ドードマン

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最近の記事

【禍話リライト】「デスセックス」

とある中年の男性Gさんの体験談。 秋も深まり徐々に冬に近づくある夜のこと。 借りているマンションの自室に帰って早々に、隣室の開け放された窓から何か物音が聞こえてくるのに気付いた。 よくよく聞いてみると、その物音というのが明らかに男女のまぐわいのそれだったのだという。 更に女性の出している声というのが艶めかしい扇情的な喘ぎ声などではなく、「ア‘‘ァ‘‘~~~ッ‘‘!ギモヂィ…」とデスボイスとでも形容すべき悪声であった。 (なんでこんな窓開けて…寒いじゃん!聞かせたいのかよ

    • 【禍話リライト】『怪談手帖』より「星泥棒」

      「余寒さんの集めたお話って、片親の話がかなり多いですよね?」 聞き取りの席で、F君はいきなりそう言った。 面食らったが、言われてみればその通りである。 僕自身(怪談手帖の筆者 余寒氏)、母子家庭で育ったから、知らず共感して採用が多くなってしまうものか。 或いは、怪異の出現に心理的な不安状態が関係しているとすれば、ある程度は必然的な傾向であるかもしれない。 そんなことを小難しく並び立てていると、F君が苦笑しながら、 「かく言う僕もそうなんですよ。余寒さんと違って一人っ子で

      • 【禍話リライト】「びちびち金魚」

        「金魚と言うとねぇ、これが因果応報になっちゃうんだけどさぁ…」 そのような出だしで語られたのは、大分県のとある地区にいたある男性に関するお話だ。 その男性は小学生の頃、好きな女の子がいた。 しかしその女の子には、既に付き合っている男の子がいた。 そのような関係でもそこは同じ地区に住む小学生。 女の子の家に行って三人で一緒に遊ぶ位のことはしていたのだという。 例えるなら、『ドラえもんのいないのび太が、出木杉と付き合ってる静香ちゃんの気を引きたいから遊ぶ』といった状況の色恋

        • 【禍話リライト】『忌魅恐NEO』より「財布の中を一緒に確認する話」

          ある男性のお話。 男性の記憶によれば、同じ職場の友人の男性と二人でドライブをしていた時のことで、運転の途中である廃墟が目に留まったのだという。 それまで廃墟を見ても行こうとも思わなかったのだが、その時は(大通りに面してるから普通に行けんのかな?途中で獣道とかだったらやめよっかな)と考えて、その廃墟に向かって車を走らせた。 すると険しい道を進んだり、藪をかき分けたりするわけでもなく、何の障害もなくその廃墟に着いたのだという。 (行けたからまぁいいや)と、整備のされていない雑

        【禍話リライト】「デスセックス」

          【禍話リライト】「消えるヤンキー」

          ある男性の中学生の頃の出来事。 学校からの帰宅途中にヤンキーから追いかけられた話だという。 その方は登下校の際は、通学路になっている大通りを通っていたのだが、その大通りに並行して、自転車一台がかろうじて通れる程の幅の田んぼ道があったのだという。 ある日一人で帰っている時、高校生位のヤンキー3人が改造した自転車に乗り、その雑草が生い茂る狭い田んぼ道を直列になって走ってきた。 そしてヤンキー3人はその方に向けて、「オイ!オイッ止まれぇ‼」と怒鳴り散らしてきたのだという。 その

          【禍話リライト】「消えるヤンキー」

          【禍話リライト】『忌魅恐NEO』より「気まずい写真の話」

          怖い話をするツイキャス【禍話】。 この禍話への怖い話の提供者の一人に【甘味さん】という方がいる。 この方は廃墟に赴いては、そこで寝泊りをするなどして廃墟内の雰囲気(或いは怪異の気配等)を味わうことを趣味としているお方だ。 この話は、彼女が【廃墟にまつわる話】として同じような趣味を持つ界隈の知り合いなどから聞いた「そりゃ~大変ですねぇ」っと思った話だという。 ある時仲間内で「甘味ちゃんって、○○っていう学校の廃墟に行ったことある?」と聞かれたそうだが、甘味さんの住んでいる地域

          【禍話リライト】『忌魅恐NEO』より「気まずい写真の話」

          【禍話リライト】『怪談手帖』より「きつねの宴席」

          職場の先輩で今は定年退職されたAさんが故郷で聞いた話。 彼が生まれた町には、かつてやんごとない御方も逗留したという、由緒正しい旅館があり、そこの女将さんというのが彼の母方の叔母だった。 この叔母さんが話していたのが、きつねに化かされた話だという。 ある時その旅館は新聞社からの紹介で、作家や画家を含めた集団のお客を迎えた。 お得意様からの紹介ということで一階と二階、それぞれで一番いい部屋を開けておき、客に選んでもらう形にしたのだが、一階の間に着いて「以前やんごとのない御一行

