なら盤面強化、後攻なら除去を行いながら展開が可能です。
先行も後攻も強力な潤滑油として機能し、制限入りとなった『マグナムート』へのアクセスも賄える事から3枚採用。



◎『深淵の獣マグナムート』

手札誘発+初動または妨害サーチ。本デッキでは文句なしのパフォーマンスを誇っていましたが出張性能も高く、制限カードに指定されてしまいました。涙の1枚採用。


◎『深淵の獣サロニール』

墓地へ送られた場合に深淵の獣または烙印を墓地に落とす効果です。役割として2つあります。
1つは深淵の獣を墓地に送る効果で、既に『複烙印』がある場合を除き、基本的には『ルベリオン』を落とし蘇生します。
2つ目は『ルベリオン』にアクセス出来ている場合で、『複烙印』を墓地に送り、特殊召喚した『ルベリオン』で『烙印の獣』を発動する事でエンドフェイズにセットします。早期に手札補給が必要な時は『ルベリオン』で直接『複烙印』を発動するケースもあるのでハンドと相談になります。
自ターン展開する事で妨害数に直結するカードであり3枚採用。


◎『深淵の獣ドルイドヴルム』

場から墓地へ送られた場合に特殊召喚されたモンスターを墓地に送ることが出来る強力な捲り札となります。欠点としては着地した瞬間からドルイドヴルムを重く受けない盤面を目指されてしまう点になります。今期は実質先行ワンキルのような展開デッキは少ないので返しに出して手数にするだけでもしっかりと仕事をこなしてくれます。
また、先行で『烙印の獣』や『バルドレイク』と共に置いて2妨害に出来るのは勿論、今回の構築では『マスカレーナ』でも同様の事が可能です。
汎用性を考慮し3枚採用。


◎『深淵の獣バルドレイク』

追加で登場した深淵の獣。組み合わせで妨害数が増える強みがあるのですが見えている妨害はやはり使いづらい点が目立ちます。ただし『天球』や『複烙印』にて突然供給する動きは強く、またサーチの選択肢としては及第点なパワーを誇るため選択肢として1枚採用。


【その他】


◎『アサルトシンクロン 』

汎用性の高い特殊召喚可能なチューナーモンスター。『カオスルーラー』と全ての効果が嚙み合っており、リソースを回復しながら8または10シンクロに繋がります。深淵の獣+このカードでP.U.N.K.抜きでも『カオスルーラー』に繋がり、自己再生により除外された『カオスルーラー』を効果で帰還させれば返しのターンにまた『カオスルーラー』の自己再生が可能です。
これまでの『P.U.N.K.ビーステッド』では10シンクロの捻出は難しかったのですが採用することで妨害と展開の幅がグッと広がりました。
基本的には素引きしたいカードなので本体は3枚採用。枚数のカサ増しには
『調律』がベストなのですが、被りたくない点と『カオスルーラー』で拾える可能性もあるため合計4枚の形を取りました。


◎『復烙印』

深淵の獣と紐付けられた烙印新規カードです。
①②の効果も非常に優秀なのに加えて、このカードは後述の烙印の獣で墓地から貼る事が可能です。
サロニールで落とせるのでそれが展開に絡むだけで不確定1ドローと永続的な蘇生効果が得られるのですが特にレベルの指定もないため『ディス・パテル』も対象に出来ます。新弾後は特に重要なカードになりそうです。
単体では使えないのと落ちても拾えるので1枚採用。


◎『烙印の獣』

『冥王結界波』や『禁じられた一滴』もケア出来る罠による妨害です。ルベリオンから簡単に発動&発動条件を満たす事が出来ます。②の効果を最大限に活かすため上記の復烙印とセットで採用しています。本来の用途であれば1枚採用なのですが、本デッキは展開にランダム墓地肥やしが必要なのでリスクヘッジのため2枚採用にしています。

◎『エクストラデッキのモンスター』
いくつかは下記の展開方法で使用方法には触れますが、基本的には環境やカードプールに寄って変化していくものとなります。捻出出来る種類として、、、

レベル8シンクロモンスター
P.U.N.K.ギミックからの『カオスルーラー』は先発で必須として、その次に出したいカードがあれば捻出。

レベル11シンクロモンスター
現状、『サイコエンドパニッシャー』専用。
『セアミン』とレベル8モンスターによりライフカットも目的で使用。

レベル10シンクロモンスター
『アサルトシンクロン』とレベル8モンスターで使用。

ランク6エクシーズモンスター
深淵の獣×2で使用可能。

ランク8エクシーズモンスター。
汎用的な妨害を構えられる『タイタニック』、『フォトンロード』は優先的に採用、打点やサイドプランに寄って他のモンスターは検討。

重ねられるエクシーズモンスター
主にアーゼウス。採用カードにより調整します。

リンクモンスター
大型モンスターを素材にする事が多く、『天球』のような縛りをクリアした強力なモンスターや妨害数や採用しないと詰むモンスター等がいる、など明確な理由がある場合に採用する枠です。

特徴的役割があるモンスターについては後半に登場します。

《6.展開方法》

⑴基本展開
手札 『No-P.U.N.K.セアミン』+手札1枚

盤面 『混沌魔龍カオスルーラー』+『No-P.U.N.K.フォクシー・チューン』

『セアミン』NS、『フォクシーチューン』サーチ。『フォクシーチューン』効果『ディアノート』リクルート。処理後『カオスルーラー』特殊召喚『ディアノート』効果で『フォクシーチューン』蘇生。。。。。

そうです。これだけでは強力な展開が成功したとは言えません。素引きと墓地肥やしのランダム要素が必要になってきます。そのため、ここから先は現実的な範囲で『カオスルーラー』含めて手札に加えたカードとの組み合わせによる分岐した展開例を記述していきます。

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