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設計されたオリエンテーションと野生のオンボーディング


新しい会社に入って一週間経ちました

株式会社カケハシにEMとしてジョインし、一週間経ちました。

ドメイン知識、なし!
社内システムの知識、なし!
マネージャーの生命線である人脈、ほぼなし!

まさに「自分が一番へたくそ」な環境に飛び込み、毎日ワクワクしています。
一週間をふりかえってみて、新人が現場に馴染むこと、必要なスキルを習得することについて新人目線でもろもろ感じたので備忘録として本稿を残しておきたいと思います。

設計されたオリエンテーションによるオンボーディング

スタートアップといえばオープンワールド的に荒野に放り込まれ、「誰の足だ?てめぇの足だろ!?」と自律的に行動することを求められるイメージでしたが、かなり丁寧なオリエンテーションプログラムが組まれています。

  • 会社のMVVのような、中長期に渡って必要な情報

  • 労務、経理など、場合によってはすぐ必要になるがまずは概要を抑えておけばいい情報

  • 各種SaaSの使い方など、業務を始めるにあたってすぐ必要になる情報

手厚い、つまりかなりの情報量なので、少し気を抜くと圧倒されてしまうくらいです。会社が設計したオリエンテーションを受講していくだけで、この会社で働くために必要な情報はある程度身につけることができそうです。

野生のオンボーディング

先程紹介したのは会社全体でのオンボーディングプロセスですが、チームはチームでまた別のオンボーディングがあります。
何もわからない状態からとりあえず朝会やスクラムイベントに参加したり、
ひたすら1on1したり、
slackを覗いたり。

朝会なんかは、初日は本当にわからないことばかりで、「うーん、もっとインプットしてから参加したほうがいいか?」と思う気持ちもありました。
ただ、入社したばかりのときは本当に何も知りません。何を知らないのかも知らない、無知の無知の状態。ムッチムチです。
それを念頭においたうえで朝会に参加する意義を考えると、「チームが当たり前に話していること、つまりチームメイトとして知っておくべきことで自分が知らないこと」が浮き彫りになっていきます。
チームというコミュニティの周縁にまず参加する。そこで何を知っていて何を知らないのかを見極め、何を優先的に学ぶかの意思決定の情報を得る。
まさに正統的周辺参加です。

学習する対象の範囲が広大で、自分で取捨選択しなければならないとき、この「無知の無知(ムッチムチ)」を「無知の知」にするプロセスは探索範囲をギュッと絞り込む頼もしい手がかりになります。

チームメイトが作る、発達の最近接領域

設計されたオリエンテーションは会社が主体となって作られており、トップダウン的性質を持ちます。
野生のオンボーディングは与えられた環境から自ら学ぶものであり、ボトムアップ的性質を持ちます。もうひとつ、チームメイトが作る発達の最近接領域があります。

チームメイトが新人の習熟度、もともと持ち合わせている性向を見極め、良きタイミングで業務の内側に巻き込んでいく。slackで「この話題興味ありそうだからメンションしました!」とスマートに情報共有したり、「じゃあこのミーティングの設定や仕切り、おまかせします!」と実業務にアサインしたり。

自分ではそこに飛び込んでいいかわからないところに「飛び込んでいいよ」と伝えるサポート。 飛び込ませた上で、状況をみながらチームでサポート。
トップダウン、ボトムアップとは少し違う、リレーションシップによるオンボーディング。これがチームメンバーで成長する上ではかなり重要だと感じました。

設計と野生を往復する

設計されたオリエンテーションで体系的に学ぶ。
野生のオンボーディングで自分の無知の知領域を知る。
その情報をもとに学習対象の優先順位をつけ、効率的に学んでいく。
この往復を繰り返し、チームメイトが発達の最近接領域で仕事を振ったり巻き込んだりする。これをやることで、わりと早い段階で戦力化できるのかな(したい)というのが、一週間をふりかえってみて考えたことです。

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