          【禍話リライト】『怪談手帖』より「きつねの宴席」

          【禍話リライト】「外のドアノブ」

          現在30代後半のある男性のお話。 その方は大学生時代、大学近くのアパートの一室を借り生活をしていた。 2年生になりアルバイトを始め徐々に仕事を覚えつつ、大学の講義にも出席し勉学に勤しむ。 そんな生活がルーティンワーク化していたようであり、例えるならば『気が付いたら同じ道しか歩いていなかった』という状態だったという。 そんな生活を送っていたある時、偶々それまで全然交流がなかった学部の人達と授業の中で関わることがあった。 そしてその人たちから「ちょっと飲み行きましょうよ!」と

          【禍話リライト】「外のドアノブ」

          【禍話リライト】『怪談手帖』より「ホトケサリ」

          一人暮らしをしながら、クラブで働く20代のB君から聞いた話。 10代の頃、知り合いの伝手で古くて大きい日本家屋をタダ同然で譲り受け、一家四人で住んでいたのだという。 本当に古くて、ボロボロの家で、要するにリフォーム前提の譲渡であったそうだ。 「でもねぇ、リフォームしなかったんすよぉ」 独特な口調でB君が語るところによると、彼を含めて家族はみな大変ズボラな質で、半壊しているような箇所にも手を入れず、譲られた時のままであったそうだ。 「家なんか寝起きできるスペースがあれ

          【禍話リライト】『怪談手帖』より「ホトケサリ」

          【禍話リライト】「煙の仏壇」

          体験された方の幼稚園児の頃の思い出。 その方は大学生になるまで、父親の仕事の都合で引っ越しの機会が、非常に多い家庭で育ったのだという。 基本的に引っ越し先はマンションがほとんどだったが、ある時期一軒家に借家で住んでいたことがあった。 今となってはどこの家だったかは覚えていないが、この体験はちょうどそんな家に住んでいた時の出来事だという。 その借家と隣の家の境目には壁があった。下からでは無理だが、借家の2階の屋根からその壁に上ることができた。 落下する危険や親に怒られる恐

          【禍話リライト】「煙の仏壇」

          【禍話リライト】「犬はいない」

          怖い話をするツイキャス【禍話】。 この話は、語り手担当の【かぁなっき】氏の職場にかつて勤めていたアルバイトの方から聞いたものだという。 「僕んち犬飼ってないのに、『犬飼ってますね』って言われたことあるんですよ」 こんな出だしからこの話は始まる。 その方の近所に住む人で、夜間や明け方に散歩をする人がいたのだという。 その人がある時、 「ああ、知らなかったけど、犬飼われてたんですね。室内とかでもともと飼ってるのかなぁ」 (何言ってんだこいつ…)と思いつつ、話を詳しく

          【禍話リライト】「犬はいない」

          【禍話リライト】「悪口娘」

          怖い話をするツイキャス【禍話】。 語り手担当の【かぁなっき】氏のお知り合いの警察官の方から聞いたお話だという。 騒音トラブルがあった。 ある家から「ギャーギャー」と叫ぶ声が聞こえ、 物が投げつけられ、隣の家の窓ガラスや壁に被害が出ている。 即座に警察官が注意できる状況だった。 (これはもう絶対いけるな…、何してんだ?) そう思いつつ、その家を訪問する。 家の中から出てきたのは、50代位のおおよそボケてしまうような歳でもない人だった。 その人は「何回も何回もうるさい!」と話

          【禍話リライト】「悪口娘」

          【禍話リライト】「校庭の穴」

          怖い話をするツイキャス【禍話】。 この禍話への怖い話の提供者の一人に『花子さん(仮)』という方がいる。 主に【トイレの花子さん】に関係する怖い話を収集しているのだが、 この話はトイレの花子さんとは関係のない、とある学校で起こった【校庭に穴を掘る話】だそうだ。 その学校が現在もあるかは定かではない。 平成一桁台のある時期。 I県の、ある小学校にてそれは起こった。 始めは窓際の生徒からだった。 その生徒等は時折、 「先生、校庭に穴を掘っているやつがいる」 「先生、なんか黙々

          【禍話リライト】「校庭の穴」

          【禍話リライト】「見たことのある……」

          とある女性の話。 その方は昔からずっとある怖い夢を見ていた。 その夢の内容は以下のようなものだ。 夢の中で、自分はボロボロの和室をグルグルと回っており、外に出ることができない状況にいる。 ボロボロの部屋の中に充満する臭い。例えるなら、老婆の使うタンスを開けたときのような、或いは線香の香りが漂っているときのような、そんな異臭に息苦しさを感じる。 襖もボロボロで、埃や蜘蛛の巣が辺りに見える。 そのような空間に、(うわ~、いやだ~)っと嫌悪感を抱き、 バンッ! と勢いよく襖を開

          【禍話リライト】「見たことのある……」

          【禍話リライト】「庭の茶室」

          体験された方の小学生の頃の出来事。 当時その方の友達に、A君というお金持ちの子供がいた。 一例を挙げると、モフモフとした体毛を持ち、機嫌が悪い時なら小学生ぐらいなら倒せてしまうのではないかと思ってしまうような。そんな高そうな大型犬を飼っている大きな家だったとのこと。 そのA君の家に、友人数名と遊びに行くことが何度かあった。 小学生の頃ということもあってか、お金持ちのA君や彼の家に対して、劣等感などは感じず、純粋に(A君んちすごいな~)っとアミューズメント気分で楽しんでい

          【禍話リライト】「庭の茶室」