見出し画像

『希望の図書館』

前に人種差別について調べていた娘が、最近、図書館で借りてきた本『希望の図書館』 彼女が読み終わった後に、私も読んでみた。

舞台は1940年代のアメリカ・シカゴ。黒人は図書館には入れない時代。南部から移住してきた主人公のラングストン家の近くに黒人も入れる図書館を見つける。母親を亡くし、友達にもいじめられ、そんな彼を救ったのが、図書館で見つけた自分と同じ名前のラングストン・ヒューズの詩集。彼は夢中になって本を読む。

私も子どもの頃は、毎日のように図書館に通って、本を読みふけっていた。
天井まで続く高い本棚や、古くて重厚な本、年代ものの木のはしご、ヒソヒソ声が響く静かな空間、独特な匂い、カウンターにおいてあるハンコや貸し出しカード、私たちは入れない奥の書庫。図書館は、幼い私にとって一番身近な外の世界だったかもしれない。

インターネットですぐに世界と繋がれる現代であっても、本には、図書館には、私たちの心に寄り添う力があると思う。
彼ほどはではなくても、私にも、そして娘にもきっと、悲しくて悔しくて辛いことがある。そんな時、本は、世代を超え、人種や文化を超え、友となり一緒に分かち合い、力を与えてくれる。
久しぶりに詩を、そしてラングストン・ヒューズの詩を読んでみたくなった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?