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15歳のテロリスト【新宿駅爆破事件!?】

少年犯罪。
皆さんはどのくらいご存知でしょうか。

適用年齢、実名報道、厳罰化など、人によっても様々な意見があるであろう、これら少年犯罪がテーマの小説をご紹介します。


〇著者

・松村 涼哉
大学在学中に応募した作品が、が第22回電撃小説大賞で<大賞>を受賞し、デビュー。

〇ジャンル

ミステリー小説

〇あらすじ

『新宿駅に爆弾を仕掛けました。これは嘘ではありません』
(略)
『全て、吹き飛んでしまえ』

『15歳のテロリスト』より

犯行予告の後に発生した新宿駅爆破事件。
容疑者は15歳の少年 渡辺篤人。

少年犯罪を追う記者の安藤は事件を調べていくと、驚愕の真実にたどり着く…

少年の意図は?何が少年をそうさせたのか?
なぜ安藤は少年犯罪を追い続けるのか?

〇感想

『15歳のテロリスト』という衝撃的なタイトルに釣られて即買い。

・扱っているテーマは、少年犯罪というセンシティブな内容だが、重すぎる雰囲気では決してない。展開が早く、全体的に駆け抜ける感じで3時間程度で思わず一気読みした。

・この本では、少年犯罪を引き起こした加害者、被害者、ぞれぞれの家族、少年判事被害者の会、少年法を議論する者など、様々な立場の人が登場する。それぞれの立場には各々が抱える思いがあり、どちら良い、悪いとは簡単には決められないということを特に感じた。

・少年が絡む悲しい犯罪はたまに起きてしまい、そのたびに少年法に関する議論が注目される。(適用年齢、実名報道、厳罰化など)
誰しもうっすらと自分の意見や考えがあると思う。
ここでは述べないが、私も「何となく」の意見は持っていた。
しかし、この本を読んでいくうちに、自分の意見も所詮は「何となく」に過ぎなかったなあと痛感。

・私はこれまで、少年犯罪の被害者、加害者、調査するメディア等、どの立場に立つことなく生活してこれた。
しかし、それぞれの当事者にしか分からない経験や苦しみ、葛藤が、そこには確実に存在するわけで、それは経験者にしか分からない。
経験者になったことのない我々は、まずは少なくともその事実を把握する必要がある。

・そして、想像する必要がある。想像しきれないこともあることを認めたうえで想像する。
そのようにしたうえで、意見や考えを持つということが大事で、これは少年犯罪に限ったことではなく他のことにも言えると思う。
本を読むということは、その「想像する」という過程を大きく手助けしてくれる行為だと感じる。

以上です。
最後はやや脱線気味になってしまいました…

重すぎずサクサク読めて、でも考えさせられる。そんな小説でした。
気になった方はぜひ読んでみてください!

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