私と空気階段の話 1 もっと早くネタを見ればよかった

空気階段が好きだ。

元々は苦手だった。
お笑いも好きな方だし空気階段の名前は知っていたが、見た目だけで何となくイロモノ一発芸人のようなイメージを勝手に抱き、ネタも見ずに何となく苦手意識を持っていた。

そんなある日、とある番組でネタを見た私は空気階段に対する考えが180度変わった。

その番組とは、2019年3月に放送されたオンエアバトルの20年スペシャルである。

中学時代はビデオに録画して見ていたあの番組。
スペシャルとして復活すると知った時はものすごく嬉しくて、放送日が楽しみで仕方がなかった。

そこで初めて空気階段のコントをまともに見た。
電車のおじさんというコントを披露していた。

めっちゃ面白かった。びっくりした。
最初から最後までずっと笑っていた。
よく知らない芸人さんでこんなに笑ったのは初めてだった。

それからはテレビに空気階段が出ると必ずチェックするようになった。
当然どのネタも初めて見るものだったが、全てもれなく面白かった。

それから少し経ち、空気階段のYouTubeチャンネルがあることを知った。

ネタ動画がアップされるたびに逐一チェックした。

面白いけど、どこか情緒的で哀愁漂うコント。
奇抜な設定も下ネタも多いけど、どれも不快でなくちゃんと面白い上に人間くさくてなぜか温かい気持ちになる。

お笑いでこんなに温かい気持ちが残ることは初めてで、それがまたクセになって何度もコント動画を見返した。

特に単独ライブのコントはすごかった。
笑いながら泣いた。
一番最後のコントで全ての伏線を回収する鮮やかさに震えた。

2人の人柄なんてこれっぽっちも知らなかったけど、優しい人たちなんだろうなと思った。

コロナ禍に入り、訳あって一時的に専業主婦となり暇を持て余していた私は、地元の友達とよくテレビ電話をしていた。

友達と話す中で、料理をしている最中にYouTubeを流すんだけど料理をしていると見られないし、かといって何も流さないのは退屈、何かないかな、と話したところ

「私はラジオ聴いてるよ」

と言われた。

ラジオ?
考えもしなかった。

高校生〜大学生の頃まではよく芸人さんのラジオを聴いていたが、いつの間にか聴かなくなったなあと思い出した。

友達との電話を切ってから調べたところ、空気階段のラジオ番組があることを知った。

知った日の時点で放送回数は100回を超えていた。

とりあえず面白い回から聴いてみたいと思いさらに調べたところ、かたまり失恋号泣プロポーズという回に辿り着いた。

泣いた。
夕飯を作りながら泣いた。

空気階段は私が思っていたよりずっとずっと人間くさくて温かくて綺麗な人たちだった。

もぐらは私の中で謎のデブでしかなかったが、あんなにいいことが言える兄貴なデブなのだと初めて知った。

それをきっかけに初回からラジオを聴き始めた。

初めこそ料理中のみ聴いていたがもっと聴きたくなってしまい、朝の準備中にも移動のバスの中でも、ついにはお風呂にスマホを持ち込んでまで聴くようになった。

どの回も本当に面白くてあっという間にリアルタイムに追いついた。

こうして私は空気階段の沼にズブズブとハマっていった。

続く

関係ないけど来月同僚ちゃんたちと三鷹の森ジブリ美術館に行くことになった。めちゃ楽しみ。キキみたいなワンピ持ってるから着て行こうかな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?