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【うつろいとは】 大河ドラマ 「光る君へ」 第17回

何を書きたいのかは分からない。だけど、筆を取らずにはいられない

お寺参りの回に続き、紫式部爆誕への助走に勢いがついた回でした。

藤原寧子の「蜻蛉日記」に自分がインスパイアされたように、自分が書いたものも誰かの宝物になる。恋文の代筆をしていたことも、頭をよぎったのではないかしら。

私の財もお使いくださいませ

救い小屋を作るにしても、自分の財だけだと足りない格下道長に、あっさりと自分も投資をすると申し出る倫子、できた嫁すぎる。太っ腹具合を見せてすかさず夫の女性関係を探るのも、できた女子すぎる。嘘がつけない道長に太刀打ちできるわけもありません。

「胡蝶の夢」

どこかで聞いたことあるとは思ったのだけれど、改めて調べましたら、なんと良い思想でしょう。

胡蝶が自分か、自分が胡蝶か。2つは全く違うもののようだけれど、大きな目で見ると何ら違いがありません。万物は絶えざる変化を遂げるが、本質は変わらない。

これは、道長とまひろの関係性にも繋がります。出会いを丁寧に描いたからこそ、「変わっていくものと変わらないもの」が沁みてくる。

忘れじの 行末までは 難ければ
今日限りの 命ともがな

永遠に忘れないことなんてない。だからこそ、今日を極みにして無くなってしまうかも知れない命を、今を、大切にしたい。「今ここ」を大切にしなくて、今を一番最高だと思わなくて、何を大切にすると言うのか。

深い仲になったからって、自分のもののように言わないで

あれ?清少納言、そうなの?と思ってたらすぐに、そういうネチネチ男は嫌いとあっさり振るの、好き。男前。

「みんな伊周が嫌い」かどうかは分からないけれど(親の七光で出世したのを快く思わないってのはあるけど)、ここへきて道兼の株がどんどん上がっていくのが世の皮肉。彼の暴力性は、愛を求めて得られなかった子供のそれであって、先天的な能力はちゃんとあったように思います。過小評価しちゃいけない。いや、少なくとも本作では。

仲良くなっていく従者ズを入れ、「言いなりになってはならぬ」とお上も覚醒し、病気の間はステイホームの方が良いんじゃないかとコロナ禍みたいな話題も入れて、今回も終了です。

盛りだくさんすぎるんだってば、毎話毎話。

明日も良い日に。






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