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24.不老の研究

現在、世界中の各国で「不老」の研究が活発に行われています。

「老いる」という現象は、細胞分裂しなくなった「老化細胞」がカギを握っています。この「老化細胞」が除去されないことが老化問題の根源だと。

以下引用です。

「老化細胞」というのは、細胞分裂せず増殖をやめてしまった細胞のことです。その老化細胞が、死ぬことなく生き延びていることで、私たちの肉体はさまざまな形で老化していくということがわかってきました。この老化細胞を生き延びさせている酵素(GLS-1酵素)をブロックすることで、老化細胞を死滅させて除去することが可能になる、というのが、私たちが発見した「老化」を防ぐメカニズムです。(「老化は治療できる 中西真著 宝島社新書 2021年」)。

本来死んで除去されるべき「老化細胞」が生き残ると、炎症を促す物質を出すことで「慢性炎症」が起こるようなんです。老化が進むのはこの慢性炎症が原因なんですね。

以前紹介した「免疫と『病』の科学 宮坂昌之・定岡恵共著 講談社 2018年」の「老化も慢性炎症である」という記述ともほぼ一致します。

明らかになりつつある老化を抑える薬は、慢性炎症を抑える薬ではなく、老化細胞を死なせる薬ですので、ステロイド剤やNsaidsのような抗炎症剤ではありません。その老化防止薬はいくつか見つかっているようですが、動物では実験できるもののヒトではなかなか実験できないのでしょう、いまだに実用化はされていません。しかし、「より長くより健康に生きる NATIONAL GEOGRAPHIC 2022年」には、自らを実験台にして効果を確認した科学者のケースが紹介されていますので、早晩ヒトでの実験が行われるかもしれません。

上記中西真氏の著書「老化は治療できる」にも、「いずれ、究極的には60歳や70歳になった方たちがみなさん投薬を受けることで、老化を遅らせる、あるいは老化現象を改善させる、といった形で薬が活用されていけば理想ですね」と期待を膨らませる記述があります。

是非、早急に実用化されて欲しいものです。

ただ、不老=老化防止は可能でも、「不死」は避けられないようです。老いることなくともいずれ時期が来たら命が尽きる、いわゆるピンコロ、それはそれで少しありがたい話ではありますけど、どうしても死から避けることはできないんですね。

私たちヒトに与えられた時間は120年、イヌの時間は20年がせいぜいなのでしょう。


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