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「大好き」な彼とのその後

これは私が約2年付き合った恋人とお互いに恋愛感情が残ったままお別れしてからの約1ヶ月間のお話。

(↑前回の記事を読んでいただけるとあらすじがわかりますのでぜひ)


「1ヶ月」が短いのか長いのかは物事にもよるけれど私にはお別れした日が遠い昔のことのように感じられた。

この1ヶ月間で私たちに大きな大きな変化があった。

結論から言うと、私たちはお互いへの恋愛感情が無くなった。
そういう意味での「好き」が無くなった。

これだけを言うと冷めたのか 気持ちが薄れたのかなどと捉えられがちなので言っておくと、そのようなマイナスな出来事ではない。

「好き」の種類が変わったのだ。



私たちがお別れをした日、3/31。
これは私が社会人になる前日でもあった。
家がある東京から勤務地である仙台にあるホテルに着いた日だった。
(会社の都合で引越しが5月中旬になるためそれまで私はホテル暮らしをしています)


翌日4月になり私は恋人としての彼がいない生活と社会人生活を同時に始めた。

想像以上だった。
会社のことは好きだけれど2週間の新入社員研修は信じられないくらい厳しかったし、研修後に配属された部署はとんでもなく頭を使うところであったし、1ヶ月の間に仙台と東京とを何往復もするのは体力的にも精神的にも辛かった。


辛くて辛くて新生活が不安で何度もホテルから彼と電話をした。
楽しかった。
励ましてくれた。
嬉しかった。
それがすごく支えになっていた。
忙しすぎて私が彼に電話をする余裕がない時も、今までの日常が無くなったことが彼の存在の大きさを再確認させてくれた。
やっぱり彼のことが大切で大好きだと思っていた。

ただ、新生活に慣れ始めた4月下旬のある日の彼との電話が、その「大好き」という感情が恋愛においての感情なのかよーく考えるきっかけになった。



その電話で彼が話した内容は、
自身のセクシャリティの自覚 だ。
彼は「他者に恋愛感情を抱かない人」だった。

元々彼は恋愛においてあまり人をそういう意味で「好きになる」ことが少なかった。そう言った欲もあまりなかった。
今まで恋愛感情で他人を好きになったことが無い・恋愛をしたことがない人は男女問わず私の周りに多くいたので彼もそういうタイプの1人なのだろう くらいにしか思っていなかった。
けれども彼と過ごす時間が増えて話を聞いていて「恋愛観」という言葉では片付けられない考えの違いがあったり恋愛に関する話題で話が噛み合わなかったりすることが多くあることに気がついた。

彼自身にも恋愛において人と考えが違うことに戸惑いや悩みが少なからずあることが見受けられたので、モヤモヤを解消するためにも1度ネットなどで調べることを勧めた。
そこで彼は自分のセクシャリティを自覚した。そしてそれを私に打ち明けた、という流れだ。

ということは、だ。

彼は私と付き合っている間も(もちろん今も)私に恋愛感情は抱いていなかった(いない)ということだ。
でも彼がこれについて電話で話してくれた時、私はショックでもなんでも無かった。

彼が私に対して「そういう意味での好き」ではなくとも「愛」を、「好き」をたくさんたくさんくれていたからだ。
私という人間を愛してくれていることに変わりはないからだ。

彼は自分のセクシャリティを自覚した上で、「それでも恋愛や結婚はしたい」と話した。
一人でいるより誰かと人生を共に過ごすことが幸せだと彼は考えているからだ。
でもそれと共に人を好きになれないことにもどかしさを彼は感じていた。

"恋愛や結婚をしたい"
その願望がある以上、恋愛感情がなくても「そばにいたい人」や「大切にしたい人」と恋愛関係や家庭を持ったら良いのではないかと私は思うし、そのことを彼に話をした。

もしかしたらその「大切にしたい人」は私である可能性もあるだろう。
でもそれは色んな人と出会わないと分からない考える。

きっと彼はその「大切にしたい人」に出会うために、恋愛感情ってこういうこと?という気づきを得るために、今後「恋愛」をしていくのだろう。
そうして色んな出会いや体験などを経て、その先で「大切にしたい人」「隣にいて欲しい人」が誰かを彼は決めるのだろう。
だからそこで私が該当したならば、またそのときに私も彼に恋愛感情があるならば、復縁することも有り得るのだと思う。
(前回の記事で復縁について質問が多数あったのでこのタイミングで触れてみました)


