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あなたはイヌが額から汗を流している姿を見たことがありますか?


もしも、タイトルで示した、

「あなたはイヌが額から汗を流している姿を見たことがありますか?」

という質問を100人にしたら、100人とも「いいえ」 と答えるはずです。

イヌが額に汗をかくことはあり得ません。
人間は暑さを感じると、全身に汗をかくことで体温を下げています。
一方、イヌは汗腺が足の肉球の周辺くらいにしかなく、汗をかけるのは足の裏くらいのものです。足の裏だけ汗をかいても体温は下がりません。

そこでイヌはどうするか?

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舌を出してハアハアあえぐのです。

パンティングと呼ばれる舌出し呼吸によって、舌の上の水分を蒸発させるとともに、ハアハアと荒い息をすることによって肺の表面の粘膜からも水分を蒸発させます。こうすることでイヌは体温を下げることができるのです。

通常のパンティングなら何の問題もありませんが、もしも苦しそうにハアハアするようなことがあれば、病気を疑ったほうがいいでしょう。

呼吸器だけでなく循環器の病気や感染症の可能性も考えられます。
発熱しているためになんとか体温を下げようと息を荒げていることもあるのです。

汗をかかずに、ほぼ呼吸だけで体温調節をするイヌには、ある弱点があります。

その弱点とは、熱中症になる危険性が人間よりも高いということです。
特に暑さに弱い犬種は、北国原産のシベリアン・ハスキーやサモエドなどです。

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参考画像:雪のように白い被毛のサモエドは、ロシア原産の 古いタイプの犬種。元はトナカイの群れの管理を仕事にしていた


また、パグやブルドッグなどの短頭犬種も体温調整が苦手です。

原因は、呼吸をすることにすこぶる不利な呼吸器の形状にあります。
ぺちゃんこの鼻を持つこれらの犬種の折れ曲がった鼻道は空気を通しにくく、
上顎の奥の軟口蓋は喉に垂れ下がっているため、パンティングがしづらいのです。

実際、短頭犬種は極端に暑さに弱く、機内で死亡事故が起こることから、これらのイヌの飛行機の搭乗を拒否している航空会社もあるくらいです。
短頭犬種には、パグ、ブルドッグの他に、シーズー、チャウチャウ、スパニエルなどが含まれます。


✳︎以下は、ご参考までに

獣医師ら専門家が唱えていることの中から、「 これだけは」と思われる留意点ををチョイスし、 老婆心ながらまとめたものです。
(間違ったことは書いてないと思います)


夏の暑さ対策をしっかり!

犬種にかかわらず夏場は特別な配慮が必要です。

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散歩の時間を見直す

朝は早めに、夜は遅めにずらすようにします。
日中炎天下の中でアスファルトの道路を歩かせている人を見かけますが、イヌの身体は人間よりずっと路面に近いということを忘れないでください。
イヌは、地面からの熱射を受けやすいということを考えなければいけません。
熱中症になる前に肉球をヤケドしてしまうでしょう。

暑さが厳しいときはイヌの体を冷やすよう心がける

暑すぎると熱中症にかかってしまうばかりか鼻が利かなくなります
嗅覚というイヌの最も重要な感覚器がマヒしては大変です。
☞詳細は、ここまでわかった犬たちの内なる世界〜#07をお読みください。

イヌの体を冷やしてあげるには、たとえば、園芸にも使われるような大型の霧吹きで水をかけると、体中に汗腺があるのと似たような冷却効果が期待できます。
また、冷水に浸し絞ったタオルで体をふくのもおすすめです。

運動量は控えめに

暑い日に運動量を多くすると、次第に呼吸が荒くなって目が充血するだけでなく、
倒れたり、 痙攣(けいれん)を起こしたりします。
放っておくと、呼びかけても反応しなくなり、昏睡状態に陥ることさえあります。

車の中にイヌを放置することは厳禁

エアコンが突然故障してしまったときなど、車内で熱中症による死亡事故が起きています。
熱い車に残されたイヌはわずか10分で死亡する可能性があるという指摘もあります。

留守番をさせるときは、エアコンをつけっぱなしにしておく

人間同様に屋内での熱中症もあります。
暑いからといってイヌにはエアコンのスイッチを入れることはできません。


▼リンク先の記事では、基本的なことがかいつまんで書いてあります。

暑い歩道を歩くと、犬の敏感な足の裏が実際に火傷する可能性がある
ことをご存知ですか?

と 警鐘を鳴らしています。


※上記は、 堀が2015年に上梓した『イヌの「ホンネ」わかる本』(光文社知恵の森文庫)のP97〜101を一部改変したものです。


読んでくれて、ありがとうございます!!

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