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いろんな出会いでなにかが変化するんだとしたら、何に出会いたいのだろう

この世界は生きるに、いや、貪欲に味わうに値しますよ

BUTTER  柚木 麻子

連続不審死事件の被告人とその事件を追っている記者と
その周りを取り巻く人々の物語だ。

世間を騒がせているその事件は裕福な男性が愛人業を生業にしている女性の周りで起きた事件だ。
その一番の特徴が、その被告女性が痩せてないということだ。
痩せていないのに、自分を許し、
愛されることが当然だと思っているということだ。

以前、どこかで世間の評価の基準
特に女性に対する基準が男性によるものが多い。
ということを誰かが言っていた。

この被告人の女性、梶井真奈子は美味しいものを食べるということを
とても重要視している。
主人公の里佳に対して、自分が美味しいと思うものを紹介し、
里佳は、その帰り道に梶井に言われたもの、バターを買い、食した。
里佳は体重管理に気を付けている部類の人間であり、食に貪欲なほうではない。
ただ、梶井という人物に出会い、どんどん食におぼれていく。
むしろ、梶井という人物を通して、自分という人生、
周りの人々との関係性、
そしてなにより自分というものについて、考え、見つめ直していく。

築いたものを見つめなおすには、壊すのが一番早いと思う。
変化という言い方の方が、いい。
今までの自分、良し悪しは自分が心から何を思うかによるのだ。

太る観点で食べ物を見るのか、美味しい観点で食べ物を見るのかでも、
違う。
自分が何を幸せに思うのか。
どうなりたいのか。
とっても大変で、めんどくさいことだが、
これに関しては、自分がわかるまで考えた方がいい。
なにが自分なのか。
でも、どんな自分もなにをやりたいと思っても自分で決めたならいいのだ。
主体性がなくても、個性がなくても自分なのだ。
私は、主体性がなく、個性のない人間だと自分で思っている。
でも、いいのだ。
人のことを考え、自分はいろんな人とつながっていく。
なにがその人のためになるのかを、自分の損得なしに考える。
これが、私のやりたいことなのだ。
大切な人たちが周りにいて、話ができる。
それだけで私は幸せだ。
ただ、その人たちが、本当に困ったときになにができるのか。
できるだけのことをしたいので、今自分ができる最大限の努力をしよう。
知識、財力、人間力、いろいろ。

私がそう思うだけで、それが正しいとも思わない。

もし神様がいたとしたら、私たちが与えられた試練に苦しむのを見て、
満足したり、喜んだりしないんじゃないかなって。
だから、なにもかも自力で乗り越えなきゃいけないわけじゃないよ。
成長し続けなきゃいけないわけじゃないよ。
そんなことより、今日一日をやり終えることの方がずっと大事。

BUTTER 柚木麻子 

バター醤油ご飯、おいしいバターでやってみようかな。
ぜひ読んでみてください。

Written by なおこ

アラフォー女


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