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ドボクのラジオ 第242回 ダム建設後の世界

ゲスト:空かおりさん((株)オリエンタルコンサルタンツ中部支社河川砂防港湾部副部長・防災事業部副事業部長 兼一般社団法人未日来(みらいび)代表理事)
ナビゲーター:JUMI
案内役:水天宮のちーちゃん

今回のゲストの空かおりさんは、建設コンサルタントという業界で、河道計画や設計を行う土木技術者です。最初は、机上で作業をしていたそうですが、2001年度に「水源地域ビジョン」という国が進める施策に出会い、ダムを生かした水源地域の自立的・持続的な活性化を図り、流域内の連携と交流による流域圏の発展を図る事業を始めました。

そこから、空さんの世界が大きく広がります。

ダム建設というと、マイナスのイメージを持つ人が多いと思います。愛着のある土地からダム建設のために立ち退きを迫られ、拒否したものの最終的には土地を離れることになった。その人たちは口々に「友達がまわりにいなくてね~」といった悲しく寂しい報道もされていましたよね。

しかし、いまでは逆転の発想で、ダムを活用した街おこしに向けて観光ツーリズムを企画しているのです。

空さんは、さまざまな事業を行う中で、愛知県設楽町に建設されている設楽ダムを起爆剤に新規ビジネスを興す支援や新規ビジネスとして可能性のあるコンテンツを見つけて、事業として成り立つか否かを社会実験しています。その中で、2022年9月、「一般社団法人未日来」を設立、自らカフェ経営を始めました。このカフェには、地域の人が新しく「こんなことをやりたい」とさまざまな相談に訪れますし、カフェへの持ち込み企画もあります。そのような地域の人の「やりたい」を実現する活動も展開しています。

さらに、愛知県豊根村にある新豊根ダムでは、昨年10月、ダム完成50周年の節目に、ダム堤体上で地域の音楽アーティストやダム水没移転地の皆さん、名古屋市内のプロのミュージシャンによるJAZZイベントを、国土交通省の公募型社会実験の一環として開催しました。今後もこういった活動を通して、地域の活動を行っていくと熱く語ってくれた姿は印象的でした。

ダム建設には住民の合意形成が不可欠です。そういった中で、さまざまな出会いや経験を通して、幅広く深い人柄の空さんの力強いお話でした。

私も、設楽町にいって、町の人たちと星空を眺めお酒を飲みながらお話ししたいな~なんて思いました。

【放送回の音源や写真など】
番組HP
http://doboradi.jsce.or.jp/2024/01/18/b-286/
YouTube
https://youtu.be/TBlcSwY6b20?si=kvEFvPlTDCTH98OT

文:水天宮のちーちゃん
生活者の視点から、土木にかかわるすべてを深掘りしていこうと意気込む記者出身の案内人