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「昆虫食をもっと普及させたい」‐大阪府立高生がエコロギー代表の葦苅さんと交流

#探究レポ
私たちe-donutsは、大阪府立夕陽丘高校の探究学習をサポートしています。今回は、「昆虫食」をテーマに取り組む5名の生徒に対し、株式会社エコロギー代表の葦苅さんにお話を伺う機会を設けました。

※この記事は学校の許可を得て作成しています。


“なぜ日本では昆虫食は当たり前じゃないの?”ー生徒たちが興味を持ったきっかけとは

生徒たちが昆虫食に興味を抱いたきっかけは素朴な疑問から。
「昆虫食が当たり前の国もたくさんあるのに、なんで日本ではまだ普及しないんだろう」と思った彼らは、調査を行う中で、昆虫食が健康・環境・価格など多くの観点でポテンシャルがあることを知りました。
そこで、「オリジナルの昆虫食メニューを作る」というテーマを掲げ、実際に虫を調理しながら味・見た目・栄養素など色々な角度から探究を続けてきました。

しかし、かなり専門的な内容に踏み込み始めた生徒たちを前に、学校では対応できないことも増えてきました。

そこで私たちe-donutsは、コオロギを用いた食品の研究開発・販売を行う株式会社エコロギーの代表取締役である葦苅さんにお話を伺う機会を設けました。

(株式会社エコロギー:未利用の生命資源であるコオロギを起点に新たな食の循環を築き、健やかな生態系の実現と持続的な食糧供給を目指す会社)

自分たちなりの問いを専門家にぶつけるー生徒たちは何を質問し、学んだのか

生徒たちは緊張しつつも自分たちの関心領域にしたがって沢山の質問を投げかけ、それに対して葦苅さんも非常に親切に回答してくださりました。
以下は実際のQ&Aの一部抜粋です。

生徒
「昆虫食にはタンパク質が多く含まれるというところまではわかっているのですが、そこからどういう食品にしたらいいかに悩んでいます。エコロギーさんではコオロギ味噌を作られていると思うのですが、なぜ味噌を選んだのですか?

葦苅さん
「私たちは『タンパク質の発酵』という所に一つの可能性を見出しました。コオロギのタンパク質は、アレルゲンという苦味を感じる成分が多く含まれますが、発酵によりアレルゲンが減り、うまみ成分であるグルタミンが増えました。そこで、『発酵』を活用すればコオロギは栄養素だけでなく味でも勝負できるのではと思いました。」

生徒
「自分たちなりに、なぜ日本人の多くが昆虫食をあまり好まないか考えたのですが、価値観や考え方を変えるだけでなく、虫自体を改変することもすべきなんじゃないかと思っています。これについてはどう思いますか?」

葦苅さん
「大変素晴らしい着眼点だと思います。実際に虫の品種改良には私たちも取り組んでいます。特に、昆虫は農作物などと比べてもライフサイクルが短いので、実験がしやすく、品種改良には向いています。後は、虫の持つどういった要素を改良すると良さそうかは皆さんなりに考えてみるとよさそうですね」

結びに - 私たちe-donutsは何をサポートしたかったのか

今回、私たちe-donutsは「昆虫食についてもっと探究したい!」という生徒たちの強い思いを少しでも背中押しするために、外部専門家の方をお繋ぎする機会を設けました。

「思いがそれだけある子たちなら、わざわざ専門家を繋げなくても自分たちで探究させたらいいのでは?」といったことも考えましたが、
生徒たち自身が「専門家の話を聞きたい」と自分たちなりの質問リストまで作っていたので、今回はそれを素直に後押しすべきだと考え機会提供を行いました。

これからもe-donutsは、10代の探究活動における「やってみたい!」の声を後押しする活動を行っていきます。


一般社団法人e-donutsは、10代の「やってみたい」を後押しするプラットフォーム作りをさらに推進するため、現在クラウドファンディングを実施中です。
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