話が彼に偏りすぎたので私側に戻そう。

念の為言うけれど私は今、彼に恋愛感情がない。
でも正直、それがいつからなのかは分からない。
分からない理由は単純に忙しすぎたからだと思う。

ただ事実として言えるのは、
社会人になって自分の中での彼の存在の大きさを再確認した、大好きだと感じた、でもその「大好き」は恋愛という枠をはみ出すベクトルでの気持ちなのだということ。
肩書きで分かりやすくいうと「家族」みたいな。恋愛 から 親愛 に「好き」の種類が変化したみたいな…。
(これを彼に話したら彼が私に抱いている特別な気持ちに名前をつけるのに「家族」はしっくりくると言っていた)
このことについてじっくり考えるタイミングを彼がくれた という感じかな。
自分で望んで恋愛感情を抱いたままの別れを選択したけれど、「彼への恋愛感情を自分の中に持ち続けなきゃ」みたいな葛藤も無意識のうちにあったような気もする。
彼がありのままの自分自身について話してくれたから、私も忙しくて見失っていた自分の気持ちに耳を傾けることができたのだと思う。結果論だけれども。

とはいえ私たちは本当に本当にお互いにお互いを大好きだと思っているしそれを言葉にしてストレートに今も伝えあっている。
けれど明らかに「恋人」という関係の時とは言葉を受け取った際の気持ちが違う。
ここでやっと私たちは身をもって「お別れ」を感じたような気がする。
(ここら辺に関しては目には見えないし当事者にしか分からないので異論は認めません)

私は彼のように「他者に恋愛感情を抱かない人」ではないし、むしろ恋愛体質な気もするのでまた実際に彼に会った時に「やっぱり好き〜!!付き合いたい〜!」みたいなチョロいことをいう可能性も無くはない。
それならそれで片想いをするのもアリかもしれない。そうなってみないと分からないけれど。

ただ、今は家族とか相棒とか相方みたいなそういう対象として彼を見ている。彼も私のことをそう見ている。
あともうひとつ、この一件を通して私が思ったのは、本っ当に私たちは考えていることが同じだということ。双子とか兄妹として生まれて出会っていたらベストだったのかな〜とかふわふわ思ったりもした。
それだけお互いのことを特別に想っているのでどんな関係であれ一生付き合いを続けていきたいねと話している。



ここまで読んでくださった方、ついてこれましたか…?
情報量は多いし、「!?」と思う話が多いし、そもそも本人である私が 複雑すぎてこれ言語化できるのか…? となりながら綴っているので第三者である皆さんに説明しきれているかは分かりません。意味不明な文章であったら時間を奪ってしまってすみません。

また前回の記事をたくさんの方が読んでくださって、「『恋愛感情を抱いたままの別れ』について悩んでいる方に選択肢の1つとして提案する」という一番の目的も叶えることができました。
励ましの言葉や感謝のメッセージも本当にたくさん頂きました。私の方がありがとうございますです。

今回のこの記事に関してですが、
理解も共感も何も読み手に求めていません。
前回の記事を公開すると決めた時に、別れたあとに何か変化があればそれも共有すると決めていました。
だからこの記事の目的はただの近況報告です。
「好きなまま別れた2人はどうなったのかな〜 へえ今はこうなのね〜 」くらいのマインドで読むのがおすすめです。
(恋愛感情を持ったままでいて欲しかったな〜復縁して欲しかったな〜みたいな方ももしかしたらいるかもしれませんが許してください)

それから今回の件を通してLGBTQやセクシャリティ、性についてもっと勉強しようという気持ちになりました。
この本やサイト読むといいよみたいなのがありましたらどしどし教えてください。



以上が「大好き」な彼と私の別れたその後についてのお話でした。

余談ですが、当たったら一緒に行きたいねと話していたライブに当選したので、次に彼と会う日程が決まりました!
そのうちツイートに登場するかもしれません。

これからも私たちを見守っていただけたらと思います。

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