泥辺五郎

ドロベ・ゴロウ。二児の父。脳脊髄液減少症で入院中。何かしら書いてます。旧名「名無しさ」…

泥辺五郎

ドロベ・ゴロウ。二児の父。脳脊髄液減少症で入院中。何かしら書いてます。旧名「名無しさ」「村野」「楢山孝介」「新都社モラトリアム新書」など。

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  • 耳鳴り潰し

    消えることのない耳鳴りを打ち消すために紡いでいく文章。前日振り返り日記がメイン。500文字程度を目安に。

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    note内企画「シロクマ文芸部」参加記事のまとめです。

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    様々な人の評伝「千人伝」シリーズのまとめマガジン

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入院記録(脳脊髄液減少症による入院)※全文読めます

脳脊髄液減少症(脳が浮かんでいる液が減る病気)により入院中。入院費の足しにするため投げ銭設定。本文は全部読めます。 ② ③ ④ ⑤ ⑥ 2月7(水)入院初日  ひどい頭痛の鎮痛薬を前日ロキソニンに変える。効果あったかに見えたが、夕方頭痛がひどくなった際に飲むも効果得られず。  帰宅後、近くにある脳神経外科医を調べ、向かうことにする。ルート案内では自転車で14分だが、20分ほどかけてたどり着く。院内は暖かく、頭痛がよりひどくなる。MRI検査を受けた後、「クモ膜下出血で緊急

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    • 耳鳴り潰し22

       昼前から雨の予報だったので公園はなし。  の予定が、雨の予報が夕方からに変わっていたため、昼過ぎから「雨が降るまで」と限定して公園へ。要はGW中に公園にしか出かけていない。  昨日までは遠くから来た人たちで賑わっていた公園だが、雨の予報だったこともあり、人影はわずか。そんな中、同じ登校班の4年生女子とそのおばあさんと会い、遊ぶ。公園の入り口近くで転んで絆創膏を貼ったところをおばあさんに見せる息子。ハックルベリー! と心の中で叫ぶ。マーク・トウェイン「ハックルベリーの冒険」

      • 耳鳴り潰し21

         朝からカレーを作る。余計なことはせずシンプルに(前回余計なことをしたようだ)。  暑さのピークを避ける時間帯に公園へ。同じ学校の4年生男子に会った息子。「3日連続やな!」と言われる。こちらは正確には4日連続となる。その彼含む3人組男子に付いていく息子。なぜかなついているようだ。カナちゃんではない、同じクラスの女の子にも出会ったが、名前は思い出せなかったようだ。  先日のヘビの件もあり、隙あらば父は面白い生き物がいないか探し回るが特に見つからず。子どもの日ということもあり

        • 「言葉の日常」#シロクマ文芸部

           子どもの日常を記しながら、自分は子どもの頃どんなことを考えていたのかを思い出す。 「今自分が考えているように、他の人たちも様々なことを考えながら生きている」ということを想像してしまうと、正気ではいられなくなっていた気がする。誰もが頭の中で、人には届けられないような想いや言葉を充満させて吐き出せずにいる。狂ってしまわぬように、文章にしたり、絵に描いたり、歌にしたりする。そういうものだと思っていた。  日々を抜き出して書く「耳鳴り潰し」という文章を毎日書くようになってから20

        • 固定された記事

        入院記録(脳脊髄液減少症による入院)※全文読めます

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          耳鳴り潰し20

           昨日に引き続き息子と公園に。朝と夕方の2ラウンド。娘は友だちと遊びに行っていた。遊具のある場所の入り口付近で、地面を走る小さなヘビを見つける。Xにあげたら「ヒバカリですね」と返信をいただく。「咬まれるとその日ばかりの命となる」という俗説からつけられた名前とのこと。実際には毒のない種類。遊んでいる最中もなんどかヒバカリを観察する。近くにいた外国人と日本人の夫婦、その子どもたちとも一緒に。先日のロッキーの飼い主さんもそうだが、ハーフ、外国人、の方とのコミュニケーションの方が自然

          耳鳴り潰し20

          耳鳴り潰し19

           朝、音楽を流しながら家事をしていたら、中島みゆき「荒野にて」を聴いた娘が「これアンパンマンの声優の人が裏声で歌ってる?」と言ってきた。ザ・ルースターズ「Do The Boogie」のイントロに対しては「これツッパリの人?」と反応してきた。「めんたいロック」について熱く語るロックおじさんのようなことはしないでおいた。  前日に引き続き公園に遊びに行くが、カナちゃんと特に約束していたわけではないので彼女の姿は見当たらず。「カナちゃんと一緒に遊ぶ方が楽しいのに……」と残念そうな

          耳鳴り潰し19

          耳鳴り潰し18

           家庭訪問期間中なので給食後下校の息子と、久しぶりに公園に行く。息子が体調を崩して以来となる。調べてみたら「耳鳴り潰し5」 に書いていたので、二週間近く間が空いた。公園に行くと先に遊びに来ていたカナちゃんが、砂場から息子の元へと駆け寄ってきてくれた。学校では顔を合わせている二人だが、公園で会うのは久しぶりとなる。自分を待っていて、笑顔で駆け寄ってくれる異性……息子よ、父にそのような瞬間は子どもの頃一度もなかった。  夕方病院に行くためにいつもより早く公園を後にすることを始

          耳鳴り潰し18

          耳鳴り潰し17

           所用で妻と出かける。電車の中ではあまり耳鳴りが気にならない。走行音と相殺するのか。少し時間があったので、目的地の近くにあった大阪府中央公会堂に入り、少し展示物を見た後座って休む。いろいろな椅子があった。  用事のあった事務所があるのはビルの8階。エレベーターで上がるだけでは頭痛は起きず。しかし用件の最中、柔らかめの電子音といったらいいか、新種の耳鳴りが、常駐する耳鳴りより大きく響き始め、恐怖を感じる。「この新たな耳鳴りが一生続くのか」という恐怖である。幸い一時的なものであ

