久保田毒虫

ショートショートマニア|ショートショート|川柳|詩|10文字ホラー3、星々vol.1、…

久保田毒虫

ショートショートマニア|ショートショート|川柳|詩|10文字ホラー3、星々vol.1、vol.2、vol.3に作品掲載

マガジン

  • 毒虫140字小説集

    毒虫140字小説集①〜③をまとめて販売!お得な価格になっています。全45編!

  • 毒虫ショートショート集

    毒虫ショートショート集①〜⑥をまとめて販売!お得な価格になっています。全30話!

最近の記事

【ショートショート】喫茶店にて

 会議が予定より早く終わった。次の取引先の訪問までだいぶ時間がある。俺は喫茶店で暇を潰すことにした。 「いらっしゃいませー」  俺はテーブル席に座った。  店員は何故かお冷を2つ置いていった。ははあ、怖い話でよくあるやつだな。一人で来たのに何故か二人分のお冷が用意されて、店員に聞くと「二人で来てましたよねー」ってやつ。べただなー。まさか本当にあるとはな。俺はまるで霊感がないから、怖くも何ともないがな。ははは。  俺は一応店員を呼んだ。 「あのー、お冷が」 「あ、私としたこ

    • 【エッセイ】Back to the 2004

      木曜日。小学校の授業が早く終わる。 ランドセルを投げ捨て、自転車漕いで、僕らは団地の中の公園に集まる。 まずするのはケイドロだ。 当時の私は足が遅いので直ぐに捕まる。 そして買ったばっかりのニンテンドーDSで遊ぶ。 スーパーマリオ64DSで、みんなでダウンロードプレイ。意味のないピクトチャットの会話。 自転車漕いで、また明日。 嗚呼、2004年に戻りたい。

      • 【エッセイ】自我同一性の展開

        「自分のことを、この世の誰とも比べてはいけない。それは自分自身を侮辱する行為だ」 かの有名なビルゲイツの言葉である。 ゴールデンウィーク、何人か友人に会った。 思い出話に花を咲かせる。 あの人は今はああしてるだの、あの人は結婚しただの。 しかし、その時私は心に寂寥感を抱いたことを白状しなければならない。 彼らはあまりにもいきいきとして見えた。 彼らはあまりにも充実して見えた。 それに比べて私はなんだ。 何もないではないか。 このまま終わっていくのであろうか

        • 【ショートショート】あなたに捧げる

           穏やかな春の日。私はすっかり心が壊れてしまったことを、ここに白状しなければなりません。  私は以前、偉そうに「他人と比べるな」と言いましたが、一体どの口が言ったのでしょうか。他人と比べてばかりじゃありませんか。旧友と会っても、心が晴れません。常套句のように、「誰だって辛いことがあるさ」なんて言われても、どうも腑に落ちません。  私はもう何もかもが嫌になりました。もう一切を捨てて生きてゆきたいのです。  私は恵まれている方だと自負しています。でも、それが何だっていうんです

        【ショートショート】喫茶店にて

        マガジン

        • 毒虫140字小説集
          3本
          ¥200
        • 毒虫ショートショート集
          6本
          ¥200

        記事

          【エッセイ】三十路の目標

          とうとう30歳になった。 若いつもりが年をとった。 暗い話にばかりやたら詳しくなったもんだ。 思わずユニコーンの「すばらしい日々」を口ずさむ。 30歳か。 はて、何をしよう。 これといって目標はない。 いや、目標なんて無くていいのかもしれない。 精一杯生きる。これでいいではないか。 と思ったけれど、やっぱり何か始めたい。 バイクの免許持ってるから、バイクでも買おうか。 沖縄でスキューバダイビングでもしようか。 うーむ… あ、そうか。「人生」をまた始め

          【エッセイ】三十路の目標

          【コラム】一億総逃走

          春から新社会人の諸君。 社会はとても理不尽なところだ。 楽しいこともあるが、残念ながらあなたが思うよりももっと嫌なことがたくさんある。 辛いことや嫌なことがあったらどうするか。 答えは一つ。 逃げろ。 逃げて逃げて逃げまくれ。 逃げたもん勝ちだ。 逃げるは恥ではないし、役に立つ。 自分が壊れる前に逃げろ。 自分最優先でいい。 下手なプライドなんて捨ててしまえ。 「逃げる」という選択肢を常に忘れるべからず。

          【コラム】一億総逃走

          【コラム】断捨離の大切さ

          私は現在、実家で家族と同居している。 時折、食器洗いや掃除を手伝う。 最近掃除していて気づいたことは、「断捨離」の大切さである。 断捨離には沢山のメリットがある。 物が増えるとそれだけ掃除する量も増える。 物を減らすことで掃除する量も減らせる。掃除機やシートの使用も削減できる。 いらなくなった物を売ることによって、収入も得られる。 断捨離し、部屋を整理整頓することによってある種掃除をしたことにもなり、部屋がスッキリする。 これはメンタル面においても同じことだ。

