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日本一危険な国宝

「日本一危険な国宝」

嗚呼、この言葉だけでお酒がすすむ。「命がけ」だの「険しい冒険」だのに無条件に反応する血が騒ぎます。

鳥取に誘ってくださった方推奨スポットのうち、写真を一目見て「ここ!」と思ったのが、三徳山投入堂でした。

そこに至るまでの山道のことなぞつゆ知らぬまま、当日の朝を迎えます。

山岳信仰の開祖とされる役行者が706年に開いた、とされる修行のためのこの山は、鳥取県三朝にあります。

御神木のお出迎え。凛としていながら、あたたか。

まず、入り口で靴をチェックされます。靴底が修行に耐えられないと判断されると、修行用のわら草履を買わねば入山許可がおりません。険しい道中であることが、このことだけでも汲み取れます。

入山するにあたり、「六根清浄」と記載された輪袈裟をかけます。タスキのような白い布で、略式の法衣となるらしい。登山中は、これをかけ、修行の身だしなみとするらしい。面白い。

仙人さんに背中を押され、修行が始まります。

さて山中…

想像以上にロッククライミングでした!!!

根っこ掴まなきゃ登れないところだらけだし、鎖場もあるし、おまけに近日に雨が降ったのか、足元はつるつるだし!!!入り口で軍手を買っておいて、正解でした。途中写真を撮る余裕は無し!w

1/3ほど登ったところにある、文殊堂からの眺め。風が山々を渡る。なんて豊かな土地だろう。

足ぶらぶらが気持ちいい〜。

途中、頭上から響く鐘の音が清しく、何度も魂を救われました。てっきりお寺の方が鳴らしているのだと思っていたら、登って来た方々が自力で鳴らしているものでした!!!!そりゃ、音に万感の思いもこもろうよ。

先人が、後から登る方々の無事を祈って鳴らした響きは感慨深く、わたしも自分たちと、これから登られる方々のご無事を祈りつつ、打たせて頂きました。こういう山岳信仰、好きだなあ。

そこからは頂上まで後少し。

待っているのは、この絶景。

麓で建立したお寺を、役行者が小さくして崖肌に投げ入れた、という逸話から投入堂というお名前がついたそうです。確かにそうでもしなければ、こんなところに建てられない。

西洋では、山は恐怖の対象とされ、登ることで恐怖を克服するのに対し、日本の山は自然崇拝の対象。命をもらう場所。山を登る、とは、日々の感謝や敬意を表する行為となるのです。

これからの道に感謝をしながら、深い緑の中を下山しました。

旅人たちの足元をサポートしてくれた藁草履たち。持って帰るもよし、ここで清めて頂いてもよし。

導いてくれた夏日さん、ありがとうございました!


言葉は言霊!あなたのサポートのおかげで、明日もコトバを紡いでいけます!明日も良い日に。どうぞよしなに。