見出し画像

「へい、外国人やらせてもろてます」

どうも、Dogaです。

今日はアイルランドでのビザ更新のためにGarda Station(警察署)に行ってきました。知らない人のために一応言っておくと、アイルランドの事務手続き関連のサービスクオリティは基本的にとてつもなく低いです。メールしても何も返ってこなかったり、担当者が入力ミスったり、言ってることが違ってたりと、いろいろ高いサービスレベルを期待すると、ストレスがたまるので、期待値は低めに行くのが鉄則です。

ぼくが初めてアイルランドでビザを取得した際には、登録されている名前にミスがありました。移民関連の重要かつ、政府管轄の手続きですよ?どうやら担当者が手入力する際に僕の名前をミススペルしたみたいです。もちろん、ちゃんと連絡して修正してもらえましたが、まさかこの手の書類でこんなことが起こるとは思わなかったので、驚いたのを今でも覚えています。カナダではそんなこと一度もなかったからです。

ちなみに、ビザ更新する際には、ダブリン以外に住んでいる人は、最寄りの警察署にメールか電話をして、対面での書類手続きをするための予約をしなくてはいけません。うちの最寄りの警察署はメールアドレス(というか連絡フォーム?)があったので、そこから予約の依頼をしました。ただ、予想通り一週間経っても連絡なし。

もうこんなの慣れたものです。実はなんとなくこうなることは分かっていました。もうこのハードルは一年目に乗り越えましたので、心のなかで「だよねー」と真顔でつぶやきながら、直接警察署に電話をしてみることに。

電話をすると、すぐに移民手続き担当の部署に繋いでもらえました。

担当者「はい、なんでしょう」

ぼく「Stamp 4(ぼくの今のビザの種類)の更新をするための予約を入れたいんですが」

担当者「はい、明日の10時に来て」

ぼく「ん…?!あ、え、明日の10時にそのまま迎えばいいんでしょうか?」

担当者「そうそう、はい、それじゃあね」

お気づきでしょうか…。名前も聞かれていません

ちなみに、昨年隣の県で更新をした際には、予約を入れられたのは連絡をしてから数週間後でした。当然時間も厳格に決まっており、事前にメールで注意事項なども送られてきたはず。なので、ぼくの想像の中では、今回もそれくらいしっかり管理されているものだろうと思っていたのですが、あまりにも一瞬で予約がとれてしまったため、拍子抜けし、逆に電話上で挙動不審者のような返しをしてしまいました。

そしてあまりにも簡単に、かつ唐突に予約がとれてしまったため、果たして本当に予約できているのかどうか不安になってしまいました。

まぁ、結果、問題なく予約できていたみたいで、今朝10時前に担当部署の部屋に入れてもらい、難なく一瞬で作業を終えてもらいました。ようやく一年ではなく、三年のビザが降りるそうです。これな地味に嬉しい。

「あー、良かったな」と肩の荷が降りた感覚なのですが、同時に「あー、ぼくはこれからあと何年こんなことを繰り返して生きていくのだろう…」という漠然とした不安?重圧?を感じてしまいました。

あと何年ぼくは「外国人」というタイトル(と言ってもいいでしょう)を持ち続けていくのでしょうか?あと何年ぼくは「へい、おかげさまで、外国人やらせてもろてます」的な位置づけで、この国で許可をもらいながら生きていくことになるのでしょうか?

もちろん、そんなことはぼくが外国で暮らすことを決めた以上、永遠に続く葛藤なのでしょうし、どれだけ続けるのかも自分次第。そんなことはわかっています。外国人として、アイルランドに住まわせてもらっているだけでも、感謝しなくてはいけないことです。

こんな気持ちになったのは、きっと、ビザ手続きをするために通された、部屋の棚に「Alien…」と書かれた、おそらく移民関連の書類を集めたフォルダが並べられているのを目にしてしまったからなのかもしれません。

Alienは「外国人」という意味です。ただ、宇宙人に「エイリアン」という言葉が使われているように、広義では、「性質を異にする、異なる存在」という意味でもあります。その言葉が書かれたフォルダを見て、なんとなく「あ、そうか、自分、外国人なんだよな。"彼ら"とは違う存在なんだよな。」と改めて突きつけられたような感覚を持ってしまったからなのかもしれません。

勝手に自分が考えすぎているだけなのですが、この感覚はこれからも常にぼくの心の奥深いところに、ヘドロのようにまとわりつき、定期的に訪れる、避けては通れないビザ手続き作業のように、これからもぼくから離れてくれないんだろうなと、そんなことをぼーっと思うのでした。

ここまで読んでくださったようでしたら、Like(♥)ボタンのクリックをよろしくお願いします。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?