          【コラム】断捨離の大切さ

          【エッセイ】銀行員時代の話

          今はもう退職したが、大学を出て最初に新卒で銀行に入った。 銀行員を経験して良かったことは、「目に見えない物事の大切さ」を知ったことだ。 銀行は企業に融資する際、財務分析をする。 その会社の収益や資産、負債を見て、融資の可否を判断する。 しかし、目に見える数字だけでなく、目に見えない情報も大切になってくる。 一見、数字だけで見れば会社の経営がうまくいってないように見えても、その会社の作ってる商品がこれから将来的に伸びそうな媒体なら、運転資金として融資をすることでその会

          【エッセイ】銀行員時代の話

          【エッセイ】餃子はそのまま食べろ

          皆さんは餃子を食べる時、何を付けて食べるだろうか? 餃子のタレ? ラー油? しょうゆ? ポン酢? 皆様には是非餃子を「そのまま食べる」という選択肢を加えてもらいたい。 最近の市販の餃子の進化は凄い。お店で食べる餃子と対して変わらないクオリティである。 某メーカーの冷凍餃子なんて焼くだけでその辺の本格餃子より美味しい。 市販の餃子はそのレベルまで達しているのである。 故に焼いただけでそのまま口に放り込んでもなんら問題ない。 いやむしろ美味しいことに最近気づいた。

          【エッセイ】餃子はそのまま食べろ

          【コラム】「小字」を知る

          皆さんは「小字」という言葉を聞いたことがあるだろうか。 「大字」なら皆さんも聞いたことがあるかもしれない。住所で「◯◯町大字◯◯」といったふうに、市町村の区画名称の一つである。 その大字よりもさらに小さい区画名称が「字」または「小字」と呼ばれる。 小字は現在では区画整理などで消滅していることが多い。 例えば現在だと単純に「1丁目1-1」と表記されるが、その「1丁目1-1」の中に実は小字が隠れてる場合がある。 我々が小字を知る方法は、古い地図を見るか、地元に古く住んで

          【コラム】「小字」を知る

          https://note.com/dokumu444/m/m9d42d265d6f1 毒虫140字小説集が出ました。面白いです。是非。

          https://note.com/dokumu444/m/m9d42d265d6f1 毒虫140字小説集が出ました。面白いです。是非。

          毒虫140字小説集③

          ・スクリーン 「ようこそお越しくださいました。まずはこちらのスクリーンで映像をご覧下さい」若い女性がいる。女性は人々の首を噛みちぎる。人々の鮮血が迸る。血が明るく輝いている。スクリーンに向かって女性が言う。「人間が一番怖いのよ」血がとてもキレイだった。女性はもっとキレイだった。 ・日曜日

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          毒虫140字小説集③

          毒虫140字小説集②

          ・顔色 「お客さん。どちらまで? あ、はいはい」「それよりお客さん、顔色が悪いですよ。まるで人でも殺してきたような。何をそんなに怯えているんですか。私にはわかるんですよ。顔を見ただけでその人が何をしてきたか。え? ああ、大丈夫ですよ。私も殺人鬼なので。あなたを殺して食べるだけなので」 ・帰宅

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          毒虫140字小説集②

          毒虫140字小説集①

          ・タクシー  私はとある山奥でタクシーを拾った。「お客さん、こんな山奥で何してたんですか? あ、そうそう。ここら辺で拾ったお客さんはいつも幽霊なんですよね。気づいたら消えてるんです。ああ怖い怖い。え? ああ、ご心配なく。私も幽霊ですから」 ・バス停

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          毒虫140字小説集①

          【エッセイ】アイデンティティの崩壊と形成

          今でも鮮明に覚えている。 幼い頃の記憶だ。 母に連れられて映画館に行った。 ドラえもんの映画だ。 その映画を見て私は驚愕した。 ドラえもんがたくさんいるのだ。 ザ・ドラえもんズといって、世界各国、例えばアメリカや中国のドラえもんが登場するのだ。 私にとって、ドラえもんは「ドラえもん」なのだ。 唯一無二の存在なのだ。 幼い私は、驚きとともに世界の広さを知った。 世界にはいろんな人がいて、いろんなドラえもんがいるんだ。 同時にこうも思った。 「世界のどこかに

          【エッセイ】アイデンティティの崩壊と形成

          【コラム】幸福を急がない

          先日、コラムで「誰しも悩みは大体3つくらいある」と書いた。 もう一度言うが、大小はあれど、誰にでも悩みや不安はある。 それは生きてく上でしょうがないことである。 しかし、その不安を早く解決したい、なかったことにしたい、と生き急ぐ人がかなり多い。 気持ちはわかる。不安がある状態で生きるより、悩みのないニュートラルな状態で生きた方が楽に決まってる。 しかし、不安に対する最もな有効打は、不安と「共存する」ことである。 不安を打ち消そうとすればする程余計ごと脳味噌に「不安

          【コラム】幸福を急がない