          耳鳴り潰し17

          耳鳴り潰し16

           引き続き「バッタを倒しにアフリカへ」を読んでいる最中に、笑ってしまったところを妻に不審に思われる。アフリカに長くいたために、日本語がうまく喋れなくなっていた著者が、日本で本を出版したので書店でのトークショーに出た際の話。書く方でも失敗し、ひらがなすら間違えてしまう。「ちえこさんへ」と書くところを、「え」と「ん」と書き間違えた。つまりちんこと書いてしまったので大惨事になってしまった。という説明を妻にすると、妻も笑ってくれた。  息子の咳はマシになってきたし、熱もなかった。体

          耳鳴り潰し16

          耳鳴り潰し15

           祝日でもやっているかかりつけの医院へ。似た症状の息子はインフル・コロナとも陰性だったことを伝える。溶連菌の検査は陰性。先週もらったのと違う薬をもらう。  以前も似たパターンで長引いたことがあったが、あの時は咳だった。溶連菌だった。今回は喉の痛み。  一日半隔離で横になって安静に過ごす。咳による頭の痛みを抑えるため、入院時と似た安静の仕方。  こんな時ぐらいしか映画を観ないので松田優作の遊戯シリーズ二作目「殺人遊戯」を観る。女性陣の台詞が時代がかっていることが気になる。

          耳鳴り潰し15

          耳鳴り潰し14

           暑い日。まだ私と息子が本調子ではないので、近所のスーパーと百均に散歩がてら徒歩にて家族で買い物に行くだけ。その後家でのんびりと過ごす。  が、夕方少し不自然な姿勢を取ってしまったことから体調が一変。思い出したくない頭の重みがやってくる。咳をした際にはっきりと激しい頭の痛みが来る。  思い当たる原因をいくつか。 ・耳鳴りの方ばかり気にして、頭の方は軽んじるようになっていた。 ・大丈夫になったのではなく、頭に悪くない姿勢を取る生活に慣れていただけ。 ・健常者には何てことの

          耳鳴り潰し14

          耳鳴り潰し13

           音楽を流しながら洗濯物をたたんでいると娘が合流してきた。LPの「Halo (Beyonce Cover)」のLive版が流れてきて、彼女のビブラート唱法の素晴らしさを娘に語る。  高音の伸びもそうだが、これだけの声量と歌声を維持するのは大変だろうな、という話もする。今の私のように、風邪で喉を痛めたら、歌うことができなくなる=プロとして失格、となる。楽器演奏者が怪我に気を遣うより、繊細なメンテナンスが求められる。  もちろんそんな話を気にすることなく、娘は一人でお風呂に入

          耳鳴り潰し13

          「桜の花びらを呑み込む蛇の話」#シロクマ文芸部

           春の夢、と名前をつけられた蛇がいる。桜の花びらを主食としているから肌が桜色に染まったせいだとか、あまりに美しい稚児が蛇へと化身したのだとか言われる。その呼び名が使われるのは、室町から江戸中期あたり、染井吉野が広く植樹される明治時代以前の話であるから、現在の満開の桜の下を蛇が這うイメージとは少し違っていると考えてもらっていい。  実際に蛇が桜の花びらを食べるかは分からないが、水面に浮かぶ花びらを亀が口に入れることはある。虫と間違えているのか、少しは栄養があるのかは知らない。

          「桜の花びらを呑み込む蛇の話」#シロクマ文芸部

          耳鳴り潰し12

           息子の咳が止まらず、熱も37℃を超えたので学校を休ませる。念のためかかりつけの小児科へ。前回前々回が偶然休診日にあたっていたため、久しぶりのいつもの医院に。  自転車移動中に休むことにしている息子が、目隠し代わりにしていたヘアバンドを忘れたので、フェイスタオルを巻いて五条悟のようにする。途中、校外学習に出ていたらしい小学生の集団とすれ違う。偶然にも娘がいた。娘の方が私に気付き「バイバイ」と声をかけてきた。目隠ししておやすみ状態だった息子が「今ねぇねいた!」と声だけで気付く

          耳鳴り潰し12

          耳鳴り潰し11

           息子を送り出したが、休ませた方がよかったのかもしれなかった木曜日。市役所に就労支援の相談に行く。とはいってもこの日はほぼ担当者と顔合わせのみ。いろいろ紹介するにもこちらの署名が必要だとかで。 「気楽にしてくださいね」と言われ、現在の病状を話す。頭痛の方は落ち着いているので、主に耳鳴りのことなど。市役所という空間は特につらい。 「公園など開かれた空間や、自宅で好きな音楽を流すなどのコントロールできるところでは、比較的耳鳴りを忘れられるんですが」 「音楽が好きなのですか、どうい

          耳鳴り潰し11

          「躁鬱大学」坂口恭平

           メンタルの化け物と長い間言われてきた。中学生ならば即自殺してもおかしくないような扱われ方をしても平気な顔をしている、普通の人なら一日で逃げ出すような職場に平然と勤めている、と捉えられていた。私からすれば「何がつらいのか」としか思えないことも、他の人にとっては耐えられないことなのだそうだ。  そんな私が脳脊髄液減少症という病を経て、退院後の初めての定期健診の時に言われたのが、「再発を恐れすぎて、鬱状態になっているように見えます」という主治医の言葉だった。  かつての「ダイ

          「躁鬱大学」坂口恭平