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XP祭り2022ビブリオバトルで推し本「Measure What Matters」がチャンプ本に選ばれました

XP祭り名物・ビブリオバトル

今年も開催されたXPの祭典、XP祭り。その名の通りeXtreme Programmingのお祭りなのですが、なかでもLT大会、ビブリオバトルは「XP祭りらしさ」に溢れており、毎年この時間を楽しみにしています。

過去のチャンプ本でいうと、特に印象的だったのが「教育心理学概論」。

ん?XP関係なくない?アジャイル関係なくない?それどころかソフトウェア開発でさえないよね?ところが読み始めると、なぜこの本が「XP祭りのビブリオバトル」で選ばれたのかがよくわかります。XPerたちの通常のアンテナでは見つけられない本を知る機会として、ビブリオバトルが果たしている役割は小さくありません。

なお、そもそものビブリオバトルへの想いは、のーどみさんのスライドに余すことなく表現されています。

出走が決まったのは一週間前

「ビブリオバトルに出てくれませんか」

かわぐちさんから声をかけてもらったのはXP祭りの一週間前。

このとき、ちょっと迷いました。

もともとXP祭りは登壇予定で、しかもビブリオバトルの直前の時間。そもそも一週間で推し本を話す準備なんてできるだろうか・・・

10秒くらい悩んで、「やります!」と元気な返事で回答しました。だって、やらないよりやったほうが経験値になる。逃げれば一つ、進めば二つ。
それに、かわぐちさんが声をかけてくれた、というのがとても嬉しかったんだもの。

どう紹介するか直前まで悩む

紹介する本はMeasure What Matters。私にとってのOKRのバイブルです。

実は過去に、DevLOVEのイベントでこの書籍について紹介したことがあります。

5分間スライドなしで喋るのはなかなか大変です。しかし運のいいことに、過去に同じ本について話したスライドがある。それを眺めながら話せばスムーズに紹介できるだろう。そんな感じで考えていました。

でも、それでいいんだろうか。Measure What Mattersは、自分にとっては「数年前に読んでそれっきり」の本ではない。特に今年、かわぐちさんと品川アジャイルで話した時にはガッツリ再読をしており、以前とは全く異なる景色が見えていることに驚いたばかりでした。数年前の学びをトレースするだけでいいのだろうか・・・

今回、自分のビブリオバトルをとおして達成したいことは何か。どうなっていたいか。

Objective: ビブリオバトルに参加した皆がMeasure What Mattersを読み始める/再読する

そうだ。皆に読んでほしいのだ。どうなったらそうなったといえるか?

Key Results: チャンプ本に選ばれる
Key Results: Amazonで在庫なしになる

もしこの二つが達成されたのなら、Objectiveに到達しているといえるでしょう。
じゃあ、どうやったらチャンプ本に選ばれるか?どうやったらAmazonで在庫なしになる、つまり「参加している人が思わず1クリックしたくなる」か?
それは「自分にとって読むべき本だ」「今すぐ読みたい」と思ってもらうことです。
それを念頭に置いて、ゼロベースでトークを練り始めました。

ビブリオバトル in XP祭り2022

いよいよ本番を迎えました。ビブリオバトル参加ラインナップは以下のとおり。

1. かわぐちさん『職業は武装解除』
2. のーどみさん『ソフトウェアテストをカイゼンする50のアイデア』
3. amapyonさん『ピープルウェア 第三版』
4. おおひらさん『ソフトウェアテスト技法練習帳』
5. やすがひらさん『だから僕たちは、組織を変えていける』
6. おだなか『Measure What Matters』

いやラインナップ強いな?そしてバランスがいい。
出版されたばかりの「ソフトウェアテストをカイゼンする・・・」から不朽の名著「ピープルウェア」まで、新旧の名著が立ち並んでいます。

正直、トップバッターかわぐちさんの「職業は武装解除」の時点で気圧されていました。内容の素晴らしさと、その素晴らしさをあますことなく伝えるかわぐちさんのトーク力により「読みたい・・・!」と強く思わされました。そのあともずっと、「いやーこの本読みたいわ」と思わされる発表が続いていきます

でもやるんだよ。

Objective: ビブリオバトルに参加した皆がMeasure What Mattersを読み始める/再読する、だ。

Measure What MattersはIntel、GoogleでOKRを成長のアクセラレータにした張本人、ジョン・ドーアが記した一冊。OKRの基本的なポイントは当然おさえつつ、OKRをうまく浸透させるためのCFRについても解説。そして驚くほどに多様性のあるOKR活用事例。たとえば、U2のボノは自身の社会活動を推進する中でOKRを活用している。

というような話を、ばーっと5分で話しました。
自分としてはやりきったつもりだったし、終わったあとに「嬉しさがあふれていると感じた」とコメントいただけたことから外から見ても「あいつ楽しそうだな」というのは伝わっていたようです。

その後、LT大会を挟んでクロージングのときに「Measure What Matters」がチャンプ本として選ばれたことが発表されました。ああ、推しが認められるってこういう感覚なんだ・・・!!と、これまでに味わったことのないたぐいの嬉しさがこみ上げてきました。

Measure What Mattersをよろしくおねがいします

と、いうわけであらためて。
2022年XP祭りで開催されたビブリオバトルでチャンプ本に選ばれたのは「Measure What Matters」でした。

OKRについて学ぶのに、これより最適な本を私は知りません。(ハイアウトプットマネジメントは、あわせて読みたい一冊です)OKRってなんだろう。ツリーなのか?ツリーじゃないのか?答えはここにあります。そしてきっとあなたは、何度も読み返し、その都度新しいOKRに関する洞察を得ることでしょう。私自身、今年再読したことで「OKRはツリーではない」という確信を深め、スクラムフェス三河で登壇するきっかけにもなりました。

昨今、OKRを導入する企業が増えています。「上がやるっていったからやる」と受け身になってしまうその前に、ぜひこの本を手にとってみてください。

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