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夜の果て

夜が更けてきた。

雲が、星が、月が、空がじじじと地球と摩擦して流れていく音が聞こえてきそう。

ひとりだと世界から私だけ切り離されて止まっているみたい。

雲の影がゆっくりと流れるのを目で確かめて、まだすこし冷たい空気に肺が沁みる。

弱く脆い人間の夜だ。

夜に名前をつけることで思い出を作る。

宇宙から見たら、私のいる部屋の明かりなんてわざわざ見つける気もしないだろうな。

それでも、コンビニの明かりが私は1人じゃないと言ってるみたいに感じた。


人間は数えきれない傷を負い、傷つけたりして混濁した世界を生きてきて、それでも今を笑いながら生きている。

ホットミルクをいれる。手で包み込んで、じっと温もりを感じていた。しばらく、コップからふわりとあふれる白い香りに身をまかせて。

私は淡い朝焼けが部屋を染めるたび体のネジを回す。

街が暗くなったら白い香りに祈りを乗せて、静かに今日を振り返る。

1人で勝手に落ち込んで這い上がってを繰り返す。だから、何百万回と自分にこう伝える。

「アジの開きでドーナツだよ」

これは大好きな旅人に教えてもらった、おまじないの言葉。

アジの開きを思い出しながら、もう、これ以上開かないってくらい開きなおる。

正直、私はアジよりホッケの方が好きだから、
たまにほっけの開きと口に言う。

そしてドーナツの穴をどう捉えるかは自分次第。

うーんと両手を空に伸ばすと、知らずのうちにこわばっていた体が少しほぐれる。

焦っているときに深呼吸ってなかなかうまくできない。

そんなとき、体をのばして息をこれでもかってくらいに吐き切る。

そして、新しい空気がたっぷり体に染み渡る。

息を吐き切った後に味わう空気って美味しい。

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ほろ酔い文学

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