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イヌの同性愛はごくふつうのこと?

「同性愛」は様々な動物で見られます。

哺乳類を始め、鳥類、は虫類、両生類、昆虫、線虫まで1500種類以上の動物で、たとえば、マウント、歌やその他の信号による求愛、生殖器の舐めや精子の放出など同性愛的な行動が見られると報告されています。

データを見る限り、自然界では、同性愛は不自然なことではなく、ごく自然な現象と言えそうです。

野生下での同性愛的な行動がしっかりと報告された初めての動物とされるキリンは、性行為をするカップルの約90%が雄同士だといわれています。

キリンの研究者が面白いツイートをしていますので、紹介しておきますね。
 


ヒツジの雄の8パーセントが雄同士で一生涯つがいのように寄り添うという報告もあります。

動物の同性愛について調べた論文によれば、哺乳類では125種で同性愛的行動が確認されており、特に若い雄に多く見られ、 しばしば雌でも見られるということです。

イヌの場合はどうなのでしょうか? 


イヌもまた同性愛的なふるまいをします。たとえば、同性間でのマウンティングです。一見すると、性愛を目的としたコミュニケーションをとっているようにも見えるこのマウンティングは、雄同士でも雌同士でも行なわれます。

画像:共に約9ヶ月齢の雄

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しかし人間でいうところのゲイレズビアンのような同性愛とはニュアンスが違い、遊びの要素を含んだ社会的コミュニケーションのひとつとして行なわれていると筆者は考えています。
 
これは一般にいわれているような、優位性を示したり、支配関係を確認するという性質のものではありません(そうした要素が全くないとまでは言いませんが)。

その根拠は、表情にあります。おだやかで力みがみられません。

このような同性間のマウンティングは、同性愛というくくりでとらえるより、「友愛のしるし」としてとらえたほうが的を射ているのかもしれませんね。



💜
最後に、進化生物学の視点から補足しておきます。

🤷🏼‍♂️同性愛は進化のパラドックス
科学界の従来の仮説によって、同性愛的行動は、生存や生殖に関する明白なメリットがないことから、「進化のパラドックス」とみなされてきました。自然淘汰によって種の絶滅につながりかねないというのです。しかし2000年代になって、 一部の科学者は「パラドックスとしての同性愛」に 焦点を当てた研究を行ない、同性愛を一種の「適応」として解釈しています。社会的なきずなを強化したり、性的な競争を減らしたり、求愛のテクニックを洗練させるのに役立ったりするなど、 進化の上でのメリットがあるというのです。


◼︎参考サイト

Why Is Same-Sex Sexual Behavior So Common in Animals?  | Scientific American | November 20, 2019

Keeping an Open Mind to Animal Homosexuality|WIRED|Jun 16, 2009



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