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【まやかしの夢とは】 大河ドラマ 「どうする家康」 第43話

思う存分楽しみましょうぞ。

悲壮感が漂う人とは、一緒に頑張ろうと思えないものなのかなあ、と本筋とはやや関係ないところで感じ入った回でした。

夏目広次とか本多忠真とかを回想で出せるのが大河の強み。殿は随分遠くまできましたな。たくさんの人が、向こう側に行ってしまわれた。

回想とはいえ、退散した人がこんなに何度も出てくる大河も少ない気がします。皆、今なお殿と共にあるのよね。

なんてしみじみOPで思っていたら、その後の香盤の回想祭りぷりに笑ってしまいました。

富士山の頂上も間近です。

機を見誤るなよ。

毛利輝元さんの動きが変だと思ってはいたのだけれど、秀頼を送らない方がよかろうと最後のダメ押しをするのが阿茶さまってのは、なかなかに斬新な展開です。

どこまでも、あったかも知れない女性の戦さを描き通すのですね、古沢さん。そして、阿茶さんが代弁してくださいましたけど、淀殿、怖い… 帰り道、ほんと気をつけないと… 

戦なき世などなせぬ。まやかしの夢を語るな。

脚本を書いた段階で、ウクライナ戦争は始まっていたのかな。ガザ侵攻は当然始まっていなかった。今、この回が放映されることが必然のように思えます。

作品は、神の采配のようなタイミングで世に出てきたり、なんなら世相を先回りしたりするのです。何が何に呼応しているのだろう、とこういうことがある度に思うのです。エンタメにしかできないこと。

戦さを求める火種は、誰の心にもある。

春頃、ある演出家が言っていた。「戦い」によって世界を治めていた時代はもう終わった。これからは、政治はもちろん、世界を女性が率いていく方がいい、と

その一言を聞いた頃、本大河では、ちょうど築山事件の頃でした。その時にも、女性がリードする世界とは、みたいな呼応を感じていたのだけれど、それがまた巡り巡って今響いてくるとは、なんたる偶然。いや必然か。

何が其方を変えた、と問われた時に、淀殿の顔が一瞬浮かんだであろうに、それを一言も言わなかったところに、三成の義やらプライドやらを感じたラストでありました。

明日も良い日に。

追伸:桃、配り山、みたいな発音、初めて聞いた。








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