統一地方選挙の一環として、品川区議会議員選挙が4月16日告示、4月23日投票で行なわれた。
◆品川区議会議員選挙立候補者
品川区議選に立候補したのは次の通り。定数40に58人が立候補した。
政党別の立候補者数は次の通りとなる。( )は前回の当選者数。
品川区では昨年区長選挙が行なわれている。史上稀に見る激戦となり、再選挙の結果、森沢恭子新区長が誕生した。
区長選では各党とも森沢区長の対立候補を支援。森沢区長を支援したのは無所属の妹尾麻里区議のみであった。しかし、その後共産党と生活者ネットワーク以外の全ての会派が議案に賛成を示すなど、実質的にオール与党体制となりつつある。区議選ではその辺りの影響がどう出るであろうか。
◆2023年区長選・区議補選結果
昨年の区長選挙・区議会議員補欠選挙の結果を振り返りたい。というのも、今回の区議選にはその際に立候補していた候補者の多くが再び立候補しているからである。
区長選に立候補したうち当選した森沢恭子区長と、共産党推薦の村川浩一候補以外の全員が区議選に立候補している。
区議補選に立候補したうち国民民主党の鴇崎直行候補を除く全員が区議選に立候補している。
果たしてこれらの候補者の明暗やいかに…。
◆品川区議会議員選挙ウォッチ
品川区議選をウォッチしようと、大井町駅で降りた。昨年の区長選・区議補選の際にも大井町では多くの候補者を見かけていたが、今回もまた多くの候補者に会うことが出来た。
大井町駅を降りると、さっそく声が聞こえてきた。品川に維新を起こす会の大西光弘・元区議だ。
昨年は1回目の区長選と2回目の区議補選に立候補していたが、共に落選していた。
また、山本康行候補にも会うことが出来た。昨年の区長選に立候補。立憲民主党など野党議員の支援を受け、2万票以上の得票で3位につける健闘ぶりを見せていた。今度こそ当選することが出来るだろうか。
NHK党の久保田学・元立川市議。ニコ生主「横山緑」として活動。2018年の立川市議選で初当選したものの、参院選出馬のため辞職している。2022年の市議選には出馬しなかった。
立川市議選の際は覆面姿で選挙運動を行なっていたのだが、それは封印したのだろうか。ちなみに街宣車はトゥクトゥクだった。
また、政治女子48党からは33歳の山本彩乃候補が立候補。なかなか華やかな印象である。
4年前はNHKから国民を守る党からニコ生主「NEL」こと國場雄大候補が立候補して当選。しかし、その後離党し立憲民主党に移籍していた。
自民党の神崎文枝候補は、昨年の区議補選には無所属で出馬し落選。今回、自民党の公認を得ていた。
元女子プロレスラーで、ダンプ松本の極悪同盟の一員としても活躍。今回もダンプ松本、ブル中野、スポーツ平和党や自由連合で参院比例区に立候補した経験もある堀田祐美子らが支援しているとのことである。
なお品川区議会にはすでにプロレスラー出身の木村健悟区議がいる。今回、4期目を目指している。
今回の区議選には石田姓の候補が3人立候補している。自民党の石田秀男・元区議、国民民主党の石田慎吾・元区議、共産党の石田千広区議。そのうち石田千広区議と会うことが出来た。紛らわしいためか、石田千広区議はポスターにも「ちひろ」と下の名前を目立つように出していた。
◆品川区議会議員選挙開票結果
4月23日、品川区議選が投票された。投票率は40.86%で、前回の39.72%を上回った。
開票結果は次の通り。
政党別の当選者数は次の通り。
自民党は9議席で最大勢力を維持したものの、現職3人を含む4人が落選している。
立憲民主党と日本維新の会が議席を増やしたが、共産党と生活者ネットワークが議席を減らしている。また、れいわ新選組と参政党も初めて議席を獲得した。
トップ当選したのは妹尾麻里区議。区長選では唯一、森沢恭子区長を支援した。
2位に入ったのは区議補選で当選した日本維新の会の瀬楽真央区議だった。
区長選に立候補した候補者は、山本康位候補が3位だったのを始め、石田秀男・自民党元区議、西本貴子・元区議、石田慎吾・国民民主党元区議が当選。結果的に区長選で名を売ったことが功を奏したと言える。当選出来なかったのは大西光弘・品川に維新を起こす会元区議だけだった。
区議補選で当選した江野下正人・自民党区議、沢田恵巳子・自民党区議、松永吉洋・立憲民主党区議も議席を守る。
その一方で生活者ネットワークの稲垣孝子区議は次点に泣いた。補選で支持を受けていた立憲民主党の票が無くなった点が痛手だった。
補選で落選した候補者では、土田英夫・共産党候補が次々点で落選。
神崎文枝・自民党候補、川口めぐみ候補、柴田啓也候補も落選。大西光弘・元区議含め、落選組は誰一人議席に届かなかった。
旧NHK党は久保田学候補と山本彩乃候補が共倒れ。2人の票を足せば当選圏に達していただけにもったいなかった。元NHK党の國場雄大区議も落選した。
神崎文枝・自民党候補も及ばなかった。
◆品川区議会勢力
品川区議会の会派は次の通りとなった。
最大会派は自民党。自民党公認で当選した議員のうち8人と、妹尾麻里区議が加わっている。しかしながら、石田秀男・元区議がなぜか自民党会派には所属していない。いったいどういうことだろう? ひょっとしたら自民党が、森沢恭子区長に接近するにあたって、区長選で対立した遺恨のある石田秀男区議を外したのだろうか。それにしても謎である。
引き続き、森沢区長はオール与党体制で区政を運営していくことになるのだろう。前都議会で、是々非々で対応していた生活者ネットワークの吉田由美子区議が、立憲民主党などと統一会派を組むというのも気になるところである。
議長には自民党の渡辺裕一区議、副議長には公明党の阿久津広王区議が選ばれた。