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【遠くの国とは】 大河ドラマ 「光る君へ」 第9回

直秀の望み通り、海の見える国だといいが

本編後の「紀行」に心を掴まれた回でした。養成機関があるほど一度は栄えた散楽なのに、一度は姿を消している。それが1000年の時を経て、新たな姿で現代に甦ろうとしているのです。

あの世で喜んでいる直秀の姿を勝手に思い描いて、ジワリと涙。散楽を先祖にもつ能も文楽も、私はとても大好きです。そうやって、文化を通して、我々は過去の人々と繋がっていける。豊かな会話ができる。「源氏物語」もそう。って、こちらは衰退しておりませんが。

散楽一味が市民の味方の義賊だったことも、五右衛門好きにはたまらないポイントです。彼らがこんなに早い段階で退場するなんて、想像もしておりませんでした。「鎌倉殿」かくやという皆殺しがここから続いていくのかしら… 少なくとも、道長覚醒の一押しにはなったよう。

もしまひろが男子であったなら、こういうことをきっかけに「内裏に上がり、世を正し」てくれたかも知れない。世の中とは不条理なもの。

身体を張って、父上の命を果たそうとしていたのです。

DV跡は、やはり道兼の自作自演でした。誇らしげな道兼が切ないけれど、一番怖いのは兼家です。花山天皇に差し上げていた薬も、絶対何か盛ってるやろ。そうやってじわりじわりと心を蝕んで、攘夷につなげていくんやろ。

成仏できないよしこさまの御霊が内裏に飛んで来た、ということでございます。

安倍晴明も火に油を注ぎ、よしこ様を成仏させるには天皇が出家あそばすしかないと唆す。動き始めてしまっている陰謀を止める術は、道長にはもはや無いのです。同じ方向を向いている影は、ここでもやはり同じ方向を向いている。

信用できると言っていた2人のうちの1人を失ってしまった道長は、ここから心を鬼にしていくのかな。ってまんま義時やーん

もう三郎とは呼べないわ。(中略)無理。やっぱり無理よ

こういう月九を挟みつつ、衛門に対する奥方のチクリも入れつつ、大学へいく弟にしんみりしつつ、パパの中国語にびっくりしつつ、弟に語られた手向けの四字熟語にはてなを飛ばした回でした。惟規が分かったのは、4つの四字熟語の内のどれだったのかしら。かくいう私も「温故知新」しか分からなかったので、惟規と何ら変わりません。(ちなみにその4つは、「一念通天」「率先垂範」「温故知新」「独学孤陋」)

日々学ぶ。

明日も良い日に。



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