見出し画像

23年も母に会っていない

私は、23年、母に会っていません。

私の人生の、半分以上を、母がいないことになります。

おそらく母もアダルトチルドレン。

生きづらさを抱える中、誰にも相談できず、なんで自分がこんなに生きづらいのか理由もわからず、まだ【アダルトチルドレン】という言葉さえもない時代に。

20代前半の若さで結婚、そしてすぐに出産。

しかも、親元を離れ、誰も知り合いがいない土地で、私を育てていたことを思うと、本当に、大変だったんだろうなと、今でこそ想像できます。

教育熱心だった母は、良い学校に入って、良い友達と出会って、良い会社に就職すれば、幸せな道だと思っていた。

好きなことや、やりたいことで食べて行けるわけがないと、いつも私の夢には反対していた。

私が小3の終わり、無理矢理、塾に連れて行かされて、深夜0時を回るまで勉強漬けの毎日、地獄の中学受験も経験させられた。

でも中学受験で得たものは、学歴ではなく、自己否定感だけだった。

そんな、母が、23年前、病気で亡くなる直前に、私に残した言葉がある。

「好きなことをして生きてね。ママはもう何もできなくなっっちゃった。」

あれだけ、教育熱心だった母が、生きること、幸せとは、考えていたのかもしれない。

どれだけお金があっても、どれだけ学歴があっても、それだけでは幸せになれないのかもしれないと、命の燈が消えそうな時に、気がついたのかもしれない。

だから、もし、今、生きづらくて苦しくて辛くて、どうにもならないと思っているなら、自分の命があと1日しかないという時に、何を思うか、何をしたいか、想像してみてほしい。

母の命日が、4月末で、私の誕生日が5月の頭なので、毎年、この時期は、心が落ち着かない。

色々と考えてしまいます。

でも、こうして考えたり悩んだりできるのも、生きているから。

さて、いつも通り、朝ごはんの準備をしよう。

いつものように、ハムと目玉焼きを焼いて、パンをトーストして、コーヒーを淹れよう。

部屋に漂うハムが少し焦げた匂い、コーヒーの良い香り

そんな朝の時間が、私は、大好きです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?