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創作系

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書いた小説などのまとめ。
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記事一覧

「桜の花びらを呑み込む蛇の話」#シロクマ文芸部

 春の夢、と名前をつけられた蛇がいる。桜の花びらを主食としているから肌が桜色に染まったせ…

泥辺五郎
1か月前
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千人伝(二百五十一人目~二百五十五人目)

二百五十一人目 用事 用事はいつも用事を忘れてしまっていた。役所に行くたびに忘れてしまう…

泥辺五郎
1か月前
13

「風待ちロマン」#シロクマ文芸部

 風車が止まったので鍋で煮込んでいたシチューが冷えてしまったの、と妻が言った。この町の動…

泥辺五郎
1か月前
24

「入学魔法」#新生活20字小説

黄色の学帽が園児を小学生に変えてしまう。 シロクマ文芸部の企画「新生活20字小説」に参加し…

泥辺五郎
1か月前
24

千人伝(二百四十六人目~二百五十人目)

二百四十六人目 ゴーストタウン ゴーストタウンはゴーストタウンに生まれた。人のいない街だ…

泥辺五郎
1か月前
11

「誰の参考にもならない創作論」

 あれこれすることがあるのにそれら全てを後回しにして、全く急ぐ必要のない文章を書きたくな…

泥辺五郎
1か月前
23

「執筆怪談」#シロクマ文芸部

 始まりはバイトをさぼる口実だった。当時入院中だった父方の祖母の見舞いに行くから、と。あまり良くないようなので行けるうちに行きたくて、と、バイト先に電話を入れた。本当は友達に遊びに誘われたからだった。  その後本当に祖母の具合は悪くなり、亡くなった。  小説執筆を始めた頃には、父方の祖父が施設に入っていた。私は祖父が亡くなる話を書いた。それから間もなく、本当に祖父は亡くなってしまった。  ただの偶然に過ぎないし、元々死期の近い人たちではあった。しかし私の嘘や創作が二人をよ

ドラゴンボールごっこ詩篇2

 息子によるドラゴンボールごっこ遊び熱は止まず、休日以外はおもちゃを手に取ることも少なく…

泥辺五郎
2か月前
19

千人伝(二百四十一人目~二百四十五人目)

二百四十一人目 ヘヴィメタル拾い 重いギターリフが繰り返されるヘヴィメタルが、長距離トラ…

泥辺五郎
2か月前
19

ドラゴンボールごっこ詩篇

 息子は現在6歳。この春から小学生になります。 我が家で一世を風靡した「怪獣人形を使ったご…

泥辺五郎
2か月前
20

「馬糞症にまぎれて」#シロクマ文芸部

 春と風の取り合わせが花粉症という前時代の病気を思い出させる。しかし現代に花は咲かない。…

泥辺五郎
2か月前
20

「うるう秒に生まれて」#シロクマ文芸部

※実際の「うるう秒」は閏月には設定されません。  閏年、閏月、閏秒に生まれた僕は、四年に…

泥辺五郎
3か月前
50

楢山孝介としての「きらら携帯メール小説大賞」思い出話

 入院生活13日目。なんだかもう遺言めいたことでも書き残しておいた方がいいんじゃないかと。…

泥辺五郎
3か月前
29

「子どもゾンビしか出てこない洞窟へ(マインクラフト小説)」#毎週ショートショートnote

「子どもゾンビしか出てこない洞窟があるんだって!」  アレックスがまた変なことを言い出した。その手は既に僕の手を引っ張り始めている。 「やばいところなんじゃないの? ゾンビスポナーの前で、子どもゾンビ以外を延々と狩り続けるやばいプレイヤーがいるってことでしょ」  ゾンビはには大人ゾンビや様々な装備を着けたゾンビや、小さくて可愛い見た目だがすばしこくて厄介な子どもゾンビがいる。子どもゾンビだけがスポーンするはずはないから、意図的な間引き者がいるのだ。ゾンビよりよっぽど怖い。