見出し画像

退屈な夏休み

久しぶりに畳に寝転がった。
畳の匂いと、背中にほんのり柔らかな感触が
夏休みのおばあちゃんの家を思い出す。

扇風機の風にのって蚊取り線香の香りが漂う和室で、何もすることがなく、
畳に横になったまま、やかましいセミの声と、大人の話し声が遠くに聞こえ、自分がどこにいるのか、何をしているのかも分からなくなって
半透明の世界をフワフワと浮いているような感覚を楽しんでいた夏休みの記憶が蘇る。

夏休み
今年もコロナでどこにも行けない夏休み

そんな退屈な時間を、娘もいつか匂いや感触と共に懐かしく思い出す時がくるのだろうかと、部屋の中でひたすら風船を飛ばして遊んでいる娘を観ながら思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?